「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2023年7月号)
2023年07月03日 イベント地域生活バリアフリー権利擁護インクルーシブ教育雇用労働、所得保障障害女性国際協力/海外活動
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2023年7月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これを読めば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
クリックすると各分野に移動します
地域生活
○注目!
障害福祉サービス等報酬改定検討チーム関係団体ヒアリング
<ワンポイント解説>
改正障害者総合支援法の施行に向けて、現在、政省令の改定や報酬改定の議論が進められています。7月から8月にかけて令和6年度障害福祉サービス等報酬改定検討チームによる関係団体ヒアリングが行われ、DPIも参加予定となっています。
その後は先月のここに注目でもお知らせしましたが、各団体からの意見のまとめ、論点整理を行った後、9月から各サービスの報酬等のあり方について検討される予定です。
そして12月に基本的考え方のとりまとめ、2月には報酬改定案とりまとめ、という流れになっているので、引き続き報酬改定検討チームの議論を注視していきましょう。
▽障害福祉サービス等報酬改定検討チーム(外部リンク:厚生労働省)
バリアフリー
○注目!
7月15日(土)から東武鉄道の新型特急スペーシアX運行開始!
<ワンポイント解説>
昨年改正された特急車両のバリアフリー新基準を満たした2例目の車両スペーシアXの運行が始まります。浅草から日光・鬼怒川温泉を結びます。6月20日(火)に試乗させていただきましたが、車いす3席、バリアフリートイレは介助者と入れる広さ、洗面台も車いすで使いやすく作られています。
これまでの特急車両からは格段に進展した素晴らしい車両です。ぜひ、みなさんスペーシアXに乗って鬼怒川温泉や日光の観光を楽しんでください。
▽DPIホームページに乗車レポートを掲載しています。
権利擁護
◎大注目!
7月10日(月)第2回改正差別解消法の施行に向けた意見交換会(国土交通省)
<ワンポイント解説>
国土交通省では、対応要領・対応指針の改定作業を独自に丁寧に進めています。5月31日(水)には第1回の意見交換会が開かれました。
ここで素案が示され、障害者団体、業界団体が意見を出しております。それを踏まえて修正されたものが第2回の意見交換会に示されます。ここで再度意見を受けて微修正し、8月くらいにはパブリックコメントが始まる見込みです。パブリックコメントが始まったら、ぜひ、みなさんご意見をお送りください。
◎大注目!
パブリックコメント 中央省庁の差別解消法対応要領・対応指針の改定
<ワンポイント解説>
来年4月の施行に向けて、中央省庁では対応要領・対応指針の改定が進められています。5月9~10日には各省庁の団体ヒアリングが行われ、ほとんどの省庁が7月からパブリックコメントが始まる見込みです。ぜひ、みなさんご意見をお送りください。
教育
◎大注目!
第21回障害児を普通学校へ・全国連絡会 全国交流集会(広島)
9月17日(日)全体会・18日(月祝)分科会
絶対早く申し込まないと、現地参加できません。(〆切りは「8月20日」ですが)
メール:hiroshimaincl☆gmail.com(☆→@)ファックス:082-264-1757 でも可能です。
<ワンポイント解説>
1日目は講演・パネルディスカッション、2日目分科会(就学前、小中学校、高校、卒業後、運動課題)です。
全国連の全国交流集会は2年に1度開催。今回は広島です。実行委員長はDPI常任委員の矢賀道子。元気もらいに行きましょう!
■参加費:会場=2日間3,000円、1日2,000円。ズーム=2日間2,000円、1日1,000円。
国際協力
◎大注目!
第16回障害者権利条約締約国会議(COSP16)が終了
<ワンポイント解説>
COSP16は2023年6月13日-15日に、国家政策と戦略とCRPDの調和:成果と課題をテーマとして、ニューヨークの国連本部で開催されました。DPI日本会議の笠柳が会場の様子を伝えていてくれるのが、日本からの唯一の報告と言っていいと思います。
▽ニューヨークの国連本部で行われた「国連障害者締約国会議(COSP16)」に行ってきました。(DPIホームページ)
会議の様子は以下を含め国連TVでも見られます。
▽第1回会合、開会、一般討論(英語)
1時間くらいのところでDPI世界役員のナワフ・カバラ氏(レバノン)がアラブ障害者連合を代表し、スピーチしています。
▽サイドイベント:排除されるリスクが最も高い人々を教育に確実に参加させる
ユネスコとインクルージョン・インターナショナルの共催で、インクルーシブ教育に関して。
全てのサイドイベントがアーカイブになっているわけではありませんが、時間があれば他にも探してください。
○注目!
