「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2021年3月号)
2021年03月01日 イベント
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2021年3月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これをみれば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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地域生活
〇注目!
社会保障審議会障害者部会(第105回)
2月4日に「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の概要」(外部リンク:厚生労働省)が公開されました。
この令和3年度の報酬改定を含む障害者施策の動向について、2月26日に第105回社会保障審議会障害者部会(外部リンク:厚労省)が開催されました。
〇注目!
令和3年度報酬改定のパブリックコメントが募集中です(締切:3月5日、外部リンク:e-Gov)
また3月中旬までに主幹課長会議が開かれると思います。(外部リンク:厚生労働省)
バリアフリー
◎大注目!
3月12日(金)第3回駅の無人化に伴う安全・円滑な駅利用に関する意見交換会
<ワンポイント解説>
12月に開かれた第2回では、鉄道事業者の取り組みが報告されました。
JR6社と大手民鉄16社の全社が、事前連絡の期限を設けていない、駅が無人であることのみをもって駅の利用を制限する取り扱いは行っていないという回答があり、現場での対応と大きな乖離があるように感じました。DPIでは急遽アンケートを実施し、この結果を資料として提出する予定です。
今年度末には中間まとめが出される予定で、ぜひともご注目ください。
◎大注目!
3月10日(水)第4回公共交通機関のバリアフリー基準等に関する検討会(外部リンク:国交省)
<ワンポイント解説>
この検討会はバリアフリー法に基づく各種のバリアフリー整備基準について議論する検討会です。
今年度は、
1) 役務の提供の方法に関する基準(ソフト基準)、
2) 新幹線の新たなバリアフリー対策、
3) 視覚障害者のエスカレーター利用のための誘導案内方法に対応した検討、
の3つに取り組んでいます。9月の第2回は新幹線の新たな整備基準を、12月の第3回にはソフト基準を定めました。今回は視覚障害者関連の基準を検討するものと思われます。
〇注目!
3月5日(金)第3回 道路空間のユニバーサルデザインを考える懇談会(外部リンク:国交省)
<ワンポイント解説>
この懇談会では2つのバリアフリー整備基準について議論しています。
1つは昨年のバリアフリー法と道路法の改正で出来た「旅客特定車両停留施設」(バスタ新宿等)、2つ目は賑わいのある道路空間を創るために道路の指定制度が創設された「歩行者利便増進道路」です。今回はソフト基準のパブコメ結果が報告され、4月の施行に向けて最後の意見交換となります。今後はガイドラインの策定に向けた議論に移ると思われます。
〇注目!
3月17日(水)第5回移動等円滑化評価会議(外部リンク:国交省)
<ワンポイント解説>
2018年に改正されたバリアフリー法に基づき、関係行政機関及び高齢者、障害者等、地方公共団体、施設設置管理者その他の関係者で構成する「移動等円滑化評価会議」を設置し、定期的に、移動等円滑化の進展の状況を把握・評価しています。年に2回程度開かれています。
〇注目!
3月19日(金)第4回ユニバーサルデザイン2020評価会議(外部リンク:政策会議)
<ワンポイント解説>
こちらの評価会議は、内閣官房東京オリンピック競技大会・東京パラリンピック競技大会推進本部事務局が担当しているものです。
2017年にユニバーサルデザイン2020関係閣僚会議にて決定した、「ユニバーサルデザイン 2020 行動計画」に基づき、UD 行動計画の加速化を図るために設けられた検討会です。東京オリパラまで半年を切り、この間の取り組みが報告されるものと思われます。
〇注目!
パブコメ:「公共交通機関の旅客施設・車両等に関する移動等円滑化整備ガイドライン」の改訂案に対する意見の募集について(外部リンク:e-GOV)
受付締切日時:2021年3月21日23時59分
<ワンポイント解説>
2020年のバリアフリー法改正で新たに公共交通事業者にソフト基準の適合義務化が課せられることになりました。これをうけてソフト基準についてまとめられ、このたびパブリックコメントが募集されています。
〇注目!
