公明党に「障害者差別解消法の改正についての要望」を提出しました
2月15日(月)自由民主党障害児者問題調査会宛に提出した「障害者差別解消法の改正についての要望」について、同じ要望を公明党の山口代表にも提出しました。
障害者差別解消法が施行されてからも、差別的な問題は起こり、相談したくても相談窓口にすらたどり着けないといったことが起きています。こうした状況を受け、民間事業者への合理的配慮の義務化、ワンストップ相談窓口の設置などを要望しました。
令和3年(2021年)2月24日
公明党 代表
山口 那津男 殿
(一社)全国手をつなぐ育成会連合会
会長 久保 厚子
(特非)全国地域生活支援ネットワーク
代表理事 大原 裕介
(特非)DPI(障害者インターナショナル)日本会議
議長 平野 みどり
(公印略)
障害者差別解消法の改正についての要望
立春の候、貴職にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。また、貴職におかれましては、日ごろより障害のある人とない人が分け隔てられることなく、共に生きることができる共生社会の実現に向けてご尽力いただき、心より感謝申し上げます。
この共生社会実現に向けた取組みをさらに進めるため、障害者の差別の解消の推進に関する法律(以下、障害者差別解消法)につきまして、必要な改正をぜひ進めていただきたく、以下、要望させていただきます。
- 民間事業者への合理的配慮提供の義務化をお願いします。
事業者と障害者の間における「建設的対話」を促進するためにも、合理的配慮の義務化が必要です。残念ながら、サービスを受ける際に配慮をお願いしようと話し合いを求めたところ「民間事業者の合理的配慮は義務ではない。話し合う必要もない」と門前払いされた事例も複数寄せられています。
建設的対話を通じて差別を解消し共生社会を実現するために、民間事業者における合理的配慮の提供の義務化をぜひとも実現してください。
2.周知期間(施行日)は公布日から1年程度でお願いします。
現時点で障害者政策委員会に示されている資料などでは、施行期日については「公布の日から起算して3年を超えない範囲において」とされています。
しかしながら、障害者差別解消法が施行されて4年が経過し、努力義務ではありますが「合理的配慮」そのものに関する周知はなされており、義務化に関する周知として3年では長すぎます。
建設的対話を促進する上でも、基本方針等の整備も速やかに行っていただきながら、公布日から1年程度での施行をお願いします。
3.ワンストップ相談窓口の設置をお願いします。
現在は各省庁と自治体に障害者差別や合理的配慮に関する相談窓口が設けられています。しかし、実際に差別的な問題が生じた場合にどの省庁の担当か分からず、相談窓口にたどり着けないことがあります。例えば映画の場合、日本映画は文化庁、外国映画は経済産業省、映画館は厚生労働省と所管省庁が3つに分かれており、自治体職員も含めて一般の方でこれを知っている人は殆どいません。
さまざまな相談をワンストップで受け止め、必要に応じて助言したり担当省庁につないだりする窓口が必要です。事業者側にとってもこうした窓口があると非常に有益です。
4.今国会で、ぜひ障害者差別解消法の改正を実現してください。
障害者差別解消法は、国連の障害者権利条約の批准に当たって不可欠な法律として制定された、いわば「最後のピース」となった法律です。私たち関係団体も、その成立を心から喜び、大切に育てていこうと誓いました。
今般の合理的配慮義務化を含む改正は、まさに障害者差別解消法が大きく育つ第一歩であると認識しています。共生社会の実現に向け、ぜひとも今国会で障害者差別解消法の改正を実現してくださいますよう、お願い申し上げます。
以 上