アジア経済研究所 夏期公開オンライン講座「開発途上国における手話とろう社会の実情」
<ワンポイント解説>
東アフリカのタンザニア、南アジアのインド、東南アジアのフィリピンのろう者が用いている手話の実情とろう者の置かれている言語状況についてオンライン公開講座を行います。
■日時:2023年7月11日(火)13時30分~16時00分
■主催:ジェトロ・アジア経済研究所
■申込み締切:2023年7月3日(月)13時00分(日本時間)
■受講料: 賛助会正会員・賛助会個人利用会員:無料 一般:4,000円
△よかったらみて
NHKワールド「夢を叶える車いすメーカー」
<ワンポイント解説>
私たちの仲間であるパキスタンのシャフィック氏の弟、そして多くの重度障害者がお世話になっているハビブ氏は、「車いす製造のエキスパートであるハビブ・ウル・ラーマンは、日本中の顧客のために何百台ものマシンをオーダーメイドしてきた。」として、世界に紹介されました。
△よかったらみて
基本展示「人間の安全保障展 世界を知る、世界を変える!」
<ワンポイント解説>
「人間の安全保障」は、すべての人々が安全に安心して生きることができ、さらにその生活が人間らしいものであることが目的なので、アマルティア・センと緒方貞子による構想の初めから障害者が含まれていました。この分野で障害問題を語ることは、ほとんどなくなっている現在、もういちど人間の安全保障について再考しませんか。
■期間:10月12日(木)まで
■場所:JICA市ヶ谷ビル 1階 体験ゾーン
▽詳細(外部リンク:JICA)
■お問合せ:JICA地球ひろば 地球案内デスク
電話: 0120-767278、メール: chikyuhiroba☆jica.go.jp(☆→@)
障害女性
<ワンポイント解説>
6月は仙台と札幌の2高裁で、原告にとって非情な不当判決が言い渡されました。いずれも原告の置かれてきた状況に寄り添わない内容で、仙台高裁判決については、DPIから声明文も出しています。
これからも、この問題の全面解決に向けて取り組んでいきますので、各地で続く裁判への傍聴や支援行動など、今後ともご協力よろしくお願いします!
▽優生保護法裁判仙台高裁判決に関するDPI日本会議声明
◎大注目!
今月の優生保護法裁判期日・報告集会
- 7月5日(水)11:00~福岡高等裁判所101法廷 第1回期日 熊本の原告:渡邊數美さん、川中ミキさん(仮名)
- 7月11日(火)15:00~兵庫第3次提訴第1回期日 川野正子さん(仮名) 山川百恵さん(仮名)
13時00分頃 集合(神戸地裁西側道路付近)
13時20分 入庁行動開始(神戸地裁前道路)
13時30分~13時50分 傍聴席抽選整理券配布(神戸地裁庁舎内西側駐輪場付近)※上記時間内に列に並んだ方にのみ、整理券が配布されます。
※介助が必要な方が当選された場合、介助者1名を同行することが可能です(介助者は抽選不要)。整理券配布時に用紙にご記入ください。
※文字通訳が必要な場合、ノートPCを持ち込んでのPCノートテイクの許可を得る必要がありますので、事前に下記までご連絡ください。
14時30分頃 当選整理番号発表、傍聴券交付(神戸地裁庁舎内)※当選者は傍聴券を持って、14時50分までに大法廷にお集まりください。
※落選者は、報告集会までの間、あすてっぷKOBE2階セミナー室1でお待ちいただくことも可能です。
15時00分~15時30分 裁判期日(神戸地裁大法廷・1階101号法廷)※傍聴席向けに、手話通訳が実施されます。
【期日後報告集会】
あすてっぷKOBEセミナー室1 (〒650-0016 兵庫県神戸市中央区橘通3丁目4−3 男女共同参画センター)
16時15分頃~17時30分(予定)※オンライン併用
■お問い合わせ
優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会(歩む兵庫の会)
電話:078-341-9544(平日10時~17時) ファックス:078-341-9545
- 7月12日(水)16:00~仙台地裁第3回期日 千葉利二さん 長崎あすかさん(仮名) 長谷川繁さん(仮名)
- 7月25日(火)14:00~東京地裁第5回期日 西スミ子さん
- 7月27日(木)15:30~名古屋地裁第4回期日長嶋恵子さん(仮名)啓一さん(仮名)
13時00分~ 事前学習 @桜華会館 松の間(〒460-0001 愛知県名古屋市中区三の丸1丁目7番2号)
14時20分 傍聴希望者名古屋地裁前集合
15時30分~ 裁判期日 @名古屋地裁1号法廷
16時30分~ 報告集会 @桜華会館2階富士桜+ZOOM
※手話通訳・要約筆記あり
※裁判傍聴で情報保障等の配慮が必要な方は、可能であれば事前にお申込みいただけると幸いです。
■問合せ先 優生保護法裁判愛知原告を支援する会(愛知県聴覚障害者協会事務所)
電話:052-221-8545 ファックス:052-221-8154
メール: yukitoakai.aichokyo☆gmail.com(☆→@)
- 7月28日(金)14:00~大阪高裁第1回期日 加山まり子さん(仮名) 加山徹さん(仮名)
雇用労働
◎大注目!