パブコメ:「移動円滑化基準適用除外自動車の認定要領」の一部改正等について(外部リンク:e-GOV)
締切日時:2021年3月25日0時0分
<ワンポイント解説>
空港アクセスバスはこれまで 「移動円滑化基準適用除外自動車」として、バリアフリー化を免除されてきました。そのため、全国の空港アクセスバスのバリアフリー化が著しく遅れていたのです。
2014年から改正を働きかけ、このたび認定要領が一部改正されることになりました。具体的には1日の利用者2000人以上の鉄道路線のない27空港で空港アクセスバスのバリアフリー車両が導入されます。ただし、コロナ禍で事業者の経営状況が厳しくなっているので、概ね3年以内にリフト付きバス等のバリアフリー車両を導入することとなっています。
権利擁護
◎大注目!
3月9日障害者差別解消法改正法案閣議決定・国会上程へ!
4月には全国でロビー活動を展開しよう!
<ワンポイント解説>
いよいよ改正法案が国会に上程されます。民間事業者の合理的配慮の義務化が盛り込まれる見通しですが、施行期日は「公布の日から3年を超えない範囲内」とされています。3年後からになるのか、もっと早く出来るのか、ワンストップ相談窓口が整備されるかといったところが大きな注目点です。
DPIでは改正法案の解説をオンラインミニ講座で4月上旬に配信予定(DPIのHP)です。おそらく5月以降に国会審議が始まる見通しですので、4月には全国で国会議員へのロビー活動を呼びかけます。ぜひとも、ご協力ください。
◎大注目!
3月22日(月)第54回内閣府障害者政策委員会(外部リンク:内閣府)
<ワンポイント解説>
第5期の新しい委員に改選されてのはじめての開催となります。3月9日には障害者差別解消法改正法案が国会に上程される見通しなので、政策委員会でも報告されると思われます。ぜひ、ご注目ください。
インクルーシブ教育
◎大注目!
第5回DPIインクルーシブ教育フォーラムを開催します!障害者権利条約がめざすインクルーシブ教育の実現に向けて行動しよう!
■日時:3月6日(土)13:00~16:30
■開催方法:オンライン(ズームウェビナー)お申し込みはこちらからどうぞ
■参加費:無料(ご寄付をお願いします)
■情報保障:PC文字通訳、手話通訳、点字資料など
<ワンポイント解説>
文科省から「新しい時代の特別支援教育を考える有識者会議報告書」についての報告
DPI副議長の尾上浩二から「学校のバリアフリー義務化」について
シンポジウム「北の国から~全国にインクルーシブ教育を届けます」(仮)
登壇者:平田和毅さん(高校生)/平田和毅さんの中学校時代の同級生 など
盛りだくさんの内容でお送りします。元気をもらって明日からの行動につなげていきましょう!
◎大注目!
傍聴ご支援お願いします。和希くんの闘いは続いています!
■日時:3月12日(金)13:30~
■場所:東京高等裁判所 101号法廷
終了後の報告集会は「参議院会館101号室」にて。(通行証はロビーにて配布)
ZOOM参加の方は、支える会のMLを参照ください。
(お問い合わせは、kazukikun.sasaeru@gmail.com まで)
<ワンポイント解説>
横浜地裁から東京高裁に場を移し、2回目の法廷となります。
住み慣れた地域からの転居を余儀なくされた和希君とご両親、さらには今後普通学級に通学する障害のある子ども達のために、高裁で良い判決を勝ち取れるよう、DPI日本会議として引き続き支援していきます。傍聴行動よろしくお願いいたします。
〇注目!
ほら、こんなふうに地域で学んでいるよ!
医療的ケア児の声を裁判官に届けよう「オンライン」集会
■日時:3月7日(日)13:30~15:30
■場所:基本は「ZOOM参加」のみです。(ダイニング街なか)
(ご参加希望の方は、「ズーム参加希望」を kazukikun.sasaeru@gmail.com までお送りください。)
<ワンポイント解説>
3月12日に迫った、東京高裁での控訴審に向けて、地域の学校で学ぶ医療的ケアに必要な子どもたちの、実践事例の発表集会です。この集会の記録を証拠として裁判所に提出するとのこと。「裁判官に伝えるために」。是非ご参加ください。
国際協力
〇注目!
