「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2022年6月号)
2022年06月01日 イベント
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2022年6月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これをみれば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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バリアフリー
◎大注目!
駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関する障害当事者団体・鉄道事業者・国土交通省の意見交換会(第7回) 日程未定
<ワンポイント解説>
2020年秋から開かれているこの検討会ですが、前回は1月でしたので、5ヶ月ぶりの開催となります。前回からガイドラインの策定に入っておりますので、今回は「駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関するガイドライン(案)」が示されるものと思われます。注目です。
◎大注目!
自由民主党ユニバーサル社会推進議員連盟 6月10日(金)
<ワンポイント解説>
この議連は自民党だけのものですが、毎年1-2回開催され、バリアフリー関係のことを取り組んでくださっています。毎回障害者団体も出席させていただいておりますが、東京オリパラの前は、この議連での議論がきっかけとなり、国基準の見直しが始まるなど影響力のある集まりです。DPIからはバリアフリー関係の要望とともに、夏の対日審査を見据えて、関係法律の改正も要望したいと考えています。会議の様子はHPでご報告します。
権利擁護
◎大注目!
第66回内閣府障害者政策委員会 6月14日(火)午後(オンライン配信あり)
<ワンポイント解説>
現在、第5次障害者基本計画の策定と、障害者差別解消法の基本方針の改定の2つに取り組んでいます。前回の第65回は障害者基本計画の議論でしたので、今回はおそらく障害者差別解消法の基本方針の議論になるのではないかと思います。差別の定義、ワンストップ相談窓口など重要課題がたくさんありますので、議論の行方にご注目ください。
◎大注目!
「地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会」 次回6月9日(木)15:00~17:00
(会議の様子はYouTube にてライブ配信される見込みです。)
<ワンポイント解説>
精神科病院での虐待に対する通報義務・通報者保護、身体拘束、医療保護入院、精神科病院に入院する患者への訪問相談などが焦点となっている報告書まとめに向けて5月には9日、20日、30日と3回の検討会が開催され、議論が積み重ねられてきました。
次回検討会日程は6月9日(木)15:00~17:00と発表されています。案内は今後以下に案内される見込みです。最終段階にあるこの報告書の内容にぜひご注目ください。
▽地域で安心して暮らせる精神保健医療福祉体制の実現に向けた検討会(外部リンク:厚生労働省)
◎大注目!
障害者団体と金融機関団体との意見交換会 日程未定
<ワンポイント解説>
金融機関の利用では、代筆が認められなかったり、ATM操作の代理入力が認められなかったり、電話リレーサービスでの本人確認を認めない、といった問題があります。これまで金融庁に改善を申し入れてきたのですが、このたび障害者団体と金融機関団体との意見交換会が開かれる見込みとなりました。当日の様子はHPでご報告したいと思います。
○注目!
障害者権利条約推進議員連盟 6月1日(水)
<ワンポイント解説>
国連で障害者権利条約を策定しようとしていた時に立ち上げていただいた超党派の議員連盟です。条約の国内実施を強力に後押ししてくださっています。今年の8月には権利委員会による第一回対日審査が予定されています。これに向けて、外務省、内閣府、JDFの取り組みが報告されるものと思われます。
○注目!
精神障害当事者会ポルケが行った当事者向けの緊急アンケート調査が公開されています。
▽【報告レポート】 当事者の視点から期待する―これからの入院制度についての意識調査―(外部リンク:一般社団法人精神障害当事者会ポルケ)
<ワンポイント解説>
短い調査期間にもかかわらず、35都道府県から220件の回答が得られたとのことです。ご協力くださった皆様ありがとうございました。
「入院治療は、誰かに強制されるかたちではなく、自分で判断したい」との設問に91%が賛成の意を表した結果が出されました。一方、自傷他害といった緊急性がある場合の非自発的医療を許容する考えについては、その必要性の判断に逡巡する声も多く聞かれたものに、賛意を示した回答が74%でした。
オンライン調査ということで、この問題に関心のある人の意見が多いことを差し引いても、緊急事態に本人及び周囲の人の安全を守る何らかの介入必要性は認めつつ、本人の意思確認が重視されるべきことが求められていることが読み取れます。
国際協力
◎大注目!
