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「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2023年9月号)

2023年09月01日 イベントバリアフリー権利擁護雇用労働、所得保障障害女性国際協力/海外活動

今月はここに注目!

現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2023年9月号」をお届けします。

今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これを読めば一目瞭然!

凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て

クリックすると各分野に移動します


バリアフリー

〇注目!
日程未定!第10回 移動等円滑化評価会議

<ワンポイント解説>
2018年のバリアフリー法改正で定められた当事者が評価する会議です。半年に1回のペースで開かれており、国交省や各地の取り組みが報告されています。国交省の最新の取り組みや、全国10ヶ所に設けられた地域分科会での取り組みが報告されます。


○注目!
日程未定! 障害者等の避難誘導に係る意見交換会

<ワンポイント解説>
昨年度から始まった意見交換会で、今年度1回目です。災害等で列車が止まった時等にどのように障害者が避難するか話し合うものです。障害者団体とJR、大手民鉄が参加しています。

前回示された主な論点は、障害の種別による留意事項、災害及び避難が必要となった場所の違いによる留意事項、避難する際の障害者等に係る誘導の考え方、消防、自治体、駅周辺機関等との連携・協力にあたっての留意事項、鉄道利用者等への協力依頼の方法、障害者、関係者等が参画した避難訓練の実施、鉄道事業者におけるマニュアル策定または改訂の際に、参考となるガイドラインの作成等です。


○注目!
日程未定! 第5回高齢者、障害者等の円滑な移動等に配慮した建築設計標準に関するフォローアップ会議

<ワンポイント解説>
2021年3月に小規模店舗のバリアフリーガイドラインが策定され、それをきっかけとして出来た会議です。年に2回ほど開催され、建築物のバリアフリーに関する取組状況や課題等を共有するとともに、「建築設計標準」を継続的に点検、改善していくため、学識経験者、関係団体と情報共有、意見交換することが目的です。今年度1回目会議が開かれる見込みです。


○注目!
日程未定!第2回愛知アジア大会アクセシビリティガイドライン検討会

<ワンポイント解説>
東京オリパラでは大会会場やアクセスルート、ホテル等のバリアフリー整備の基準「TOKYO2020アクセシビリティガイドライン」を障害当事者が参画してまとめました。アジア大会ではアクセシビリティガイドラインをつくるということはなかったそうですが、2026年度の愛知アジア大会に向けて、愛知県が策定することになりました。

6月に第1回が開かれ、多くの委員からアジア大会を契機としてインクルーシブでアクセシブルな社会を愛知県、名古屋市を推進してほしいという意見が出ておりました。全部で3回開催される予定ですが、今回は2回目です。今年末には取りまとめの予定です。

権利擁護

◎大注目!
9月5日(火)開催! 旅館業法の円滑な施行に向けた検討会

<ワンポイント解説>
今年6月に旅館業法が改正され、指針を策定しています。過重な負担の場合は宿泊を拒否できることになり、ここが大きなポイントです。来年4月から改正障害者差別解消法が施行され、民間事業者も合理的配慮が義務化されます。

視覚障害の人が客室までの誘導を頼んだり、車いすで入れるように室内のベッドや机を動かしてもらうなどの合理的配慮をお願いしたら、過重な負担と判断、宿泊を拒否されるようなことにならないか。宿泊拒否を恐れて合理的配慮を求めにくくなるなど懸念されます。8月には障害者団体のヒアリングが行われ、それを踏まえた議論が進められると思われます。10月には取りまとめ予定です。


◎大注目!
パブリックコメント 中央省庁の差別解消法対応要領・対応指針の改定

<ワンポイント解説>
来年4月の施行に向けて、中央省庁では対応要領・対応指針の改定が進められています。 改定案はまとまり、パブコメも終了している省庁もあります(環境省、内閣府、消費者庁、内閣官房、警察庁、国交省、農水省、経産省、法務省等)。現在、パブコメが募集されている省庁は、外務省(9/3まで)、復興庁・公正取引委員会(9/10まで)、厚労省(9/14まで)です。

パブリックコメントは以下のサイトで、意見募集 →キーワード に「障害者差別」や「対応指針」といった言葉を入れると検索できます。ぜひ、みなさんご意見をお送りください。