ウェビナー「日米の高等教育機関における障害のある学生のアクセシビリティ創出」
<ワンポイント解説>
前回お知らせしましたシリーズの2回目セミナーで、どのようにして障害のある学生達が高等教育におけるアクセシビリティを阻む障壁を克服しているかに焦点を当てています。
パネリストは、入学試験時や教室内における配慮不足だけでなく、自立生活や学業面で目標を達成する際に必要となる住居や交通、その他の地域サービスなどへのアクセスの制限によって障害学生がどのような影響を受けるのか意見を交わします。
日米の高等教育における配慮への取り組み方の相違点を浮き彫りにし、インクルージョン促進のために日米両国の「アクセス・メーカー」がどのようにお互いから学び合うことができるか明らかにし、さらに、障害のある若者達の高等教育から雇用への移行を支援する政府の役割についても言及します。
■主催:マサチューセッツ大学ボストン校
■後援:在日米大使館
■日時:日本時間5月14日(金)9:00〜10:30分、米国東部時間5月14日(金)20:00〜21:30
■参加費:無料
■情報保障: 日英同時通訳、日英文字通訳、日本手話、アメリカ手話
〇注目!
「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」の第23期生の募集
<ワンポイント解説>
Covid-19の影響で遅れていた23期生の募集が始まりました。アジアの自立生活運動のリーダーを育て、DPIのアジア太平洋のネットワークを支える人材を輩出してきた育成事業へ、お知り合いの方に是非応募するよう勧めてください。
■締め切り:4月15日(木)
■期間:約10ヶ月(2022年1月から、10月に終了予定)
■応募資格:教育履歴や以前の実業経験は必要ありません。ただし、
(1)アジア・太平洋に住む障害者である
(2) 2021年4月15日時点で18歳から29歳まで
(3)日本語(または日本語手話)または英語(または国際手話/ASL)でコミュニケーションが可能
(4)地域社会の将来のリーダーとなり、障害者のために働く決意がある
(5)日本のライフスタイルに順応し、日本での10ヶ月間の研修を修了する意欲がある
などの条件があります。
▽事業の詳細と応募用紙:Application Guidance | Duskin Leadership Training in Japan (外部リンク:normanet.ne.jp)
△よかったら見て
さくら・車いすプロジェクトが「第6回企業ボランティア・アワード」の大賞に
<ワンポイント解説>
国際協力活動「さくら・車いすプロジェクト」を実施している、車いすの会社であるさいとう工房さんが、東京ボランティア・市民活動センターが主催した「企業ボランティア・アワード」で表彰されました。DPI日本会議は国際支援開始時から長期にわたってお世話になり、海外の障害者への中古車いすの提供や技術研修にも協力していただいています。その結果アジアでの自立生活運動は強固なものとなり、特にパキスタンでは優秀な障害をもつ技術者が育っています。
▽賞の詳細:第6回『企業ボランティア・アワード』受賞企業のお知らせ|新着情報|企業・社員の方々へ (外部リンク:tvac.or.jp)
障害女性
◎大注目!
3月25日(木)14:30~神戸地裁 第10回期日 結審!!
<ワンポイント解説>
2月4日(金) 札幌地裁 道央匿名カップル判決は、これまで出た判決の中で、最も厳しいものとなりました。強制不妊手術は事実と認められず、中絶は経済的理由によるものとして、原告の訴えを退けたのです。
これまでの判決を覆すべく、各地で支援活動しています。
◎大注目!署名活動にご協力を!
<ワンポイント解説>
兵庫では原告5名が提訴しています。原告のお一人である高尾辰夫さん(仮名)の遺志を引き継ぎ、何としても勝訴を勝ち取りたいとの思いで、3月25日の結審に向けて署名活動を始めました。
▽署名のお願いについてはこちらからダウンロードいただけます(ワード)
全国初となった仙台の不当判決に立ち上がった学生達で行っている署名活動も継続中!
ネット署名はこちらから賛同いただけます。
◎大注目!
