「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2023年5月号)
2023年05月01日 イベントバリアフリー権利擁護雇用労働、所得保障障害女性国際協力/海外活動
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2023年5月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これをみれば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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バリアフリー
◎大注目!
5/8(月)斉藤国土交通大臣に要望
<ワンポイント解説>
年に一回程度国土交通大臣に直接お会いしてバリアフリーの要望を行っております。今回は小規模店舗のバリアフリー、共同住宅のバリアフリー整備基準の策定、駅ホーム全体の段差と隙間の解消の3つを最重要課題として要望します。詳細は後日、DPIのHPでご報告します。
○注目!
日程未定(仮称)障害者の居住にも対応した住宅の設計ガイドラインに関する検討会当事者WG
<ワンポイント解説>
4月から標記の検討会が始まりましたが、5月はワーキンググループでのガイドラインの検討があります。当事者WG、学識者WG、実務者WGの3つのWGがそれぞれ2回程度開かれ、議論を行います。
○注目!
5/24(水)自民党ユニバーサル社会推進議員連盟
<ワンポイント解説>
年に2回程度開かれる自民党のバリアフリー関係の議連です。毎回要望を出すことが出来、担当省庁からの回答もいただけます。今回は、内閣府障害者政策委員会の開催と総括所見の分析、障害者基本法の改正、地域移行推進の計画策定、バリアフリー課題について要望しております。
権利擁護
○注目!
5/9(火)-10(水)中央省庁障害者差別解消法対応指針改訂のヒアリング
<ワンポイント解説>
3月14日(火)に障害者差別解消法の基本方針が閣議決定され、改正法の施行期日も2024年4月1日と決まりました。これを受けて、今年度前半は中央省庁での対応指針の改訂があります。5月9日(火)と10日(水)は内閣府主催の障害者団体のヒアリングがあります。DPIでは2月に集めた差別事例を分析に、意見書を作成しております。また、国交省は独自に検討会等を立ち上げて見直しを議論する予定です。
国際協力
○注目!
YouTube「著者と考える『わたしが人間であるために』―米国と日本における障がい者の公民権運動―」
<ワンポイント解説>
アメリカからの日本の障害者運動の研究者で、車いす使用者のブックマン・マークさん(東京大学東京カレッジポスドク・障害学会国際委員会委員・米国障害学会理事)がジュディ・ヒューマンさんと、昨年6月に開催した東京カレッジでの対談が、日本語通訳と字幕付きのYouTubeで観られます。
障害者の公民権運動に携わるジュディとマーク・ブックマンが、日米のアクセシビリティやインクルージョンの過去、現在、未来について論じ、建造環境、教育、雇用、エンタテインメントなどのシステムでのバリアや、障害の運動や差別撤廃政策にも触れています。
奇しくもブックマンさんは昨年12月に、ジュディさんは今年3月に急逝され、お二人が描く誰も排除されない、より多様な社会の実現に向けた道筋に耳を傾けたいと思います。
○注目!
カマル・ラミチャネさんが世界銀行で仕事を始めます
<ワンポイント解説>
ダスキンアジア太平洋障害者育成事業5回生で、ネパール出身の視覚障害のカマル・ラミチャネさんは研修終了後、東大で博士号を取り、その後ハーバード等の世界の大学で教え、インクルーシブ教育の分野で活躍していました。今年から、ワシントンの世界銀行でインクルーシブ教育と財政の専門家として働かれることになりました。
△よかったらみて
UNFPAが「世界人口白書2023」を発行
<ワンポイント解説>
国連人口基金(UNFPA)によると、多くの国での出生率が歴史的な低さにもかかわらず、世界人口が史上最多の80億となったことに懸念するのではなく、少子高齢化社会での経済維持には、女性の出産を推奨するより労働市場のジェンダー平等・インクルージョンを推進する方が効果的です。
安全でない中絶は、世界的に妊産婦死亡の主要な原因の一つであり、さらに広範な病気と障害の原因といますっています。また、2023年の日本の人口は世界第12位となり、前年より230万人減少するそうです。障害者としてどのようにサービスのマンパワーを得ていくのか、考える資料となります。
▽SWP Report 2023 | United Nations Population Fund (unfpa.org) (英文)
▽白書刊行に際しての発表に際してのUNFPA事務局長 の声明(日本語訳)
障害女性
<ワンポイント解説>
4月17日(月)には、四国で初となる徳島地裁で裁判が開始されたとの報道もあり、原告は現在35名(2023/4/25現在)となっています。また大津地裁で、一部勝訴判決が出された情報開示請求裁判ですが、4月6日(木)被告の滋賀県が、翌7日(金)に京都新聞社が、それぞれ大阪高裁に控訴しました。今後も国の動向や各地の裁判にご注目ください!
◎大注目!
今月の優生保護法裁判期日
- 5月18日(木)15:30~名古屋地裁 長嶋恵子さん(仮名)・啓一さん(仮名)
- 5月22日(月)14:00~静岡地裁浜松支部 武藤千重子さん
- 5月23日(火)11:00~東京地裁 西スミ子さん
○注目!