▽e-Gov(外部リンク)

国際協力

◎大注目!
ESCAPが5か国の国内法と権利条約の調和に関する報告書を出しました

<ワンポイント解説>
この出版物は、国内法と障害者の権利条約との調和におけるアジアおよび太平洋諸国の動向を研究するESCAP研究プロジェクトに基づいています。オーストラリア、中国、インド、韓国、タイにおいて、報告義務が適時かつ実質的な方法でどの程度履行されたか、および国内の人権機関および市民社会組織、特に障害者組織がそのプロセスに関与してきた方法を検討しています。

信頼できる情報源から引き出され、国内法と条約の効果的な調和および条約の実施のさらなる強化に向けて、ESCAP地域のメンバーおよび準メンバーの注意を引くために発行されました。

入手は以下から可能です。
▽Knowledge Products | ESCAP (unescap.org)(英語)


○注目!
アメリカの機内トイレおよび芸術活動に関するアクセシビリティの最新情報

1)アメリカでの車いす利用者が使える機内トイレの義務付けが拡大

米運輸省が7月26日に航空会社アクセス法(ACAA)の改正に関する最終規則を発表し、障害を持つ人の単通路機の化粧室のアクセシビリティの改善を行いました。詳しくは、最低125席の単通路機(通路1本の旅客機)に対して、手すりや利用しやすい蛇口、コントロールパネル、呼び出しボタン、ドアロックなどが備わった車椅子対応の広いトイレの設置が義務付けられます。

▽Final Rule-Accessible Lavatories on Single-Aisle Aircraft_0 (transportation.gov)(PDF)(英語)

すでに国際線などで使われる通路2本の航空機では、車いす利用者がアクセスできるトイレの設置が義務付けられていました。コロナ禍を経て増えてきた旅行者に備え、多くの座席の設置を優先する航空会社の傾向があるなかで、どのようにアクセシブルなトイレへの対応が進んでいるかいるさらなる詳しい情報がほしいところです。

2)ニューヨークでの芸術における障害とアクシビリティ

キュレーター/プロデューサーとして活躍されている田中みゆきさんは、「障害は世界を捉え直す視点」をテーマに、様々な活動をされてきました。障害学の研究を行いながらまとめられた報告「ニューヨークの芸術における障害とアクセシビリティの現在:キュレーターズノート|美術館・アート情報 artscape」からニューヨークの状況を少し紹介します。
▽ニューヨークの芸術における障害とアクセシビリティの現在:キュレーターズノート|美術館・アート情報 Artscape(外部リンク:artspace)

ADAに基づいて、施設や公演、展示などでのアクセシビリティの欠如は、訴訟が可能であり、文化施設を相手にした勝訴の事例も存在するそうです。特に「Disability Justice(障害者の正義」が盛んに叫ばれているものの、劇場のアクセシビリティはよくないようです。多くの場合「アクセスプログラム」と呼ばれている鑑賞プログラムは、メトロポリタン美術館やニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館を中心に継続的に実施され、視覚障害者、ろう者・難聴者、発達障害者、認知症の人向けに一般的に構成されています。

▽メトロポリタン美術館(外部リンク:メゾン・デ・ミュゼ・デュ・モンド)

▽ニューヨーク近代美術館

▽ホイットニー美術館

さらなる情報は田中みゆきさんのSNS(X)を見てください。
▽田中みゆきさんのX(旧ツイッター)


△よかったら見て
フォードが無料提供する歩行困難な愛犬用車椅子3Dプリントデータ

<ワンポイント解説>
フォード・メキシコ支社が発表した「P-RAPTOR」は、歩行障害の犬のために、特に「オフロード機能」に重点を置いて設計されています。ヘッドライトやフロントグリルもあり、高い実用性とスタイリッシュさを兼ね備えています。電気モーターを取り付けのスペースや、使用中に犬が座ることも可能な仕様もありますが、これらの入手は有料となります。

