「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2024年2月号)
2024年02月01日 イベント地域生活バリアフリー権利擁護インクルーシブ教育雇用労働、所得保障障害女性国際協力/海外活動
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2024年2月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これを読めば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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地域生活
◎大注目!
障害福祉サービスの報酬改定でまもなくサービスごとの報酬単価が示される予定
<ワンポイント解説>
2023年12月に報酬改定検討チームでとりまとめられた「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」を受けて、サービスごとの報酬単価がまもなく示される予定です。
障害分野に先んじて介護保険の報酬単価がすでに公表されていますが、訪問介護の単価が下がり、その分を処遇改善でカバーする形となっています。これが障害分野の方にどのような影響をもたらすのか、というところが懸念されます。
○注目!
障害福祉現場における事業者要望専用窓口が開設されました
<ワンポイント解説>
厚労省より以下の事務連絡について、お知らせがありました。
2023年12月6日(水)に示された「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」の中でも「サービス提供事業者や自治体の事務・手続き等の負担軽減の観点から、事務簡素化等に取り組む。」という方向性が示されていましたが、その具体化の1つの動きだと思われます。
自治体が独自に定めている悪いローカルルールの是正につながるかもしれない取り組みかと思いますので、地元の自治体の独自ルールで困っている、といった事例がありましたら、この専用窓口を活用してみてください。
▽障害福祉分野の行政手続きに関する簡素化・利便性向上に係る要望受付フォーム(外部リンク:Googleフォーム)
○注目!
子ども家庭庁の差別解消法対応指針のパブコメ募集はじまる
<ワンポイント解説>
改正差別解消法の施行に伴う対応指針の改定が行われていますが、現在、子ども家庭庁所管事業分野における対応指針(改正案)のパブリックコメントが募集されています。募集期間は1月18日(木)から2月16日(金)までとなっています。
▽こども家庭庁所管事業分野における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応指針(改正案)に関する意見募集について(外部リンク:e-gov)
バリアフリー
◎大注目!
日程未定!第6回建築設計標準フォローアップ会議
<ワンポイント解説>
2018年のバリアフリー法改正で設けられた当事者評価の会議です。半期に一度開かれて、国交省の取り組み報告や、課題などが話し合われます。
▽高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関するフォローアップ会議(外部リンク:国土交通省)
◎大注目!
パブリックコメント UDタクシー新基準「レベル準1」策定へ【意見募集期間:2024/2/1(木)~2024/3/1(金)(30日間)】
<ワンポイント解説>
UDタクシーの認定基準は現在、レベル1とレベル2の2種類が設けられています。
レベル2の方が基準は厳しく、より大きな車椅子が乗車できるのですが、日産のNV200とトヨタのジャパンタクシーはいずれもレベル1です。
そのレベル1より低い基準のレベル準1が現在検討されています。これは地方でのUDタクシーの普及を目指したものです。
ジャパンタクシーは350万円と価格が高いため、地方の事業者は購入が難しく、普及していません。2023年3月の実績では、UDタクシーの普及率は東京 は57.5%(17,322台/30,138台)ですが、全国平均は19.2%で、10%未満の府県が32もあります。大阪でも9.3%しか普及していないのです。
このような状況を改善するために、低価格な車両もUDタクシーとして認定するように新たにレベル準1の策定が検討されています。
主なポイントは以下の室内のスペースです。
◯車いすを固定するスペース
レベル準1: 長さ1,100mm以上、幅630mm以上、高さ1,300mm以上とする
レベル1 : 長さ1,300mm以上、幅750mm以上、高さ1,350mm以上とする。
2月1日(木)から3月1日(金)までパブリックコメントが実施されております。以下のサイトに掲載されていますので、ぜひ、みなさんご意見をお送りください。
▽パブコメの送信サイト「標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領」の一部改正について(外部リンク:e-gov)
権利擁護
○注目!
