【報告】2024タウンミーティングinぐんま~インクルーシブなぐんまを目指して(キリン福祉財団助成事業)
2025年03月04日 イベントインクルーシブ教育障害者権利条約の完全実施
私たちDPI日本会議は、公益財団法人キリン福祉財団助成事業として、「障害者権利条約の審査・総括所見を活用した国内法制度整備事業」を実施しています。
国連障害者権利委員会から出された総括所見を実際の法制度の立案、改善に活用するために、総括所見の指摘内容について整理、分析し、取り組み課題の明確化を図り、総括所見の意義やその内容について、障害者団体をはじめとする市民社会に広く共有するための普及啓発を行う事業として、昨年に引き続き実施しています。
2024年度もタウンミーティングを企画し、2025年1月に大分県別府市で実施し、3月に静岡県静岡市で実施予定です。今回は2月22日に群馬県高崎市で実施した「2024タウンミーティングinぐんま」についてご報告します。
今回も全国各地から約150名の皆さんにご参加いただきました。『インクルーシブなぐんまを目指して』というテーマを掲げ、インクルーシブ教育についてのシンポジウムを企画しました。群馬県立吾妻中央高等学校から30名を超える生徒さんに参加いただき、群馬県立新田暁高等学校の4名の生徒さんはボランティアとしてイベント運営にも関わってくださいました。
まさに教育現場で毎日過ごしている生徒さんたちに参加していただき共に考えることができ嬉しかったです。(新田暁高校の生徒さんからイベントの感想をいただいているので、下部に掲載させていだきます。)
冒頭、共催した群馬県の津久井治男副知事と、後援いただいた高崎市の石原正人福祉部長からご挨拶をいただきました。
写真左:津久井治男副知事、写真右:石原正人福祉部長
また、共催したインクルーシブぐんま顧問の松本基志群馬県議会議員からこのイベントの趣旨説明がありました。
写真:松本基志群馬県議会議員
来賓として、衆議院議員/農林水産副大臣/障害者権利条約推進議員連盟事務局長の笹川博義議員、本事業を助成いただいているキリン福祉財団の大島宏之さんからご挨拶をいただきました。
写真上:笹川博義議員、写真下:キリン福祉財団の大島宏之さん
イベントの内容については、DPI日本会議の加盟団体であるメインストリーム協会(兵庫県西宮市)から参加・登壇いただいた、鍛治克哉さんから感想をいただいています。
昨年の報告で「DPIやインクルーシブぐんまなどの市民団体、知事をはじめとする行政府の皆さん、そして県議会で活動する立法府の皆さんそれぞれが、各々の立場から、持てる力や知恵を出し、インクルーシブ社会の実現に一歩ずつ進んでいければと思います。」と書きました。今回のイベントはその輪がまた1つ大きく確かなものになったと感じるものでした。
行政報告をしていただいた内閣府の古屋参事官、シンポジウムにご登壇いただいた上陽小学校の増田校長、三輪教務主任、インクルーシブぐんまの鈴木敦子県議会議員、高橋宜隆伊勢崎市議会議員ありがとうございました。
写真:シンポジウムの様子
最後になってしまいましたが、共催いただきました群馬県の皆さま、インクルーシブぐんまの皆さま、後援いただきました高崎市の皆さま、助成いただきました公益財団法人キリン福祉財団の皆さまに心から御礼申し上げます。
写真:会場真ん中から(マットゾーンをつくりました)
写真:会場後ろからの様子
メインストリーム協会の鍛治さんからの感想
みなさん、こんにちは。
インクルーシブぐんまDPIフォーラムに参加させていただいた感想を書かせていただきます。
私が今回フォーラムに参加させていただいた理由は、1月ごろに私が大阪府豊中市出身で、かつ豊中市立南桜塚小学校の橋本校長と親しくさせていただいていて日頃からよく一緒に登壇させていただいている事もあって、インクルーシブぐんまの皆さんの南桜塚小学校視察をコーディネートさせていただいた縁と、その際に私の活動拠点である自立生活センターメインストリーム協会に高橋議員が訪問していただいたことが縁となり、インクルーシブぐんまのフォーラムに来させていただきました。
シンポジウムでは指定発言として「大阪•豊中の学校で育ちました」と題して少しばかりお話しさせていただきました。
基調講演にあたるDPI日本会議議長の平野さんの話で私が強く印象に残っている事は、平野さんは中途障害者であり、障害者になってから色々差別に気づいたとおっしゃっていたり、女性であることの差別に社会人になってから気づいた、とおっしゃっておられました。
写真:平野みどり
