自立生活塾2018(沖縄県自立生活センター・イルカ主催)に
ゲスト講師として参加をしてきました
2018年08月10日 地域生活
8月4日~6日に沖縄で開催した自立生活塾(沖縄県自立生活センター・イルカ主催)にゲスト講師として参加させていただきました事務局の笠柳です。
この自立生活塾は毎年開催していて、今年で3回目になります。今回は「障害があってもなくても、一緒に楽しもうよ!夏合宿」というテーマで行われました。場所は金武町ネイチャーみらい館というキャンプ場やコテージなどある施設で、ここで2泊3日の夏合宿を行いました。
この自立生活塾は様々な障害を持つ参加者とボランティアの大学生、専門学校の生徒たち、子供たちも参加をして2泊3日同じ場所で衣食住を共にします。夜は1つの部屋でみんなでざこ寝、みんなで布団を敷くスペースを探して寝ます。入りきれない人は星空のもと、ベッドやベランダへ布団を持っていって、外で寝る人たちもいました。
障害を持つ参加者は自立生活に関心があり、今回の合宿を通して介助や料理の指示などを介助者に出したり、自分でどんどん動かないといけません。ボランティアの学生たちは介助のやり方、一緒にレクを楽しむなどを通じて障害への理解、地域で障害を持つ人が暮らすということはどういうことなのかを、直接学ぶことなどを目的にしています。
この合宿の1ヶ月以上前から何回も実行委員会を開催し、参加者とボランティアスタッフが集まり、介助のやり方や、当事者主体の考え方、当日やりたいことなど検討をしてきたそうです。
当日は自立生活センターイルカの事務所から会場の金武町ネイチャーみらい館まで、4つのグループに分かれて移動をします。約40キロ離れた会場の近くまでバスで行き、そこから歩いていきます。
まずバスには一度にたくさんの車椅子が乗車をするので、運転手の人と乗車の交渉するところからこの自立生活塾はスタートとします。バスを降りてからはアップダウンの激しい坂を、みんなで「暑い!」と何度も言い、汗を拭いながら、会場まで行きました。
暑い中、ボランティアのみなさんが嫌な顔を一つせず、「何かあったら何でも言ってくださいね」と眩しい笑顔と一緒に、車椅子押してくれて、暑くて大変だったけど、みんなでワイワイ話しながら会場へ向かいました。
会場に着くと、今度はご飯を作らないといけません。それぞれが事前に決められた班に分かれて、材料や調理器具などの準備をします。障害を持つ参加者が基本的に指示出しをして、それをスタッフ、ボランティアの人たちが手伝います。1日目の夜ご飯はハンバーグ、鉄板で焼くハンバーグを50個近く作りました。鉄板でハンバーグに火を通すのが、これがまた難しい。出来上がったときには夜9時近くでみんなお腹がペコペコ。初日からとても大変だったけど、最高に美味しい晩御飯でした。
2日目、3日目と、みんなで近くの海へ行ったり、釣りをしたり、スイカ割りをしたり、花火をしたり、「楽しみながら学ぶ!」の精神で、たくさん遊び、たくさん笑い、とても良い雰囲気の合宿となりました。毎年運営している実行委員会のスタッフの方が「毎年参加をしている自立生活塾の参加者が、ここで会うたびに年々成長しているのがよく分かってそれが嬉しい」「去年はこんな事があってね。今年はこんなことが出来るようになっていてね。」と、ニコニコしながら話していたがとても印象的でした。
学生たちは、介助を必要とする障害者には関わったことが無いという人たちがほとんど(全員??)で、お風呂介助やトイレ介助は初めての経験でした。初めての経験戸惑っていた部分もあったようでしたが、時間が経つにつれて「介助お願いします!」「はーい!」というように、あちらこちらでそういった声が聞こえるようになっていました。
▽近くの川でみんなで泳ぎました
▽釣りに夢中
▽夏といえば花火
▽スイカ割り、これがまた難しい・・・
▽みなさん、とってもいい笑顔
私は当日の全体運営のサポートと、自分自身の障害の事、これまでどのように過ごしてきたのか、DPIでの仕事、海外での話をしてほしいというご依頼だったので、1時間講演のお時間を頂いて話をしました。
また、戦後続いてきた日本の社会構造が今転換期を迎えようとしていて、ここに医療の技術発展や、その他AIなどの技術発展も加わることで、地域で暮らすこと、学校で学ぶこと、働くことなど、私達の今の日常の生活が大きく変わる可能性が高いので、障害当事者がその動きをキャッチアップして、最初の仕組みづくりから障害当事者が入っていくことが重要になるなど、お話をさせていただきました。
自立生活塾は、イルカの事務所まで戻るまで続きます。また来た道を2時間以上かけて帰ります。
もうイルカの事務所に着く頃にはみんなヘトヘト。事務所についた時に、代表の長位鈴子さんがニコニコしながら「おかえり!」「大変だったね!」とアイスクリームと日焼けに効くアロエクリームを準備して、出迎えてくれました。。ボランティアの学生さんたちも、全員戻るまで事務所で全員待っていてくれて、実行委員会のスタッフがこれまでで一番良い合宿だったというぐらい、とても一体感のある雰囲気が出ていました。
最初はなんとなくみんな距離感があったけれど、最終日にはとても仲良くなっていました。今回の合宿を通じてやっぱり同じ場所で同じ時間を過ごすというのは、本当に大切なことなんだなと改めて思いました。今回の自立生活塾のような「障害のある人もない人も同じ時間を過ごす場」が特別な場所ではなくて、当たり前になるように、そういう社会を目指していくべきなんだと感じました。
今回この合宿のお話を頂いたイルカの長位鈴子さん、スタッフの皆様、当日暑い中、眩しい笑顔でたくさんサポートしてくれた学生のボランティアのみなさん、参加者のみなさんに心から感謝申し上げます。
事務局員 笠柳大輔
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