障害者基本法改正を目指して、ADF地域フォーラムが開催されました
2018年10月03日 イベント障害者権利条約の完全実施
さる、2018年8月18日(土)、名古屋市中区にある朝日ホールにおいて愛知障害フォーラム(ADF)設立10周年記念行事として、ADF地域フォーラムが開催されました。
フォーラムでは、「権利条約の時代にふさわしい基本法を!」と障害者基本法改正をテーマに取り上げ、基調講演とシンポジウムをおこないました。
愛知障害フォーラム(ADF)代表、加賀時男氏による開会のあいさつ
第1部の基調講演では、DPI日本会議副議長で内閣府障害者制度改革アドバイザーである尾上浩二が、障害者基本法DPI日本会議試案を説明。
写真:尾上浩二(DPI日本会議副議長・内閣府障害者制度改革アドバイザー)
目的に条約批准後初めての改正であるので国連障害者の権利に関する条約の規定を遵守する旨を入れること、障害者の定義に「周期的・断続的なものを含む」こと、合理的配慮の定義を入れることや、条文の随所に規定されている「可能な限り」の削除、差別の禁止については関連差別、間接差別を入れること、新たに「障害のある女性」、「ユニバーサルデザインの普及促進」を条文に入れることなどが説明されました。
▽障害者基本法改正に向けて、障害者基本法DPI試案Ver.3はこちら(ワード)、(PDF版)
第2部のシンポジウムでは、全国手をつなぐ育成会連合会会長で内閣府障害者政策委員の久保厚子さんより、学校での虐待報道が多い中、虐待発見者の行政機関への通報義務が学校には課せられていないのは大きな問題で、障害者虐待防止法の改正の際には、通報義務の対象に学校も含むべきとの問題提起や、障害者差別解消法の3年後見直しでは、「差別解消法の周知」、「合理的配慮の啓発」、「障害の理解啓発」を盛り込むべきとの意見が出されました。また、弁護士で名古屋市視覚障害者協会会長である田中伸明さんからは、障害者基本法の改正が必要と考えられる事項として、「差別の定義の明確化」、「意思決定支援規定の新設」、「障害者政策委員会の機能強化」が意見提起されました。
写真:シンポジウム「権利条約の時代にふさわしい基本法を! 」
<シンポジスト>
田中伸明氏(弁護士・名古屋市視覚障害者協会会長)
久保厚子氏(内閣府障害者政策委員・全国手をつなぐ育成会連合会会長)
尾上浩二(DPI日本会議副議長・内閣府障害者制度改革アドバイザー)
<進行>土屋 葉氏(愛知大学教員)
当日の参加者は、130名で、皆さん、基調講演・シンポジウムとも熱心に耳を傾けてくれ、活発な質疑応答もおこなわれました。
写真:愛知障害フォーラム(ADF)幹事会議長、黒田和子氏による閉会のあいさつ
参加者からは、「障害者基本法の改正の必要性がよくわかった」、「時間が足りず、もっと話が聞きたかった」などといった声が寄せられました。
▽障害者基本法改正に向けて、障害者基本法DPI試案Ver.3はこちら(ワード)、(PDF版)
辻直哉(ADF(愛知障害フォーラム)事務局長、DPI日本会議事務局次長)
10月20日(土)には熊本学園大学で、障害者基本法改正に向けたセミナーが開催されますので、お近くの方、ご都合よろしい方は、是非ご参加下さい。尾上浩二(DPI日本会議副議長・内閣府障害者制度改革アドバイザー)が登壇予定です。
▽詳細はこちら:10月20日(土)熊本障害フォーラムセミナー「今、障害者基本法改正を?障害者権利条約審査を前に」