障害者権利条約締約国会議(COSP) 第15回会期
<ワンポイント解説>
条約において定期的会合が規定されている締約国会議(COSP)第15回会期は対面形式で、2022年6月14日~16日、ニューヨークの国連本部で開催されます。
会議のテーマは「COVID関連とそれ以降における障害包摂的で参加型の社会の構築」、サブテーマは、1:障害者の権利推進のイノベーションと技術、2:障害者の経済的エンパワーメントと起業家精神、3:気候変動対策、災害リスク軽減、自然災害に対するレジリエンスへの障害者の参加です。
障害者権利委員の選挙は期間中の6月14日に実施され、18人の委員の半数の選挙が行われます。2人はアジア太平洋地域から選出されることになり、日本からは聴覚障害の田門 浩弁護士が候補にあがっています。
会議に先立ち6月13日(月)9:30~12:30(日本時間13日23:30~14日2:30)に、市民社会側から障害者運動とCRPDの実現に関連する現在の問題を指摘する2022市民社会フォーラムが開催されます。パネル:ディスカッションでは、全体会合で「障害者の権利のために共に働く ことー国際協力」、その後「さらなる脱施設化に向けた機会の活用」、「デジタル・クラスにおけるインクルーシブ教育のための知識共有」、「障害者のインターセクショナリティと性と生殖に関する健康の権利」について討議します。
▽申込はこのリンクからどうぞ。(外部リンク:international disability alliance )
○注目!
シンガポールで知的障害者男性の処刑
<ワンポイント解説>
何回かみなさまにマレーシアの知的障害男性ナガエントラン・ダルマリンガムさんの恩赦嘆願のお願いをしましたが、4月27日に絞首刑になりました。
大さじ3杯のヘロインにより麻薬密輸業者とされ、2010年から死刑囚監房に収監されていました。彼の知的障害はIQ 69のレベルでしたが、政府は「彼は自分の行為の性質を明確に理解している」と述べ母親の訴えに怒りさえ示しました。
シンガポールではヘロインを所持して逮捕されると死刑の対象となります。裁判所は、彼が知的障害をもっていないと認定しました。昨年の大統領の恩赦を求める動きも拒否されました。
世界的な支援が行われたのに、とても残念です。
○注目!
ビデオ「障害者への緊急時対応」
<ワンポイント解説>
4月27日に開催され米国大使館バーチャル講演会「障害者への緊急時対応:地域住民の自主防衛組織CERTの役割と活動」 のビデオが公開されました。
メインスピーカーのリンダ・マスタンドリア氏はシカゴ都市計画局ADA(米国障害者法)コンプライアンス計画担当ディレクタとして、地域の緊急時対応に焦点をあて、米国における地域住民の自主防災組織であるCERTの役割や、障害者への危機管理対応、CERTメンバーへのトレーニングや教育プログラムについて話されています。自分の地域の防災体制づくりの参考にしてください。
▽以下からご覧ください(外部リンク:YouTube)
障害女性
◎大注目!
今月の裁判関係の期日
優生保護法裁判は、2月22日大阪高裁・3月11日東京高裁で原告逆転勝訴したものの、いずれも国が最高裁に上告受理申し立てをしています。優生保護法問題解決に向けて、今後各地裁・高裁で出される判決も重要となってきますので、ぜひご注目ください!
★優生保護法裁判期日
6月 2日(木) 仙台地裁 東 二郎さん(仮名)、Sさん
6月 3日(金) 仙台高裁 飯塚 淳子さん(活動名)、佐藤 由美さん(仮名)
6月13日(月) 13:30~ 熊本地裁 渡邊 數美さん(男性)、川中 ミキさん(仮名) 本人尋問予定
6月16日(木)14:00~大阪地裁 加山まり子さん(仮名) 結審
★情報公開請求裁判
6月21日(火)第8回期日14:30~大津地裁 京都新聞社
◎大注目!
優生保護法問題学習会 IN 兵庫
(兵庫と福岡をオンラインでつないでエールの交換も!?同次官で福岡でも学習会が予定されています)
日時:2022年6月4日(土)13:30~15:30
開催方法:神戸市総合福祉センター4階第5会議室にて会場参加またはオンライン(ZOOM)参加のハイブリット形式で開催します。
■内容
1)大阪・東京高裁判決の説明と意義(相原弁護士)
2)兵庫訴訟の今とこれから (津田弁護士)
3)ゲストスピーチ「一時金支給法の問題と大阪の取り組み」(利光恵子さん・おおさか旧優生保護法を問うネットワーク)
4)兵庫の原告の訴え、決意等
5)「優生保護法問題の全面解決をめざす全国連絡会」の結成について
◇主催:優生保護法による被害者とともに歩む兵庫の会・優生保護法被害兵庫訴訟弁護団
◇お問い合わせ先:歩む兵庫の会事務局 Tel(078)341-9544 Fax(078)341-9545
*会場では、感染予防に配慮し、検温・手指の消毒・マスクの着用をお願いいたします。
*会場参加の方には、ご氏名、ご連絡先を記入していただきますことご了解ください。
*会場にお越しの方で、発熱や体調不良の場合は参加をお断りすることがございます。
◎大注目!
