7月7日「学ぼう!!語ろう!!アフリカの障害者の自立生活」を開催しました
7月7日(土)JICA東京国際センターで「学ぼう!!語ろう!!アフリカの障害者の自立生活」を開催しました。当日は約60名の方にご参加いただきました。連日、DPIホームページでもご報告をしておりますが、アフリカ7カ国の障害者リーダーに対して研修を行っております。その研修員たちがアフリカの現状を発表し、参加者と情報交換、交流を行いました。
▽壁には研修生の国の情報、現地の自立生活センターの写真などをまとめた掲示物を掲載しました。
▽開始前の様子
最初にJICA東京国際センター所長の木野本様、DPIアジア・太平洋ブロック会議議長の中西正司より開会の挨拶を頂きました。
全体会では「南アフリカで私たちがつくる自立生活センター」と題して、研修員のナタン・シャバララさん(ソウェト自立生活センター理事(南アフリカ・JICA 研修員))から、自立生活センターの活動についてご報告頂きました。
▽報告者のナタン・シャバララさん
ソウェト自立生活センターは、JICAとヒューマンケア協会の支援によって、2013年11月に設立されました。5名のメンバーで活動をして、現在はソウェト全域に仲間がいます。三年間以上のJICAの支援を受け、現在は南アフリカの社会開発省の支援も受けています。設立当初は、自立生活の目的や活動の理念を理解してもらうことなど大変なことが多かったそうです。
▽ソウェト自立生活センター
現在は1.サポートグループ、2.ピアカウンセリング、3.自立生活プログラム、4.介助サービスの4つの活動を行っています。サポートグループでは、月に1回程度、同じような境遇を持った人が集まり、グループでお互いを元気づけ合ったり、話す機会を設けていますが、その場所に来るための交通手段が無く、最も大きな課題は移動の問題であるそうです。
▽ソウェト自立生活センターの活動
▽現地でのサポートグループの様子
▽自立生活プログラムの様子
「今後、交通アクセスだけではなくて、社会全体を良くしていきたい。今こそ自立生活センターが頑張り時だ」と最後に強くおっしゃっていました。
続いて崔栄繁(DPI議長補佐)から、今年5月7日‐11日南アフリカで「ソウェト自立生活センター」「レメロス自立生活センター」を視察、モニタリングした報告を行いました。2013年から2015年が第1フェーズで、ハウテン州に上記2つの自立生活センターを立ち上げ、介助派遣の仕組みを構築してきました。今は第2フェーズで、設立した自立生活センターからのサービスにより重度障害者の自立生活の実現や、アクセシブルなまちづくりを主体的に推進していく能力の獲得、住宅に対する助言、福祉移送サービスモデルの管理能力強化を目的とし活動をしています。
▽報告者の崔(写真が暗い。。)
▽ソウェト自立生活センター視察時の写真
ソウェト自立生活センターでは、長年運動を引っ張ってきて、偉大なリーダーであったムジさんが今年2月に急逝されました。ムジさんがいなくなった影響は大変大きいものですが、残りのメンバーでムジさんがやってきたことの役割分担を行いながら、懸命に運営体制を作っており、事業は順調に進んでいます。
▽DPIホームページに掲載したムジさん追悼記事
南アフリカ共和国 ムジ・ンコシさん 偉大な障害者リーダーの旅立ち(3/29更新)
レメロス自立生活センターの視察や今回のモニタリングの詳細報告は、DPIホームページで連載企画として掲載しておりますので、下記、是非御覧下さい☆
▽南アフリカ共和国に行ってきました!Vol.1(6/8更新)
▽南アフリカ共和国に行ってきました!Vol.2(6/11更新)
▽南アフリカ共和国に行ってきました!Vol.3(6/18更新)
午後は「私たちの日常生活と地域生活へのインクルージョン」と題して、3つの分科会を行いました。
○分科会1
レソト:Mr MASENYETSE Thabiso Johannes(視覚障害)
ジンバブウェ:Ms NKOMO Thokozile(身体障害)
コーディネーター 自立生活センターくれぱす 見形信子さん
○分科会2
エジプト:Mr SALEM Tarek hossameldin hassan(身体障害)
スーダン:Ms. OMER Siham Ahmed Mohammed(身体障害)
コーディネーター:DPI日本会議 中西由起子
分科会3
モザンビーク:Mr. NHANTUMBO Antonio Ernesto(身体障害)
タンザニア:Ms MHOJA Nyamizi Simon(身体障害)
コーディネーター:DPI日本会議 崔栄繁
分科会3では、Antonioさん、Nyamizi さんから障害を持ちながら自国でどのように教育を受け、働き、活動を続けてきたのかご報告頂きました。その後、日本と南アフリカについて情報交換を参加者と行いました。南アフリカで研修生が感じた障害者を取り巻く考え方というのは、「障害者は何も出来ない人」「障害者に対する支援はほどこし、チャリティー」と思っている人が多く、「私達当事者が社会を啓発し、政府へアピールを続けないといけない、障害はネガティブなものではない」とおっしゃっていました。その他にも、教育や雇用分野の情報交換を行い、2時間があっというまに過ぎて、時間が全く足りませんでした。それほど有意義で楽しい分科会となりました。
最後に、分科会でAntonioさんがおっしゃっていた「We can get solution!(私達にはできる!)」という言葉に大変勇気を頂きました。日本と南アフリカ、遠く遠く離れていますが、これからも情報交換、交流を続け、両国共に誰もが安心して暮らせる社会の実現に向けて、引き続き活動を続けてまいります。
▽DPI日本会議が行っている「南アフリカ共和国での自立生活センター能力強化のプロジェクト」はこちら