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社会福祉法人グローの性暴力裁判判決を受けてのDPI日本会議の声明

2024年11月13日 要望・声明権利擁護

東京地方裁判所

2024年10月24日、東京地裁は、社会福祉法人グロー前理事長の北岡賢剛氏による性加害への賠償を被害女性2名が求めていた訴訟において、北岡氏による性加害の事実を認め、北岡氏に220万円、社会福祉法人グローに440万円の賠償を命じる判決を言い渡しました。

これを受けて、DPI日本会議では、「社会福祉法人グローの性暴力裁判判決を受けてのDPI日本会議の声明」を出しました。


2024年11月12日

社会福祉法人グローの性暴力裁判判決を受けてのDPI日本会議の声明

特定非営利活動法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議

議長 平野みどり

2024年10月24日、東京地裁は、社会福祉法人グロー前理事長の北岡賢剛氏による性加害への賠償を被害女性2名が求めていた訴訟において、北岡氏による性加害の事実を認め、北岡氏に220万円、社会福祉法人グローに440万円の賠償を命じる判決を言い渡した。

北岡賢剛氏による被害女性への性暴力・ハラスメントの訴えがほぼ全て認められた判決に、被告である北岡氏は真摯に向き合い、被害女性への謝罪と賠償に速やかに行うことを求めるものである。

DPI日本会議は、障害者権利条約の実現を目指し、他団体との連携、協力した運動や活動も強化してきた。そうした連携により、障害者差別解消法の制定や、脱施設・地域移行、報酬改定等への政策について一定の成果をあげることができてきた。しかし、その連携の中には社会福祉法人グローをはじめ、北岡氏が関わる団体や組織もあった。従って北岡賢剛氏による女性職員への数々の性暴力が長年に亙り継続してきたことには、ともに活動を進めてきた立場から深い失望と落胆を禁じ得ない。

権力や強い立場にある者による、権力に抗うことが難しい人への暴力やハラスメントはあってはならないことであり、特に社会福祉に携わる者としては、あるまじき行為であることは言を待たない。

裁判に判断を委ねざるを得なかった被害女性の心身の傷や痛みは、裁判を通じて増幅したであろうし、被告を断罪する判決が出たとしても、容易に癒えるものではないであろう。今後被害女性が更なるハラスメントに遭ったり、安全が脅かされることは決してあってはならない。

まずは、北岡賢剛氏が、自らの加害に向き合い、被害女性に謝罪し、判決に真摯に対応することを求める。

また、今般の判決では、社会福祉法人グローの組織において、「安全配慮義務違反」も認められた。よって現理事長牛谷正人氏におかれては、前理事長による性暴力・ハラスメントを黙認した組織としての「安全配慮義務違反」の責任を認め、社会福祉法人として高い倫理観を持って再発防止に取り組まなければならない。外部からも内部からも確認できる仕組みを創り、被害女性は言うまでもなく、すべての職員が安心して働くことのできる福祉の場に生まれ変わらせることを強く求める。同時に私たちDPI日本会議を始めとして、福祉分野の団体も今回の訴訟を他山の石として、自らの組織の運営等の教訓とすることが必要不可欠である。

なお、被害女性が提訴し、裁判が進められる中、DPI日本会議は判決が出るまで意見表明を控えてきたが、連携する福祉団体での性被害であることから、被害女性が障害当事者であるか否かに係わらず、早期に解決に向けて働きかけや立場表明を行うべきであったのではないかというご指摘についても、今後組織内で真摯に振り返りたいと考える。

いかなる場合においても、ハラスメントが横行する組織、黙認する組織において、障害を持つ仲間の皆さんへの安全で、安心できる支援や権利擁護などあり得ないことを自らも改めて確認するとともに、障害者権利条約の完全履行に向けて、DPI日本会議は、関係団体との健全な関係や連帯を再構築していきたい。

以上

▽社会福祉法人グローの性暴力裁判判決を受けてのDPI日本会議の声明(ワード版)


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