普段から自立生活センターのスタッフとして、また障害当事者として教育の活動に携わる者として思っている事なのですが、多くの障害当事者はまだまだこの日本においては、障害当事者であるが故に分けられて育ってきてしまっている現状が多くある訳ですが、そうすると差別に気付くことすら出来ないと言う現状が多くあります。この事はいわゆるおかしいと思うスタートラインに立たされてもらっていないという話にリンクするなと改めて思いました。
次に、内閣府政策統括官(共生•共助担当)付参事官(障害者施策担当)の古屋勝史さんのお話の中で、相談窓口の中で精神障害者の方の相談が最も多いと言うお話などがありましたが、恥ずかしながら私自身このような相談窓口の存在を今まであまり意識して生活することがなかったので、改めて何事においても知る機会が大切であるということを実感しました。
シンポジウム「インクルーシブをぐんまで盛り上げるぞ」では、指定発言者として群馬の皆様ともに登壇させていただきました。モデル校になっている玉村町立上陽小学校の先生方のお話では、ローテーションで担任を回していくというお話がありました。
実際問題都市部に比べて生徒の数が少ないと言うのもあるのでしょうが、画期的な取り組みだなと思いました。高橋議員や鈴木議員をはじめ、インクルーシブぐんまの皆さんからは豊中視察においての感想や想いが述べられていました。「共に生き共に学ぶ」が実践されている豊中での様子に感銘を受けておられる様子が伝わってきました。
写真:上陽小学校増田校長(右)、三輪教務主任(左)
写真:群馬県議会議員鈴木さん(左)、伊勢崎市議会議員高橋さん(右)
写真:司会の上州Project山田さん、佐藤事務局長
私自身豊中で生まれ育ち、縁があって約15年前から兵庫県西宮市で生活し、障害者運動をしています。今現在は「最初の分離は一生の分離」の名の下、人生を一本の幹にすべく地域で生き続けていけるために教育の活動に尽力しています。活動拠点の西宮も残念ながら分離教育が当たり前の地域になってしまっています。
そんな中で日々悪戦苦闘しながらも私自身も仲間と繋がりあって、先にも触れたように人生を一本の幹にすべく教育の活動に尽力しているわけですが、インクルーシブぐんまの方々それぞれの熱い想いに共感するものがありました。
私自身登壇の中で友達と共に過ごした基礎が今の地域生活につながっているという事実や、障害ある無しに関わらず、助けて欲しい時に助けてと言える社会の重要性などをお話しさせていただきましたが、会場の方々に共感していただけて良かったです。
これからも西宮と群馬、距離は離れていますが、それぞれ日本の中であらゆる場面においても分けない、という種を共に撒き続けていきたいと心から思えた時間となりました。生まれて初めて群馬を訪れましたが、インクルーシブぐんまの今後も興味深いですし、また群馬県を訪れたいと思います。
今後とも皆さんよろしくお願いします。
新田暁高校生徒さんの感想
自分が小中学校の時にあおぞら学級のような障害を持つ子がいるクラスがあったけど、今では特別支援が必要な子だけが入る小学校があったり、授業の時間中にやめたくなったら教室を出てもいいといった授業スタイルが作られたことで障害を持つ子でも自分のペースで学べて学校に行きやすくなるような取り組みが行われていることを知ることが出来ました。
今回のボランティアで受付のお手伝いなどをしている中で、色々な方が声をかけて下さりとても雰囲気がよくて良い方ばかりだなと感じました。普段はこのように色んな方と関わることが出来ないので、またボランティアがあったら行きたいなって思いました!(小野里 レイナさん)
それぞれの障害がある方々の話をたくさん聞くことが出来て嬉しかったです!
受付の手伝いなどをさせていただいたのですがこのイベントに来られた皆さん、気さくな方ばかりでこちらも笑顔で楽しく取り組むことが出来ました!
たくさんの方とお話することも出来たのでとてもいい機会になりました!(三浦 妃晴さん)
とても大事な会に参加させていただいてほんとに嬉しかったです!自分が普段関わりの無い様な方々とか買われたことがとても嬉しかったです!今、自分たちがどうするべきなのか分からなかったことがあったけど、今回の会に参加して気づくことができました。ほんとに参加出来て良かったです!
また、この様な会に参加出来る機会があったら率先して参加したいと思います!!今回はほんとにありがとうございました。(高野 彩さん)
正直言うと、難しいお話が多かったです。でも、群馬では他県との交流をしながら障害の有無に関わらずみんなが楽しく過ごせるようなまちづくりを進めていることを知ることが出来ました。
まだまだ障害者が生きづらい社会かもしれないけど、思いやりの心を忘れず少しずつでも住みやすい地域になったらいいなと思いました。(金子 叶望さん)
以上
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