JDF地域フォーラムin熊本 開催
障害者権利条約 国連から出された通知表・・・総括所見
● キリン福祉財団、SOMPO福祉財団、ヤマト福祉財団 助成事業 ●
■日時:2024年2月12日(月)13:30~17:00
■場所:くまもと県民交流館パレア 10階 パレアホール(〒860-0808熊本市中央区手取本町8番9号 テトリアくまもとビル)および、Zoomによるハイブリッド開催
■参加費:無料 ※手話通訳、要約筆記、テキストデータを準備します
または、下記お問い合わせ先からお申込みください
◇熊本障害フォーラム(KDF)事務局 電話:096-366-3329 ファックス:096-366-3359
メール: cil-human(at)mist.ocn.ne.jp ※ (at) は @ に置き換えて下さい。
メールでお申し込みの方は件名に「参加申し込み」とご記入ください。
教育
◎大注目!
インクルーシブ教育フォーラムを、3月3日(日)にオンラインで開催します!
第8回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム「イタリアの教育を学び、国内の取り組みに活かす!~インクルーシブ教育の実現に向けて(仮題)」(オンライン)を、3月3日(日)に開催します!※お申込みのフォームは現在作成中です。
<ワンポイント解説>
※タイトル・テーマはすべて(仮題)です。
イタリアの教育にお詳しい、大内紀彦さん(神奈川県教員)から、「イタリアにおけるインクルーシブ教育の現在」というテーマでご講演頂きます。
また菅原麻衣子さん(東洋大学福祉社会デザイン学部人間環境デザイン学科教授)から、「学校バリアフリーについて」の特別報告を頂きます。
東京大学大学院との連携についての現状報告、また最後はパネルディスカッション「イタリアのインクルーシブ教育について」。今回も盛りだくさんの内容です。多くの皆さまのご参加をどうぞよろしくお願い致します。
▽こちらの記事で詳細をご案内しています。
3月3日(日)開催!第8回DPIインクルーシブ教育推進フォーラム 「障害者権利条約が目指すインクルーシブ教育とは ~イタリアの実情から学ぼう~」(オンライン)
国際協力
◎大注目!
日本から田門浩弁護士が障害者権利委員会委員として立候補
<ワンポイント解説>
田門さんは聴覚障害をもち、9人の一人として選出されれば石川准さんに次いで、日本から二番目のメンバーとなります。選挙は、第17回締約国会議が2024年6月11日(火)から13日(木)にニューヨークで開催され、その間に障害者権利委員会が実施します。選ばれた場合、任期は2025年から2028年の期間になります。
○注目!
特別講義:国連WGピチャモン・イェオファントン教授『人権DD世界の動向と2024年BHR重要トピックス』
<ワンポイント解説>
国連「ビジネスと人権」作業部会(Working Group)の委員を務める、オーストラリアのDeakin大学のピチャモン・イェオファントン教授によるヒューマンライツ・ナウでの特別講義のビデオです。
人権DDの世界の動向の他、気候変動、救済メカニズム、人権擁護者、金融機関などのトピックスが話されています。
障害分野もインクルーシブな社会情勢に合わせて,多岐にわたって論じられるようになりました。人権がどのように擁護されているかの示唆が得られます。
なお人権DDとは人権デューディリジェンスで、企業がサプライチェーン上を含めた事業における人権リスク(例:強制労働など)を特定し、その防止・軽減を図り、取組みの実効性や対処方法について説明・情報開示する、という一連の行為を指します。
【ウェビナー】
▽「特別講義:国連WGピチャモン・イェオファントン教授『人権DD世界の動向と2024年BHR重要トピックス』」&「HRN報告:人権DD法アンケート結果」 (外部リンク:youtube)
〇注目!
