「今月はここに注目!!」各分野での注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなどまとめてお届け!(2021年1月号)
2021年01月06日 イベント
現在の国の動き、障害者運動に何が起きようとしているのか、
情勢を追いかけるためにもってこいの「ここに注目!2021年1月号」をお届けします。
今月の注目すべき検討会・パブリックコメント・裁判・イベント・動きなど各分野でまとめてお届けします。
これをみれば一目瞭然!
凡例:◎=大注目! 〇=注目! △=よかったら見て
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地域生活
〇注目!
決定!令和3年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について
<ワンポイント解説>
この約半年間検討チームにより議論された「令和3年度障害福祉サービス等報酬改定」について、基本的な方向性が12月11日に取りまとめられました。
また、12月17日には、来年度の改定率が次のように発表されました。
障害報酬改定率 +0.56%
介護報酬改定率 +0.70%
※ うち、新型コロナウイルス感染症に対応するための特例的な評価 +0.05%(令和3年9月末までの間)
障害福祉サービス費全体としてはプラス改定ですが、地域生活を支える重度訪問介護等の訪問系サービスの報酬単価がどうなるのか?基本報酬と処遇改善の加算率との合計が、現状より下がってしまうようなことにならないか?を注視していく必要があります。
今後は、この方針に沿って具体的な報酬額案が2月頃までに提示され、パブリックコメントを経て、3月に主幹課長会議で詳しい資料が出てQ&Aも出され、4月1日から新報酬体系となると思います。
バリアフリー
〇注目!
パブコメ「移動等円滑化促進方針・バリフリー基本構想作成に関するガイドライン」の改訂案に対する意見の募集について(国交省)
意見募集期間:令和2年 12 月 25 日(金)から令和3年1月 24 日(日)まで(必着)
△よかったら見て
講演「これからどうなる?バリアフリー法改正と障害者の生活 アクセスのバリヤーをやっつけろ」
日時:2021年1月9日(土)
講師:佐藤 聡(DPI日本会議 事務局長)
時間:午後1時30分~午後4時10分
・参加申込みメールを頂いた後、当日までに担当者から招待URLをお送りします。
・オンライン開催のため各自におけるインターネット環境及びパソコン・スマホの準備、ZOOMの事前ダウンロードが必要になります。
(申込み期限:定員に到達次第〆切)
参加申込みアドレス: accesskansainetwork@gmail.com
申込みの際に確認させていただきたい事項(ご所属(団体、法人)、電話番号、ZOOM参加時のURL送付先と連絡責任者、お名前(参加者))
権利擁護
〇注目!
第53回障害者政策委員会(12/14開催済)
当日の様子はこちらから動画で視聴できます。
<ワンポイント解説>
今回の注目ポイントは、差別解消法の見直しについて、「事業者による合理的配慮の提供の義務化等を主な内容とする改正法案を次期通常国会に提出することを検討中です」と内閣府が報告したことです。最終決定はしていないということですが、資料8障害者差別解消法の改正に盛り込む事項(案)というものも出されましたので、来年の通常国会で改正法案が上程される可能性が高いです。今後の動きに注目してください。なお、今月で委員の任期が満了しましたので、次回からは新委員に変わる予定です。
国際協力
〇注目!
サオワラク・トンクアイ(Ms. Saowalak THONGKUAY、元DPIアジア太平洋ブロック開発担当官/事務局長)が国連障害者権利委員会委員に
<ワンポイント解説>
障害者の権利委員会は、18人の高い道徳的性格と人権の分野で認められた能力を持つ独立した専門家で構成されます。2020年12月31日に国連障害者権利委員会の半数が改選となりました。
そのため9人の選挙が2020年11月30日から12月3日までニューヨークの国連(UN)本部で開催された、障害者権利条約の第13回締約国会議の期間中に行われました。締約国のリストは、障害者の権利に関する条約 締約国一覧|外務省 (mofa.go.jp)にあります。
投票は権利条約加盟国1国1票で行われ、候補28人(一人は辞退)から選出されました。得票の多い順に選ばれ、有効投票の過半数を取れなかった場合は当選とはならず、2回目、3回目と投票を繰り返していきます。1回目では5名が当選。
トップはニュージーランドのロバート・マーチン、そしてイスラエル、モロッコ、グアテマラ、パナマと続きました。残る4名は2回目の投票で、落選者のうち1回目に多く票を得た8名に候補を絞って行われました。ケニアのサムエル・カブエ(元DPIアフリカ評議員)、次にモンゴル、ジャマイカと続きました。タイのサオワラックは4位でしたが、過半数に1票足りませんでした。12月11日の3度の投票では、ドミニカ共和国の推薦者との一騎打ちとなり最終的に勝利しました。
彼女はアジア太平洋を代表すると同時に、障害女性の問題でも委員会での討議をリードしていくことが期待されています。これで、2022年末までの委員会の構成は、女性12人、男性6人。地域分布では、ラテンアメリカとカリブ海諸国の5人(ブラジル、メキシコ、パナマ、ジャマイカ、グアテマラ)、西欧その他4人(ニュージーランド、豪州、スイス、イスラエル)、アフリカ4人(ナイジェリア、ガーナ、ケニア、モロッコ)、アジア太平洋地域の4人(韓国、インドネシア、モンゴル、タイ)、東欧1人(リトアニア)となります。石川准さんは任期満了となり、日本は次の候補をだしませんでした。
なお今回の会議はコロナウイルスの影響で、対面と仮想の両形式での開催となりました。全体テーマは、「インクルーシブな持続可能な開発のための行動と実施の10年:すべての障害者のための権利条約と2030アジェンダの実施(A decade of action and delivery for inclusive sustainable development: implementing the CRPD and the 2030 Agenda for all persons with disabilities)」でした。
〇注目!
