名古屋市会より、国会及び関係行政庁に対し、障害者基本法改正に関する意見書が提出されました
DPI日本会議事務局次長、愛知障害フォーラム事務局長の辻です。
障害者基本法改正に関する意見書が、12月10日、名古屋市会より、国会及び関係行政庁(衆議院議長、参議院議長、内閣総理大臣、総務大臣、厚生労働大臣宛)に対して提出されました。
障害者基本法は、日本における障害者施策の重要分野について進めるべき施策の基本的な理念や方針を明らかにするとともに、施策の推進体制や方向性を定める重要な法律です。
DPI日本会議では、障害者基本法の改正に向けたタウンミーティングの開催、障害者基本法改正のDPI試案を作成しています。
■タウンミーティングの開催
2018年11月10日(土) 障害者基本法改正に向けた北海道フォーラム
2018年8月18日(土) 障害者基本法改正を目指した、ADF地域フォーラム(名古屋)
(来年は、沖縄、東京でも開催予定です)
■障害者基本法改正DPI試案
障害者基本法改正DPI試案Vol.1(2017.10.11)
障害者基本法改正DPI試案Vol.2(2017.11.24)
障害者基本法改正DPI試案Vol.3(ワード版)、(PDF版)(2018.10.3)
同法の附則第二条(検討)では、「国は、この法律の施行後三年を経過した場合において、この法律による改正後の障害者基本法の施行の状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という規定が明記されていますが、すでに7年が経過しています。
2014年1月、障害者権利条約に批准し、2016年には政府報告書を国連に提出し、国連の審査が待ちかまえています。
国連審査を前にした現在、条約に則した差別の定義、障害女性への複合的差別や精神障害者の人権問題への取組み、地域での生活や教育の推進をより明確にするとともに、条約監視という重要な役割を担う障害者政策委員会の強化が求められています。
そこで、障害当事者や家族、支援者等の幅広く意見を取り入れ、より障害者の権利に関する条約の理念に即した障害者基本法に改正するよう強く要望されたものです。
DPI日本会議では、引き続き、各地域においても基本法改正に向けた取り組みを行ってまいります。
以下、名古屋市会の意見書
障害者基本法改正に関する意見書
障害者基本法は、障害者施策に関し、基本原則を定め、国、地方公共団体等の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めること等により、施策を総合的、計画的に推進することを目的として制定された重要な法律であり、平成23年の改正では、障害者の権利に関する条約の批准に向けた国内法整備の一環として、同条約が採用する社会モデルや合理的配慮の概念が新たに取り入れられた。
しかし、障害者基本法には、障害者の権利に関する条約に規定されている差別や合理的配慮の定義、女性障害者への複合的差別に関する取り組みが明記されていないこと、「可能な限り」といった限定的な文言が随所に見られることから、これらの規定に関する法改正を求める声が障害者団体から上げられている。
よって、名古屋市会は、国会及び政府に対し、障害当事者や家族、支援者等の意見を幅広く取り入れ、障害者の権利に関する条約の理念により即した障害者基本法とするべく改正に向けた検討を進めるよう強く要望する。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
名古屋市会
衆議院議長、
参議院議長、
内閣総理大臣、
総務大臣、
厚生労働大臣 宛(各通)
(理由)
この案を提出したのは、国会及び政府に対し、障害者基本法改正に関し要望する必要があるによる。
平成30年議員提出議案第20号
障害者基本法改正に関する意見書の提出について、上記の意見書を次のように国会及び関係行政庁に提出するものとする。
平成30年12月10日提出
◯名古屋市会議員 提出者
高橋ゆうすけ、うえその晋介、山田昌弘、金庭宜雄、服部しんのすけ、西川ひざし、ふじた和秀、増田成美、さはしあご、土居よしもと、中村満、田山宏之、江上博之、岡本やすひろ、田辺雄一、斉藤たかお、成田たかゆき
以上
こんな記事も読まれています
現在位置:ホーム > 新着情報 > 名古屋市会より、国会及び関係行政庁に対し、障害者基本法改正に関する意見書が提出されました