「P-RAPTOR」の構造データは犬の寸法を入力するだけで無料ダウンロードできると発表されていますが、ダウンロードページはまだ未公開なので、関心があるかたはフォード・メキシコ社のサイトをチェックしてお待ちください。
▽Conquistar cualquier terreno es para todos: llega Ford P-Raptor hecho en México | Mexico | Español | Sala de Prensa de Ford(外部リンク:フォード)(スペイン語)

障害女性

<ワンポイント解説>

正当な判決を求める最高裁宛ての100万筆署名活動が、まもなく開始します!正式に決定しましたら、署名用紙などHP等でもお知らせしますので、ぜひ署名及び拡散してください。同時に、各地の裁判所で勝訴判決を積み上げていくことも重要です。引き続き傍聴や支援行動など、今後ともご協力よろしくお願いします!


◎大注目!
100万筆署名活動スタート!!(Cenge.orgによるオンライン署名もあります)

#優生保護法裁判に正義・公平の理念にもとづく最高裁判決を100万人署名スタート!


◎大注目!
今月の優生保護法裁判期日・各地の活動

<優生保護法裁判期日>


○注目!
今後の優生保護法裁判期日

京都新聞社 情報公開請求裁判

雇用労働

◎大注目!
9月24日(日)「障害者と障害のない人がともに働くためのフォーラム2023~福祉と労働施策の連携に関する現状と課題を就労支援特別事業から検証する~」開催

時間: 13:00~16:00
会場:オンライン(ウェビナー)
無料。手話通訳・文字通訳・テキストデータ等の情報保障あり。
※申し込み方法を含め、後日、DPI日本会議ホームページに案内を掲載します。

2020年より始まった厚生労働省の市町村事業「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」が徐々に広まってきました。本フォーラムでは、本制度を利用して働いている障害者の現状と課題について、障害者が安心・安全に働き続けることができるための制度となっているか、国際的人権課題における障害のある労働者の包摂(インクルージョン)の視点から、検討し議論を行います。

参考)国際的人権課題:
障害者権利委員会の総括所見(2022年)では、「職場で集中的な支援を必要とする人に対するパーソナルアシスタンスの利用を制限する法的規定を撤廃する」ことが勧告されました(パラグラフ58d)。また国連ビジネスと人権の作業部会(8月4日)来日ヒアリング終了ステートメントでも、「労働市場と労働力への障害者のインクルージョン」に向け、政府が「アクセス可能な職場の確保と、個別の支援や合理的な適応の尊重と実施に関する包括的研修の実施につき、国連障害者の権利委員会の提言に従うよう促」されています。

▽障害者権利条約に対する日本の第1回政府報告に関する障害者権利委員会の総括所見(2022年)(労働及び雇用(第27条)パラグラフ58)(外部リンク)

▽国連ビジネスと人権の作業部会(2023年8月4日)来日ヒアリング終了ステートメント(外部リンク)(PDF)

▽DPI日本会議声明

「国連ビジネスと人権の作業部会」の来日ステートメントに関するDPI日本会議声明

▽DPIホームページでもご案内しています。

9月24日(日)開催!障害者と障害のない方々が共に働くためのフォーラム2023


〇注目!
障害者雇用(ぷるも)訴訟

<ワンポイント解説>
第17回期日は、2023年9月12日(火)/進行協議のため傍聴はできません。第12回期日から進行協議が続いていますが、和解交渉が硬直していることが想像できます。本人は、法廷での審議が必要と考えているようなので、引き続き、今後の動きについて本人から説明する機会を待ちたいと思います。

■訴訟を通して、働く障害者の権利と合理的配慮について考えよう

<審議のポイント>

【ポイント】

1)合理的配慮義務違反について、どういった合理的配慮(入社時にかなり細かく書いて提出・その後数回配慮されないので要求をしている)を求め、それに対し企業側の対応についてどういう反論が出るか。
2)労働契約法19条「有期雇用の雇止めの問題」は、労働契約法の条件を満たしているのかどうかということについて、特に上司から契約の継続を期待させる発言があるので、ここを強調して主張しています。
3)労働条件明示義務違反について、障害者が雇用される際、配属先となった部署で働いているつもりだったが、実際は障害者だけ別の配属先となっているなど、契約とは異なる対応は問題があると主張しています。

以上


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