アメリカの障害学に関する本が出ました。
<ワンポイント解説>
日本で広く紹介されている障害学は、イギリスを中心としたものが多かったです。生活書院から最近出版された「ミッシング・ピーシズ: アメリカ障害学の原点」は、アメリカ障害学の父と言われる、自ら障害者であるアーヴィング・ケネス・ゾラの著書です。
本の紹介には、「人を半人前扱いするとはどういうことかという問いは、結局のところ、私たち全員に向けられた問いである(終章より)。身体(医学モデル)と社会(社会モデル)の二分法を架橋し、アメリカにおける「障害社会学」から「障害者の語りとしての障害学」への分水嶺ともなった」と書かれています。
現在は社会モデルからさらに人権モデルにと障害のモデルは広がっていますが、この時期アメリカでの障害学を考えてみるのもいいと思います。ニキリンコ訳で、2,750 円です。
障害女性
◎大注目!
1月15日(金) 札幌地裁小島さん判決!!
仙台・東京・大阪に次いで、全国4例目となる判決が出されます。ぜひご注目下さい。
全国初となった仙台の不当判決に立ち上がった学生達め行っている署名活動も継続中!
ネット署名はこちらから賛同いただけます。
◎大注目!
2021年1月の裁判予定
・1月15日(金) 札幌地裁小島さん判決
・1月18日(月)16:00 – 17:00 仙台訴訟控訴審第3回期日
・1月25日(火)14:00~ 熊本地裁
[京都新聞社が、滋賀県に対して起こした優生手術に関する情報公開請求裁判]
・1月26日(火)大津地裁本館1号法廷 第2回期日
◎大注目!
12月の裁判の日程
・12月21日(月)16:00~東京高裁第1回期日 (14:15~ 入庁行動)北三郎さん(仮名)
・12月25日(金)14:00~静岡地裁浜松支部 静岡第2訴訟 武藤千恵子さん(視覚障害 7月3日提訴)第1回期日
〇注目!
今後の裁判日程
・2月4日(木)道央匿名夫婦 札幌地裁 判決
・3月25日(木)14:30~神戸地裁 第10回期日
・5月21日(金)15:00~東京高裁 第2回期日
雇用・労働・生活保護・所得保障
◎大注目!
12月25日(金) 15:00~17:00 @厚労省
障害者の就労支援体系の在り方に関するワーキンググループ
<ワンポイント解説>
雇用・福祉施策双方において効果的な支援を展開していくため、就労系障害福祉サービスと他の就労支援機関の役割関係を整理し、現行の制度下で展開されている支援の枠組みの再編も視野に、それぞれの在り方などについて検討
●本ワーキンググループ(以下「WG」という。)について
障害者雇用・福祉施策の連携強化に関する検討会の議論を円滑に進めるため開催するもので、下記のテーマについて、論点整理など、集中的に検討を実施していきます。
全体の検討テーマは、以下の3つです。
(1)障害者の就労能力等の評価の在り方について ワーキンググループ(第1WG)
(2)障害者就労を支える人材の育成・確保について ワーキンググループ(第2WG)
(3)障害者の就労支援体系の在り方について ワーキンググループ(第3WG)
当部会では、「ワーキンググループ(第1WG)」「ワーキンググループ(第3WG)」に注目しています。
〇注目!
令和3年1月 29 日(金)10:00~12:00 @厚労省
■第2回 障害者の就労能力等の評価の在り方に関するワーキンググループ(第1WG)
<ワンポイント解説>
雇用・福祉施策の双方において利活用できる共通のプラットフォームとしての就労能力や適性の評価の仕組みの創設や一人一人の就労に向けた支援計画の共有化などについて検討しています。
当部会としては、雇用率の算定範囲等について着目をしています。
☆こちらも注目!
こちらは制度政策とは関係ないのですが、みなさんに知っていただきたくて掲載しました。1月27日はミスタードーナツ創業の日で、この日の売上の一部が障害者リーダー育成のために役立てられているのです。
ダスキンは1981年から「ダスキン障害者リーダー育成海外研修派遣事業」を実施しています。日本の障害者が欧米に留学し、自立生活運動などを学び、帰国後に多くの研修生が日本で運動を展開してきました。DPIや加盟団体にもOB/OGがたくさんおりまして、佐藤事務局長もOBです。
さらに、1999年からは「ダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業」も実施し、アジアの国々から多くの障害者が来日して研修しています。日本の障害者運動を学び、帰国後に自国で障害者団体を立ち上げ運動を展開している人もたくさんいます。
素晴らしい事業を今日まで継続して実施してくださっているダスキンに感謝!日本やアジアの若手障害者が素晴らしい学びの機会を得られるように、ドーナッツを食べて応援しましょう!
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