Mark: A Call to Action 「ブックマン・マーク:行動の軌跡」(仮)の世界プレミアが開催されます。参加の受付が開始されました
米国人で、障害者を専門とする歴史学者・活動家だったブックマン・マーク(Mark Bookman)さんが31歳の若さで急逝されたのは一昨年の暮れでした。
その短いながら充実した生涯の行動の軌跡を描くドキュメンタリーが完成し、2月下旬に東京で世界プレミアが3回、開催されます。
日本語字幕に加えて、日本語の音声解説も準備中です。プレミア(日英・手話・文字通訳)では、お父様と監督、また、それぞれのホスト(駒場は福島智教授、上智はデビッド・スレーター教授、本郷は羽田正カレッジ長)がご挨拶される予定です。ぜひ、みなさんご参加ください。
Mark: A Call to Action 「ブックマン・マーク:行動の軌跡」(仮)の世界プレミアが下記の次第で開催されます。参加の受付が開始されました。
- 2024年2月24日土曜日午後3時半 東京大学駒場IIキャンパス エネオスホール
- 2024年2月25日日曜日午後2時 上智大学四谷キャンパス 2号館401号室
- 2024年2月27日火曜日午後6時 東京大学本郷キャンパス伊藤謝恩ホール
▽予告編と申込のURL(外部リンク:GLIDE FUND,INC.)
日本の障害者の歴史に取り組んだ米国人障害者であるブックマン・マークを描いたこのドキュメンタリーを、世界に先駆けて日本で公開することは非常に意義深いことです。
マークは日本を自分の故郷と呼んでいました。日本を愛し、日本で暮らし、そして日本で笑っていたマークでした。私たち全員がこのプロジェクトに取り組み、マークが早すぎる死を遂げるまで、マークとこの映画を分かち合いたいと願っておりました。
○注目!
ダウン症のバービーが発売中
<ワンポイント解説>
米国の玩具大手マテル社は、従来のバービー人形が本物の女性を表していないという批判に直面し、補聴器、義足、車椅子を備えた人形を制作しています。(既報)
すべての子どもたちがバービー人形に扮する姿を見る」ことと、「自分に似ていない人形で遊ぶことを目標に、今回は米国全米ダウン症協会(NDSS)と緊密に連携し、最新の人形がダウン症の人を正確に表現しているバービーを発売しました。
他に同社は自閉症のグループと共同で「きかんしゃトーマス」シリーズの最新作として「ブレーキカーのブルーノ」も制作しています。
なおデンマークのレゴは、2016年にビーニーハットをかぶったユーザーである若い車椅子の障害者ミニフィギュアを作成しています。
▽ダウン症のバービー人形が登場 多様性足りないとの批判受け(外部リンク:BBCニュース)
障害女性
<ワンポイント解説>
1月26日(金)の大阪高裁(加山さん(仮名)カップル)では、地裁判決を変更し、原告勝訴の判決をしました。これは各地の裁判や最高裁審議に大きく影響するものとなります。更に最高裁向け100万筆署名で、後押ししましょう!今後とも応援よろしくお願いします。
◎大注目!
最高裁判決を待つまでもない!優生保護法問題の政治的早期・全面解決を求める3.21院内集会
■日時: 2024年3月21日 (木) 12時~14時
■場所:衆議院第一議員会館大会議室(定員300名)、オンライン併用
オンラインの方はzoomのリンクをお送りするので、お申込みください。
現地参加の方は、申し込み必須ではありませんが、目安のためご記入いただけると幸いです。
■手話通訳・文字通訳あり
■プログラム(予定)
- 1~3月の大阪、福岡 (熊本) 高裁判決について
- 原告からのメッセージ
- 応援メッセージ
- 一時金支給法緊急要請について
- 100万人署名の状況等報告
2023年11月1日(水)に、2023年6月1日(木)までの5つの高裁判決(勝訴判決4件・敗訴判決1件)が最高裁の大法廷で審理されることが決まりました。
その後、高裁で2つの勝訴判決が出ています。最高裁の判決にむけて、私たちは「優生保護法裁判に正義・公平の理念に基づく最高裁判決を」100万人署名に取り組んでいます。
しかし、国は最高裁の判決を待つ必要はありません。原告や被害を受けた人たちは、もうご高齢です。一日も早く、原告や被害を受けたすべての人たちの名誉と尊厳を取り戻し、「命をわけない社会づくり」を始めることは、国の当然の責務です。
みなさん、3.21院内集会に参加し、ともに声をあげましょう!!