今後の優生保護法裁判期日予定
- 判決!6月1日(水)15:00~仙台高裁 佐藤由美さん(仮名)飯塚淳子さん(活動名)
- 判決!6月16日(金)14:30~札幌高裁 道央夫妻
雇用労働
◎大注目!
【緊急調査】雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業【利用状況】アンケート実施中
「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を実施している市町村は29市町、計108名利用に増えました(2023年1月1日現在、以下リンク参照)。
▽資料:厚生労働省「重度障害者等就労支援特別事業の実施状況」(外部リンク)
DPI日本会議では、2021年実地状況調査に引き続き、今年、本制度を利用し介助を受けながら働いている人に関し、主な利用内容や使い勝手について調査を行なっています。あなたが関わる自治体で「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」を行っており、本制度の利用者をご存じの方、また、市町村内の利用状況についてご存じの方、回答できるところについて是非ご協力ください。必要な介助を受けて就労する人により使いやすい施策の実現を目指して、皆様の貴重なご情報をお待ちします。
(締切:2023年5月31日(水)⇒6月末まで延長)
▽2021年実地状況調査
○注目!
「ビジネスと人権」に関し、公共調達における人権配慮に関する政府方針が決定される
政府は4月3日に開催した「ビジネスと人権に関する関係府省庁連絡会議」において、公共事業や物品調達の入札条件に企業の人権尊重を盛り込むことを決定しました。これにより、政府の実施する調達において、「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(2022 年 9 月)に基づき、入札する企業における人権尊重の確保に努めることとなりました。
同ガイドライン(4.1.2.2)では、人権への負の影響の評価に当たり、「脆弱な立場に置かれ得る個人」・「社会的に弱い立場に置かれ又は排除されるリスクが高くなり得る集団や民族に属する個人への潜在的な負の影響に特別な注意を払うべきである」とし、例として、外国人、女性や子ども、障害者、先住民族、民族的又は種族的、宗教的、及び言語的少数者などの属性、およびこれらの属性の重複に留意が必要であるとしています。こうした方針を実現するためには、企業の自主的行動を求めるだけでなく、政府による実効性を高めるための取組みが期待されます。
▽「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」(外部リンク:内閣官房)
<ワンポイント解説>
政府が定めた「ビジネスと人権」に関する行動計画(2020-2025)では、企業活動が社会にもたらす影響について、人権を尊重する企業の責任を促すための政府による取組みが盛り込まれています。当然、障害者雇用に関する政府の施策や企業の姿勢もこの中に含まれています。企業には、障害に基づく排除や制限及び制約をしないことや障害に基づき必要とする様々な合理的配慮を当事者との建設的対話に基づき、ともに確保することが障害者の人権尊重の基本であること。そして、障害者の雇用機会や待遇を巡る差別が存在する場合には、人権尊重の観点から政府と企業が障害者に対する差別を防止するための実効性のある取組みが重要な課題とされています。
こうした視点からも、雇用における合理的配慮をめぐる「障害者雇用(ぷるも)訴訟」に留意しています。
○注目!
障害者雇用(ぷるも)訴訟の原告がDPI全国集会分科会に登壇予定
第13回期日は、2023年5月17日(水)15:00〜進行協議のため傍聴はできません。第12回期日は、進行協議のため、詳細不明です。
5月28日(日)15時15分~17時、第38回DPI全国集会の雇用労働・所得保障分科会に原告本人と弁護士が登壇予定です。ぜひご参加ください。
▽全国集会の詳細は以下をご覧ください。
【いよいよ今週末!】5月27日(土)・28日(日)第38回DPI全国集会「総括所見を活用し、国内法制度のバージョンアップを ~障害者基本法改正へ~」開催します
■訴訟を通して、働く障害者の権利と合理的配慮について考えよう
<審議のポイント>
- 第10回期日では、被告側の準備書面に対し、原告側からの主張への反論があった。
- 特に障害者雇用促進法の法律論について裁判後の報告会で詳しく伺った。
- 現行法では、合理的配慮義務は、公については義務付けされているものの、民については直ちに配慮しないことが違反にならないと主張していることに対し、原告側は、労働基準法の性質、労働契約は、業務提供と賃金を支払うだけではなく、継続的に働けるようにしなければならない。また、付属義務(安全配慮義務、環境保全義務)があり、その1つに合理的配慮義務も入るのではないかと指摘している。
- 次回は、原告側の主張について再反論をする予定。その次は、証人尋問等を検討しています。
【ポイント】
- 合理的配慮義務違反について、どういった合理的配慮(入社時にかなり細かく書いて提出・その後数回配慮されないので要求をしている)を求め、それに対し企業側の対応についてどういう反論が出るか。
- 労働契約法19条「有期雇用の雇止めの問題」は、労働契約法の条件を満たしているのかどうかということについて、特に上司から契約の継続を期待させる証言があるので、ここを強調して主張しています。
- 労働条件明示義務違反について、障害者が雇用される際、配属先となった部署で働いているつもりだったが、実際は障害者だけ別の配属先となっているなど、契約とは異なる対応は問題があると主張しています。
以上
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