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書籍『精神科の薬について知っておいてほしいこと 作用の仕方と離脱症状』+8月5日(土)イベントのご案内(主催:精神科の診断・薬・社会)

2023年07月27日 イベント権利擁護書籍紹介

本の表紙

『精神科の薬について知っておいてほしいこと 作用の仕方と離脱症状』

原書はイギリスの著名な精神科医ジョアンナ・モンクリフ(Dr. Joanna Moncrieff)の最新刊(”A Straight Talking Introduction to Psychiatric Drugs: The truth about how they work and how to come off them”「 ストレートに語る精神科治療薬入門:精神科治療薬の効き目とやめ方についての真実]」第2版)です。

8月5日(土)に原著者が来日、シンポジウムが行われるそうです。以下、イベントのご案内をいただきましたので、紹介します。

シンポジウム:精神科の薬を問い直す―薬を使うこと、やめることに関して知っておいて欲しいこと

■日時:2023年8月5日(土)13:30-16:30

■場所:東京大学駒場Iキャンパス 21KOMCEE レクチャーホール(京王井の頭線駒場東大前駅下車)+オンライン同時配信(ウェビナー)

■英語・日本語逐次通訳つき

■参加費:無料

■定員 会場参加:200名 オンライン同時配信:1,000名

申し込み・問い合わせ(外部リンク)

※情報保障については主催者にお問合せください。

■主催:精神科の診断・薬・社会(外部リンク:peatix)

■趣旨

『精神科の薬について知っておいてほしいこと』(日本評論社、2022年)の著者ジョアンナ・モンクリフ教授を日本に招へいし、シンポジウムを行います。モンクリフ教授は初めての来日となります。

モンクリフ教授と国立精神・神経医療研究センター・精神保健研究所・薬物依存研究部長松本俊彦氏、『精神科の薬について知っておいてほしいこと』の訳者の1人高木俊介氏による講演を通して、精神科の薬の問題について考えます。(※本シンポジウムはJSPS科研費(22K00268)「精神疾患の知の枠組みの再検討:領域多元主義と相互作用モデル」(研究代表:石原孝二)の助成を受けています。)

■感想の紹介

なお、本書の訳者の一人である松本葉子さんが体験を書かれている部分(p.194-196)を読んで、DPI日本会議事務局員の鷺原由佳からの感想を以下で紹介します。


苦悩や葛藤を自分の一部として感じることは、人間のありのままの営みのひとつだと思います。しかしながら、「普通」であり続けることを是とし(時として強制し)、そこから逸脱した人を排除または矯正しようとする力学や価値観が、精神医療の世界、ひいてはこの社会に蔓延してはいけないでしょうか。

精神的な危機を経験することは、誰にでもあり得ることです。薬を飲めば消滅する苦悩や葛藤などありません。服薬は、一時的な支えになるとしても、本質的な解決にはなりえないのです。私たち当事者に必要なのは尊厳や自信の回復であり、それを実現する手段はイコール薬ではありません。

私は統合失調症と診断されてから、もう20年近く服薬を続けています。体型が崩れる、喉が渇きやすいなどの副作用にずっと悩まされているため、現在は減薬に取り組んでいます。ですが、ひどいイライラ感や不安発作などに妨げられ、なかなか前進しません。

松本葉子さんのメッセージには、「ありのままの肯定」という祈りが込められているように感じました。精神科の薬は、その「ありのまま」を侵食する可能性があるのです。

松本葉子さんの表現するところの「当事者は薬を飲み続けなければ回復しない」という「神話」から、当事者だけではなく家族、医療従事者、福祉専門職など、より多くの人が抜け出せることを願ってやみません。そして、精神障害とともに生きている「ありのまま」の姿を、自然体で肯定できる社会であってほしいと思っています。

鷺原由佳(事務局員)


もくじ(タイトルをクリックすると、出版社のウェブページで読めます)を見るだけでも学べることがたくさんありました。例えば、第7章の子どもとADHDに関する章は、「発達障害」児への投薬に悩む方にとても参考になるのではと思います。

時に助けにも害にもなり得る「薬」とのつきあい方を考えるうえで、最新の研究と多くの人々の体験と訳者の熱意によって出版された本書をぜひお読みください。

浜島恭子(事務局員)


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