【厚労省発表】障害者の雇用分野における差別禁止と合理的配慮の実績(令和4年度)2023年5月31日(水) 照会:職業安定局 障害者雇用対策課
厚生労働省は、「雇用の分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に係る相談等実績(令和4年度)」を都道府県労働局や公共職業安定所(ハローワーク)でまとめ、公表しました。以下は注目すべきポイントです。
(相談件数は減少傾向)
- ハローワークに寄せられた障害者差別および合理的配慮に関する相談は225件で、前年度比7.8%減少しました。
(紛争解決の援助申立受理件数の減少) - 労働局長による紛争解決の援助申立受理件数は前年度の2件から1件に減少しました。
(雇用調停会議の減少) - 障害者雇用調停会議による調停申請受理件数は前年度の10件から9件に減少しました。
厚生労働省では、雇用分野における障害者の差別禁止・合理的配慮の提供義務に関する制度の施行状況を踏まえ、制度のさらなる周知に努めるとともに、公共職業安定所などに寄せられる相談に対応し、紛争解決のための業務を実施しています。
一方で、雇用に関する多くの相談が「DPI障害者差別解消ピアサポート」に寄せられています。これらの相談の多くは、合理的配慮に対する理解不足からくるもので、環境整備の要望に対して異動を命じられるなどのハラスメントが報告されていますが、現在の公的な相談体制の限界を感じる状況です。
また、ハローワークでの威圧的な態度や適切な対応の欠如等といった様々な課題も浮かび上がっています。
来年4月からは、障害者差別解消法の改正により民間の義務化が施行されます。
同様の義務は障害者雇用促進法では、既に掲げられています。障害者差別をなくすためにも障害を有する職員に対する必要な措置を講じるための研修や対応マニュアルの整備、管理職に対する研修や対応マニュアルの整備と問題が生じたときの実効性のある制度の見直しが必要だと考えます。
○注目!
障害者雇用(ぷるも)訴訟
障害者雇用(ぷるも)訴訟
第15回期日は、2023年7月12日(水)/進行協議のため傍聴はできません。第14回期日は、進行協議のため、前回同様、詳細は不明です。
■訴訟を通して、働く障害者の権利と合理的配慮について考えよう
<審議のポイント>
- 第10回期日では、被告側の準備書面に対し、原告側からの主張への反論があった。
- 特に障害者雇用促進法の法律論について裁判後の報告会で詳しく伺った。
- 現行法では、合理的配慮義務は、公については義務付けされているものの、民については直ちに配慮しないことが違反にならないと主張していることに対し、原告側は、労働基準法の性質、労働契約は、業務提供と賃金を支払うだけではなく、継続的に働けるようにしなければならない。また、付属義務(安全配慮義務、環境保全義務)があり、その1つに合理的配慮義務も入るのではないかと指摘している。
- 次回は、原告側の主張について再反論をする予定。最近は、進行協議を3度実施。今後は、証人尋問等を検討しています。
【ポイント】
- 合理的配慮義務違反について、どういった合理的配慮(入社時にかなり細かく書いて提出・その後数回配慮されないので要求をしている)を求め、それに対し企業側の対応についてどういう反論が出るか。
- 労働契約法19条「有期雇用の雇止めの問題」は、労働契約法の条件を満たしているのかどうかということについて、特に上司から契約の継続を期待させる証言があるので、ここを強調して主張しています。
- 労働条件明示義務違反について、障害者が雇用される際、配属先となった部署で働いているつもりだったが、実際は障害者だけ別の配属先となっているなど、契約とは異なる対応は問題があると主張しています。
以上
こんな記事も読まれています
現在位置:ホーム > 新着情報 > 「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2023年7月号)