■連絡先 : yuuseirenjimu☆gmail.com(☆→@)
◇主催:優生保護法被害全国原告団、 優生保護法被害全国弁護団、優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会 (略称・優生連)
▽チラシダウンロード(PDFルビなし) ▽PDFルビあり ▽テキスト版(ワード)
◎大注目!
100万筆署名活動継続中!(Change.orgによるオンライン署名もあります)
第二期提出は2月7日(水)、最終提出は3月21日(木)です。
▽DPIホームページでもご案内しています
署名用紙を使った同趣旨の署名も行われています。
※同じ人が、オンラインと紙の両方に署名しないようご注意ください。
◎大注目!
今月の優生保護法裁判期日
- 2月9日(金)15:00~神戸地裁第3次提訴 第3回期日 川野正子さん(仮名) 山川百恵さん(仮名)
- 2月13日(火)14:00~東京地裁第8回期日 西スミ子さん
京都新聞社 情報公開請求裁判
- 2月27日(火)16:00~大阪高裁 大津地裁控訴審
〇注目!
今後の優生保護法裁判期日
- 3月1日(金)14:00~大分地裁 匿名原告
- 判決!3月12日(火)15:00~名古屋地裁 第6回期日 長嶋恵子さん(仮名)啓一さん(仮名)
- 判決!3月13日(水)福岡高裁(熊本原告)渡邊数美さん 川中ミキさん(仮名)
- 3月22日(金)15:00~東京高裁 静岡第2回控訴審 宮川辰子さん(仮名)結審予定
- 3月22日(金)14:00~札幌地裁 匿名(石狩男性)
- 判決!5月27日(月)東京高裁(浜松支部) 武藤千重子さん
- 6月25日(火)14:00~東京地裁第9回期日 西スミ子さん
- 9月24日(火)14:00~東京地裁第10回期日 西スミ子さん
雇用労働
◎大注目!
厚生労働省の報酬改定検討チームのとりまとめで「就労選択支援」の詳細に言及
2023年12月6日(水)、厚生労働省の報酬改定検討チームは、2024年4月の報酬改定に向けた報告書をまとめました。この中で「就労選択支援」の詳細にも言及しています。
現行の障害者雇用施策および障害福祉施策に基づく就労支援では、民間企業および就労系障害福祉サービス事業所において、それぞれ約60万人と40万人が就労しています。
ところが、障害者の就労能力や適性に基づいた適切な働き方や職場の選択が難しいという課題が存在しています。これに対処するため、障害者が働きやすい社会を構築するためには、より個別で的確な支援が必要です。
<見直しのポイント>
● 就労選択支援の創設
- 就労アセスメントの手法を活用し、障害者本人が希望や適性に基づいた選択ができるように、新しいサービス(就労選択支援)が創設されます。
- ハローワークは、アセスメント結果を参考に職業指導等を実施します。
- 2025年10月以降は、新たに就労継続支援B型を利用する前に、原則として就労選択支援を経由する必要があります。2027年4月以降には、就労継続支援A型の新規申請や就労移行支援の更新申請に対象が拡大される予定です。
- 就労選択支援を利用する期間は1~2か月です。
- 特別支援学校の高等部を中心に、卒業年度に限らず、在学中に複数回、就労選択支援を利用することができるようになります。
● 施行期日:2025年10月1日(水)
● 詳しくは、以下をご覧ください。(外部リンク:厚生労働省)
▽令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について
<障害者総合支援法関連のその他の改正事項>
● 一般就労中の就労系障害福祉サービスの一時利用が可能に
- 企業で働き始めや休職から復職を目指す場合に、一般就労中の障害者でも、一時的に就労系障害福祉サービスを利用できる法制度が導入されます。
以上
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