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鰐淵文部科学大臣政務官に「学校のバリアフリー」などに関して緊急要望を行いました!

2021年09月09日 要望・声明バリアフリーインクルーシブ教育

鰐淵さんに要望書を手渡している様子

9月2日「学校のバリアフリー」について、昨年に引き続き、鰐淵洋子文部科学大臣政務官に緊急要望を手交してきました。

これは、就学先の決定時期が近付いていますが、文科省の通知があるにもかかわらずエレベーターの設置に後ろ向きな学校が全国に多く、キャタピラ式の階段昇降機を付ける例も出てきている現状を踏まえたものです。

公明党の三浦のぶひろ議員に紹介議員となっていただき、下野参議院議員お二人の議員にもご一緒していただきました。DPIから副議長の尾上浩二、西尾元秀教育部会長、崔の三名のほか、今回は、当事者の声を届けたいということで東京都で中学校に通う吉竹美乃里(みのり)さんと保護者お二人の方もご一緒してくださいました。

DPIからは要望書の内容をお伝えし、文科省に相談窓口を作っていただきたい、ということを政務官にお伝えしました。要望書をご参照ください。

要望の様子

そして吉竹さんご一家からはみのりさんが、エレベーターが設置できない、という理由で希望する地域の中学校に通えず、車で20分ほどかかる中学校に通うようになったことなど、現場で起きていることをまさに当事者の声をお伝えくださいました。

そして今通っている中学校では支援員の配置など様々な配慮を受けている点などもご紹介いただきました。政務官や議員のみなさん、同席くださった文科省のみなさんには今起きている現場の声として大変響いたのではないかと思います。

政務官からは文科省からもできることはするという力強いお話をいただき、三浦議員からはうまく行っている学校にはぜひ視察したい、という大変うれしいコメントも頂きました。下野議員は教員をされていた、ということで高い関心を持ってくださっています。お世話になった方々にこの場を借りて心から感謝申し上げます。

全国で学校のバリアフリーを進めるために、これからも頑張りましょう!(写真は三浦のぶひろ事務所ご提供)

崔 栄繁(DPI日本会議議長補佐)


2021年9月2日

文部科学大臣政務官 鰐淵 洋子 殿

文部科学省に対する緊急要望

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長 平野みどり

私たちDPI(障害者インターナショナル)日本会議は全国93の障害当事者団体から構成され、障害の種別を越えて障害のある人もない人も共に生きるインクルーシブ社会(共生社会)の実現に向けて運動を行っています。

1.学校施設におけるバリアフリー化について

昨年のバリアフリー法改正を受けて、12月には調査研究協力者会議報告書「学校施設におけるバリアフリー化の加速に向けて~誰もが安心して学び、育つことができる教育環境の構築を目指して~」がとりまとめられました。この報告では「公立の小中学校等において原則全ての学校施設においてバリアフリー化がなされ、障害等の有無にかかわらず、誰もが支障なく学校生活を送ることができる環境」を「将来的に目指す姿」として掲げられるなど画期的な内容となっており、ご尽力のたまものと感謝しております。

その上で、2025年度までに、「避難所指定の全ての学校での車いすトイレの設置」「全ての学校でのスロープ等による段差解消」などと並んで、「要配慮児童生徒等が在籍する全ての学校へのエレベーターの設置」などを内容とする整備目標が設定されました。この整備目標の実現に向けて、各教育委員会に対して、学校バリアフリーの整備計画を策定し、加速化していく旨の通知文も出して頂いています。

しかし、今春、私たちに寄せられた相談では文部科学省で設定された目標や方針を理解されないまま教育委員会・学校現場の対応がなされ、障害のある本人・保護者が大きな困難を強いられる状況が明らかになっています。特に、整備目標では、エレベーターは「要配慮児童生徒等が在籍するすべての学校に整備する」とされているにも関わらず、整備に向けた検討がなされず、子どもに大きな負担のかかるキャタピラ式の階段昇降機の導入で済ませようとする事例が相次いでいます。

中部地方 中学校 車いす使用
・体育館(2F)に移動する際、外階段を利用(大人4名が車いすを持ち上げて移動)。当事者の不随意運動や、雨の日(すべりやすい)などで危険を感じている。
・エレベーター設置を求めたが、1億円かかるという理由で、キャタピラー式階段昇降機を設置された。地方等匿名(在学中)
・エレベーター設置について、通知等を示し要望するも「努力義務なので」等の理由で全く相手にされない。関東地方 小学校 車いす使用
・エレベーター設置を要望するが、階段昇降機が設置された。再度エレベーター設置を市教委に要求するが、「通知は努力義務だから」という認識。

このような状況をふまえ、以下、要望させて頂きます。

①秋に始まる就学相談などの動きに間に合うように、文科省として設定している学校バリアフリーの整備目標や方針に基づいた整備が進むよう、各教育委員会に対してあらためて周知をして頂くようお願いします。

その際、「車椅子利用など、上下階の移動に配慮が必要な児童生徒等が円滑に移動することができるよう、文部科学省におきましては、整備目標に対応するエレベーター等には、エレベーターやバリアフリー法施行令の国土交通大臣が定める構造の昇降機(※)を含める」との国会答弁をふまえ、エレベーター整備が基本であること、キャタピラ式の階段昇降機での対応は不適切である旨、十分な周知をお願いします。

※「バリアフリー法施行令の国土交通大臣が定める構造の昇降機」について、キャタピラ式の階段昇降機は含まれないとの回答を、下記の通り、2021年7月12日に国土交通省・住宅局より得ている。

質問:キャタピラ式階段昇降装置は、バリアフリー法施行令の国土交通大臣が定める構造の昇降機に該当するか。

ご回答:バリアフリー法政令第18条第2項第6号における、「車椅子使用者が円滑に利用することができるものとして国土交通大臣が定める構造」に、ご質問のような建築物に固定されていない昇降装置は含まれません。

② 要配慮児童生徒等が在籍、または在籍予定であるにも関わらずエレベーター整備を検討しないような事例について、文科省としてヒアリング、助言、指導をして頂くようお願いします。また、そうした場合に相談を受け付ける窓口を文科省に設置して下さい。

2.医療的ケアが必要な児童生徒の地域での学校の学びについて

今年3月末に厚労省から出された医療行為に関する告示により、これまで学校で行ってきた、医療的ケアの実施者等に変更があるのでは?という心配が、一部の保護者などから寄せられました。

これについて、今年4月16日に行われた衆議院内閣委員会議において、

等、従来から認められている研修を受けた教員・介護職員等によるたんの吸引等に関して変更はなく、引き続き支援を充実させる旨の答弁がありました。

文部科学省として「今後も医療的ケアが必要な児童生徒が、地域でのさまざまな支援を受け続けられ、地域の学校で障害のない者と同じ場に通い学ぶことができるよう」、支援施策の充実・自治体の実践事例の把握等を行っていただくよう、お願いいたします。

以上

▽要望書はこちらからダウンロードできます(ワード)


▽参考:オンラインミニ講座「今こそ進めよう!学校バリアフリー」(2021年2月2日)


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