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第6回DPI障害者政策討論集会 開催のお知らせ

2017年10月18日 イベント

全てのいのちと尊厳が守られる社会に

神奈川県立の障害者施設「津久井やまゆり園」での障害者殺傷事件から1年半が過ぎようとしています。この事件で命を奪われたり傷を負わされた被害者は言うまでもなく、私たち当事者に与えた衝撃と苦痛は癒えることはありません。獄中の犯人はマスコミとのやり取りの中、未だに自分の行った殺戮を正当化し続けており、この事件を生み出した社会の病巣の根深さを改めて思いしらされます。
「殺されていい命なんてない!」「多様性を尊ぶ社会こそ、真に力強いインクルーシブ社会である」ことを発信し続ける責任を痛感するものです。
今年のDPI障害者政策討論集会では、当事者であり研究者である熊谷晋一郎さんの基調報告を基に、現地神奈川県の当事者の皆さんやDPI日本会議のメンバーとともに、相模原事件の背景にある優生思想に立ち向かう我々の覚悟と方策について、議論していきたいと思います。
また、日本が提出した国連障害者権利条約への政府報告書に対して、私たちは他の障害者団体と一緒に、これからパラレルレポートを作成していくことになります。政府報告には表れていない日本の現状を明らかにし、国連からの有効な政府への勧告を引き出していかなければなりません。本集会を、そのための提案や情報交換の機会としていただきたいと思います。
一方、政策委員会では、第4次障害者基本計画の議論がスタートしています。今後の都道府県や市区町村での障害者施策に具体的に反映される議論です。障害者権利条約批准後であり、障害者差別解消法制定後であり、当然ながらそれらを踏まえた計画でなくてはなりませんが、財政負担を理由に、本来必要な施策やサービスなどが矮小化されていく危険性も感じるところです。今後とも政策委員会への提言や監視を強めていき、全国規模での運動の連帯を図っていく必要があります。そのためのスタートとしていただきたいと思います。
二日目の分科会は、1)地域生活、2)雇用労働、3)障害女性、4)国際協力を計画しております。
さて、この趣意書を準備している中、解散総選挙と新党の動きなどが連日報道されています。解散で、心配されていた精神保健福祉法改正案は廃案になり幸いでしたが、あらたな議会によって再び浮上することは考えられます。これからどんな政治状況になっても、障害者運動においては、これまで培ってきた手法や戦略を丁寧に続けていき、インクルーシブ社会の構築に力を注いでまいりましょう。
暮れのお忙しい時期ではありますが、全国各地から多くの仲間の皆さんや支援者、研究者の皆さんが参加していただけることを心から期待しております。

お申込みはこちら


集会の開催には、全国各地からの報告及び情報保障などに多くの費用を必要とします。
インターネットからご寄付頂けます。ご支援のほど、よろしくお願いいたします。

▽ご寄付はこちらから(GiveOneホームページ、1口1,000円~)
『共に議論できる場をつくる為に、『情報保障』が必要です。』

※決済方法は、クレジットカード(VISA、Master、JCB、AMEX)、ジャパンネット銀行振込、銀行振込(ペイジー)があります。


プログラム(敬称略)
▶▶1日目:12月2日(土)(13:00~16:30、受付開始:12:30)
▶全体会テーマ「パラレルレポート作成に向けて~障害者権利条約の完全実施のためのパラレルレポート作成プロジェクト報告~」

■基調報告「パラレルレポート作成の意義」  野村茂樹(弁護士)
■シンポジウム「パラレルレポート作成プロジェクトの報告と主要論点について」
シンポジスト
・崔栄繁(DPI日本会議議長補佐) 「一般的意見5(19条・地域生活)」
・一木玲子(大阪経済法科大学客員研究員.) 「一般的意見4(24条・教育)」
・臼井久実子(欠格条項をなくす会事務局長) 「一般的意見3(6条・障害女性)」
・佐藤 聡(DPI日本会議事務局長) 「一般的意見2(9条・アクセシビリティ)」
・池原毅和(弁護士) 「一般的意見1(12条・法的能力)」
○コーディネーター 尾上浩二(DPI日本会議副議長、内閣府障害者施策アドバイザー)
■報告「ニュージーランド視察報告(ダスキンミドルグループ研修)」
斉藤新吾(つくば自立生活センターほにゃら事務局長)

▶▶2日目:12月3日(日)(9:30~16:00 受付開始:9:00)
▶午前の部(9時30分~12時)
全体会「相模原障害者殺傷事件、二度と繰り返さないために私たちは何をすべきか」

■基調報告 熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授)
■パネルディスカッション
パネリスト
・鈴木治郎(神奈川県障害者自立生活支援センター)
・小西 勉(ピープルファースト会長)
・藤原 久美子(自立生活センター神戸Beすけっと事務局長、DPI女性障害者ネットワーク代表)
○コメンテーター 熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター准教授)
○コーディネーター 崔 栄繁(DPI日本会議議長補佐)