3月の裁判予定
・3月18日(木) 熊本地裁
・3月25日(木)14:30~神戸地裁 第10回期日
〇注目!
今後の裁判日程
・5月21日(金)15:00~東京高裁 第2回期日
[京都新聞社が、滋賀県に対して起こした優生手術に関する情報公開請求裁判]
・4月13日(火)14:30~ 第3回期日
雇用・労働・生活保護・所得保障
◎大注目!
令和3年2月22日 いのちのとりで裁判 大阪地裁が生活保護費の減額決定、取り消す判決
<ワンポイント解説>
国が2013年、生活保護基準を引き下げたことについては生存権を保障した憲法25条(国民は、健康で文化的な最低限の生活を営む権利を有する)に反するなどとして、生活保護費を減額した決定の取り消しなどを求めている訴訟が全国29の地裁と高裁で争われています。
全国初の判決であった昨年6月の名古屋地裁は、受給者側の請求を退けましたが全国2例目の判決となった2月22日の大阪地裁は受給者の請求を認め、決定を取り消す判決を言い渡しました。
生活保護基準の引き下げは、就学援助や住民税非課税などの他の制度の支給対象の指標にもなっていることから生活保護の受給者以外にも大きな影響がおよんでいます。
DPIは、年金や手当による障害者の所得保障を求めていますが、最後のセーフティーネットである生活保護制度の改悪への反対や扶養照会等の改善も取組み課題とすることが必要です。
◎大注目!
令和3年3月中旬 時間未定 @厚労省
■第4回「障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会(ペーパーレス会議)
<ワンポイント解説>
本検討会は、障害者雇用・福祉連携強化プロジェクトチームの取りまとめ内容を踏まえつつ、雇用施策と福祉施策の更なる連携強化に向け、必要な対応策のより具体的な検討の方向性を議論することを目的として、初めて厚生労働省大臣官房高齢・障害者雇用開発審議官及び社会・援護局障害保健福祉部長が構成員の参集を求めて開催する画期的な合同検討会です。
11月6日より開催し、既に3回終了。10団体のヒアリングを終え、3つの検討チームでのワーキンググループを開催し、集中的に議論をしてきているため、中間報告になると思われます。
残念ながらワーキンググループでは、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者の方のみ若干名ということですので、親会議には、少しでも新型コロナウイルスの感染が軽減され、傍聴が再開されることを願いたいです。
●本ワーキンググループ(以下「WG」)について
障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の議論を円滑に進めるため開催するもので、下記のテーマについて、論点整理など、集中的に検討を実施していきます。
全体の検討テーマは、以下の3つです。
(1) 障害者の就労能力等の評価の在り方について ワーキンググループ(第1WG)
(2) 障害者就労を支える人材の育成・確保について ワーキンググループ(第2WG)
(3) 障害者の就労支援体系の在り方について ワーキンググループ(第3WG)
当部会では、「ワーキンググループ(第1WG)」、「ワーキンググループ(第3WG)」に注目しています。
〇注目!
令和3年3月17日(水)13:00~15:00 @厚労省
■第3回 障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ(第1WG)
<ワンポイント解説>
雇用・福祉施策の双方において利活用できる共通のプラットフォームとしての就労能力や適性の評価の仕組みの創設や一人一人の就労に向けた支援計画の共有化などについて検討しています。当部会としては、雇用率の算定範囲等について着目をしています。
残念ながら新型コロナウイルス感染拡大防止のため、報道関係者の方のみ若干名ということですので、資料と議事録をご確認下さい。
◎大注目!
3月22日(月) 15:00~17:30 @厚労省
■第4回障害者の就労支援体系の在り方に関するワーキンググループ(第3WG)
3月26日(金) 13:00~15:30 @厚労省
■第5回障害者の就労支援体系の在り方に関するワーキンググループ(第3WG)
<ワンポイント解説>
雇用・福祉施策双方において効果的な支援を展開していくため、就労系障害福祉サービスと他の就労支援機関の役割関係を整理し、現行の制度下で展開されている支援の枠組みの再編も視野に、それぞれの在り方などについて検討しています。こちらも資料と議事録をお待ち下さい。
以上
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