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トヨタJPNタクシー 改善型に試乗してきました

2019年03月04日 バリアフリー

トヨタ自動車の、車椅子でもそのまま乗れるJPNタクシーが2017年10月から販売され、全国各地でも見かけるようになりました。しかし、運転手が車いすの乗降のためのスロープの設置などに時間がかかるなどの問題が出ていました。

そこで、トヨタでは、問題点を改善した新しいスロープを2種類開発しました。この2種類のスロープは、2019年3月から販売される車両に搭載される物Aと、現在、すでに販売されている従来型の車両向けに配布される物Bの2種類です。

その2種類のスロープについて、2月末に実際にトヨタ自動車で試乗してきました。

スロープの改善点

① 3月から販売される車両に搭載される新型のスロープA
○改善点
・1枚目のスロープは2つ折りにし、表と裏をわかりやすくシンプルにした

・1枚目のスロープの長さを1,100mm(旧型は750mm)に伸ばした
このスロープだけで設置できる範囲を広げ、従来であれば、マウントアップした歩道でしか設置出来なかったが、路上より少しだけ高くなっている場所でも設置できるようにしたものです。

新型のスロープAを2枚つなげたところ 1枚目は2つ折りになった。

・2枚目のスロープは、三角形のブロック型にして設置を簡略化した
折りたたむ必要がなくなりました。

・1枚目のスロープと2枚目のスロープをつないで使う場合に、1枚目の脚をなくした
2枚目のスロープはブロック型なので、そこに載せるだけで良くなりました。

新型のスロープAの2枚目 三角形のブロック型になった。

従来型の車両向けに配布されるスロープB

形状や長さなどは以前の物と同じで、3つ折りにして畳みます。2枚つないで使う時は、1つ目のスロープに脚をセットするのも従来通りです。
(従来型の車両に新型のスロープを配布しないのは、新型のスロープが長くなったため、従来型の車両の室内に収納できないためです。)

○改善点
・1枚目のスロープの脚を簡単にセットできるようにした
以前の物は、足を固定するためにフックに入れるなど、作業が煩雑でした。

・1枚目と2枚目をつなぐ固定方法を簡素化した
以前は、棒を差し込むタイプで、少しでも位置がズレるとなかなか棒が入らないものでした。

従来型の車両向けに配布されるスロープBを2枚つなげたところ

乗車時間

トヨタ自動車では、新型のスロープAでの乗車時間は3分、従来型向けに配布されるスロープBは4分としています。

これは、助手席の椅子を畳むところから始まり、車椅子を固定するところまでの時間です。この時間は、何度かこの作業を経験したことがある人の時間で、トヨタの社員など操作になれた人であれば、3分までかからないと言っていました。

新型のスロープAと従来向けの配布スロープBの1分の時間の違いは、新型のスロープAは、2つ折りで脚なし、かつ2枚目のスロープがブロック型で設置が簡単なためです。

この作業の様子の動画は、近日中にトヨタが公開予定です。

乗車可能だった車いす

今回、ほとんどの電動車いすが、乗車して前向きに回転できました。

<乗車して前向きに回転できた車椅子一覧>
・クイッキー6輪車
・ペルモビール6輪車
・レル6輪車
・クイッキーの小さめな6輪車
・クイッキーの6輪車
・簡易電動車椅子

ただし、ステップが前にとび出ている車いすは室内に入ってから前向きに回転できませんでした。

後ろに荷物を引っかけている場合も、乗車時に荷物を取り外す必要がありました。

なお、乗車するときに座高が高い電動車椅子は頭が当たるので、チルトで座高を下げて乗りました。

スロープの耐荷重量は、UD認定のレベル1なので200kgとしているが、設計上は250kgまで耐えられるそうです。

その他

その他に、運転手が助手席の椅子を畳むのを忘れたり、操作レバーの位置がわからないなどもあったため、新たに作業が簡単にわかるステッカーを作成し、新型車両には貼りました。

また、従来型向けにはステッカーを配布するなども対策も行われる予定です。

赤丸のステッカーが作業が簡単にわかるステッカー

3月から販売される車両には、新型のスロープが搭載されますので改善された新型のJPNタクシーに実際に乗って、新型のスロープを体験してみてください。

(つくば自立生活センターほにゃら 生井祐介)

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