●昼食休憩 12:00~13:00

▶午後の部(13:00~16:00)分科会
分科会1.地域生活「障害福祉サービスのアクセシビリティを考える~より使いやすい障害福祉サービスを目指して~」
障害のある人の地域生活に欠かせない障害福祉サービスは、まだまだ不十分な点があるとはいえ、一定の拡充が図られてきた。しかし一方で、度重なる法律の改正や制度変更によって、制度の仕組みがより複雑化してきており、サービス利用者にとっても事業者にとっても、また行政にとっても使いにくい仕組みになっているという側面がある。現行制度をよりシンプルで使いやすい制度にすることは、利用者にとってのアクセシビリティ向上に加えて、複雑な制度を正しく使うためにかかる間接コストの解消にもつながる。本分科会では以上の視点を踏まえ、障害福祉サービスに係る様々な立場から制度のアクセシビリティについて考えていきたい。
○報告者  大津 昭夫(厚生労働省 社会・援護局障害保健福祉部障害福祉課課長補佐)、白石 清春(あいえるの会理事長)、市川 裕美(自立生活センターSTEPえどがわコーディネーター)
○コメンテーター 山下 幸子(淑徳大学総合福祉学部社会福祉学科教授)
○コーディネーター 今村 登(DPI日本会議事務局次長、STEPえどがわ理事長)
○司会 辻田 奈々子(DPI日本会議常任委員、リアライズ)

分科会2.雇用・労働「障害者の働く場の現状と課題~就労継続支援A型事業所を中心として~」
通常の企業等で雇用・働くことが困難とされる障害者については、就労機会及び生産活動、その他の活動の機会を提供することにより、その知識や能力の向上を目的とする訓練を行うために就労支援事業、就労継続支援事業(A.B)としての働く場(福祉的就労)が国の制度として位置づけられている。そして、就労支援A型事業所(以下、A型事業所)は、この間、飛躍的に増加してきた。一方、A型事業所の中には、法制度の趣旨に反して、障害者への就労支援ではなく、劣悪な労働環境と不当な人件費の抑制により、給付金・補助金により儲けている事業所の存在を「悪しきA型」として、その問題が指摘されてきた。こうした状況を受けて、厚労省は、2015年9月8日に地方自治体に対して「指定就労継続支援A型における適正な事業運営に向けた指導について」を通知した。その後、経営悪化を理由に廃業し、障害者を大量に解雇するA型事業所が相次いでいる。こうした現状を踏まえ、本分科会では、A型事業所の現状と課題を検証しつつ、障害者の働く場の確保に向けて必要な取り組みを考え行動するための一歩とする。
■報告「就労継続支援A型の現状と課題」:寺岡 潤(厚生労働省社会・援護局障害福祉課課長補佐)
■シンポジウム「障害者就労支援の現状と課題」
○シンポジスト:松井 亮輔(法政大学名誉教授)、高田 嘉敬(新生会理事長)、白杉 滋朗(企業組合ねっこの輪代表理事)、石田 長武(AJU自立の家わだちコンピュータハウス副所長)
○進行:西村 正樹(DPI日本会議副議長)

分科会3.障害女性「優生保護法が心と身体に跡(のこ)したもの〜障害女性の視点から」
優生保護法(1948〜1996)は、戦後の日本社会に優生思想を根付かせた。今年2月に日弁連は、厚労大臣に宛てた意見書で、同法が優生手術などで障害者の生殖能力を奪い、子どもを産むか産まないかの自己決定権を侵害したことは憲法違反であると指摘した。母体保護法に改正された後も、影響は残る。その中で障害女性は、産み育てること、家族形成の権利をどう捉えてきたか、自分の身体を大切に思えているかを考え、これらの権利回復のために今後どう動くべきか?を討論する。(男性でもどなたでも参加できます)
■基調報告:米津 知子(SOSHIREN女(わたし)のからだから/DPI女性障害者ネットワーク)
■パネルディスカッション
○パネリスト:佐藤 路子(仮名、優生手術被害者家族)、南雲 君江(DPI女性障害者ネットワーク)、川合 千那未(DPI女性障害者ネットワーク)
○全体司会:藤原 久美子(自立生活センター神戸Beすけっと事務局長、DPI女性障害者ネットワーク代表)

分科会4.国際協力「持続可能な開発目標(SDGs)達成と障害者の自立生活の実現」
障害者権利条約の実施状況を監視する障害者権利委員会は、第18回障害者権利委員会(2017年8月開催)において、障害者権利条約第19条「自立した生活および地域社会への包容」の条文で使用される言葉の定義や権利委員会の考え方を示した「一般的意見第5号」を採択した。そこでは、津久井やまゆり園事件に象徴されるような施設中心の政策が完全に否定されている。国連が採択した2016年から2030年までに達成すべき「持続可能な開発目標(SDGs)」のテーマは「誰も取り残さない」である。施設や隔離された環境に障害者を取り残さないために、17の目標と169のターゲットのうち関係してものは多々あるはずである。今回はこの「一般的意見第5号」の学習を通して自立生活の権利とは何かを検証し、SDGsの取り組みの中で、障害者の自立生活がどのような関連を持ち、そしてどのように推進していくことができるのかを考察する。
■報告 「障害者権利条約19条自立生活と地域社会への包容に関する一般的意見(第5号)について」
○報告者:崔 栄繁(DPI日本会議議長補佐)
■海外の自立生活リーダーによる考察「障害者権利条約19条の一般的意見に対する考察」
○報告者:Judith Heumann(ジュディー・ヒューマン) (フォード財団上級研究員)
その他、調整中
■グループワーク「SDGsと自立生活の権利に関するグループワーク」


▽プログラムの詳細はこちら

●主催、お問合せ先
認定NPO法人 DPI日本会議
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
電話 03-5282-3730、ファックス 03-5282-0017、メール office@dpi-japan.org

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