学習会・活動報告会in福岡「裁判勝利に向けて何が必要か?」~歴史的高裁勝訴と全国的運動のはじまり~(仮)旧優生保護法福岡訴訟 福岡弁護団
※締め切りが5月31日(火)となっているため、お申し込みの前に必ず「支援する福岡の会」にお問い合わせください。
■日時:2022年6月4日(土)
【学習会】13:00~15:00(受付 12:30~)
【報告会】15:00~16:30
福岡市立早良市民センター3F 第1会議室
締め切り:5月31日(火)
【 会場定員 50名 】
▽申込は支援する福岡の会事務局まで
FAX:092-406-3407
メール:shienfukuoka☆ffd.or.jp(☆→@)
○注目!
今後の優生保護裁判日程
・9月22日(木)14:00~大阪地裁 加山まり子さん(仮名) 判決
◎大注目!
<優生思想をほぐす Part 4>Zoom みんなで話してみよう「障害があっても地域で暮らす」
日時:2022年6月25日(土)午後2時~4時30分
■参加費:無料
■予約方法:予約はお名前(ふりがな必須)、連絡先(メール必須)、職種・団体(任意)
おしゃべりに参加する、又は聞くだけを明記の上、
佐々木和子:kazuko-s☆white.plala.or.jp(☆→@)まで申し込んでください。
・参加は事前予約とします(予約受付は、お知らせ日から 2022年6月22日まで)。
・情報保障について当日は、手話通訳・要約筆記があります。必要な方は、予約時にご連絡ください。
■問い合わせ先:佐々木和子 メール:kazuko-s☆white.plala.or.jp(☆→@) 携帯電話:090-8208-8622
◇主催:「優生思想をほぐす」実行委員会
◇共催:DPI女性障害者ネットワーク、グループ生殖医療と差別、神経筋疾患ネットワーク、京都ダウン症児を育てる親の会
◇後援:DPI日本会議・JWLI(Japanese Women’s Leadership Initiative)
▽DPIホームページでも案内しています。
6月25日(土)優生思想をほぐす Part4「Zoom みんなで話してみよう 障害があっても地域で暮らす」(DPI後援イベント)
雇用労働・生活保護・所得保障
◎大注目!
1型糖尿病障害年金訴訟
2022年7月26日(火)10:30~/入庁行動 11:00~/東京地裁103号法廷
1型糖尿病障害年金訴訟で判決言い渡し期日、オンライン報告会 7月26日(火)16:00~17:00
■内容:判決を迎えて 感想・報告、大阪控訴審報告
今回が、判決言い渡し期日となりました。この訴訟には『糖尿病』の認定基準は違法」、「原告の障害は2級以上」、「不支給決定の手続きの違法」という3つのポイントがあります。当事者の医療行為を含めた生活の大変さ、血糖コントロールの難しさを踏えた公正な判決を求めています。
▽DPIホームページでも案内しています。
◎大注目!
障害者雇用(ぷるも)訴訟
第6回期日は、2022年7月11日(月)13:30〜/東京地裁527号法廷
第7回期日は、2022年9月1日(木)11:00〜/東京地裁527号法廷
※今のところは上記の予定ですが、新型コロナの感染状況などにより、変更する可能性があります。
※各回、先着順で傍聴席にご案内致します。満席の場合は傍聴できない可能性もございますが、口頭弁論後、代理人弁護士とともに控室にて簡単な報告会を行う予定です。
■訴訟を通して、働く障害者の権利と合理的配慮について考えよう
<審議のポイント>
- 第5回期日より、3人の裁判官による合議体で審議することになり、詳細に審議することになりました。ますます注目度が増しています。
- 第5回期日では、原告から被告に対し、ジョブコーチ、産業医の面談書の詳細情報の再確認。
- 裁判長より、1)雇止め無効(労働契約法19条)、2)合理的配慮義務違反(障害者雇用促進法:合理的配慮)、3)条件開示配慮義務違反(労働契約法15条:労働条件の開示)について、整理することを指示し、第6回で原告から、第7回に被告からそれぞれ主張していく予定です。
<訴訟に関する本人の声~HPから一部抜粋~>
私は、本訴訟を通して、障害者の就労に関する問題や、合理的配慮の否定・拒絶・不提供について、社会の問題として広く知っていただきたい。そして、障害者が職場でつらい目にあった際は泣き寝入りせずに自身の権利を主張できること、合理的配慮を求めることは個人のわがままではないということを、障害を持つ当事者にも知っていただきたい。そのように願っております。
▽参考:【記者会見】 原告からのご報告 – 発達障害の女性、大手IT企業を提訴 「合理的配慮を受けられず、雇い止めされた」 -(外部リンク:原告からのご報告)
以上
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