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タイ首相官邸公的部門開発委員会事務局の方が来日し、障害者雇用について意見交換をしました

2024年10月03日 雇用労働、所得保障国際協力/海外活動

タイの訪問団と岡本常任委員

9月15日(日)、日本の障害者雇用施策について調査するため、タイ首相官邸公的部門開発委員会事務局のNachakorn Rujininnatさんら3名と通訳1名がCILふちゅうに岡本直樹DPI常任委員を訪ねました。

DPI日本会議の運営や活動内容について質問があった後、岡本常任委員が用意したプレゼンテーションに基づき、先方からの質問をたびたび挟む形でインタビューが行われました。

タイの障害者は人口に対して7%で300万人程度ですが、登録障害者は200万人に過ぎないこと。障害者雇用率制度があり、従業員100人以上を雇用する雇用主(政府機関も民間企業も同等)に対し、障害者を1人以上雇用することが義務付けられていますが、多くの事業所で未達成であること。申請手続きが複雑であり、また多くの雇用主が罰金(賦課金)を払って済ませていることなど、タイの課題についての話も聞きました。

調査団からは特に、日本で問題となっているいわゆる「雇用率代行ビジネス」について特に質問が集中し、政府の施策としてどのような対応が考えられるかについて意見交換がありました。

なお、今回の訪問はタイの障害者組合の紹介で、複数の障害者関係団体に訪問しているとのことでした。

報告:浜島恭子(事務局員)

参考

■タイ王国(Kingdom of Thailand)基礎データ

(出典:外務省

雇用割当制度は1991年障害者能力回復法で導入されたが、対象事業者の範囲と規模及び拠出金不提供等の問題があり、2007年法で改定された。

(出典:西澤希久男(2012)「第4章 タイにおける障害者雇用の現状と促進策」『アジアの障害者雇用法制:差別禁止と雇用促進』アジア経済研究所)

■国際協力機構(JICA)(2021 年 2 月) 国別障害関連情報 タイ王国(PDF)

■タイ(2016年)障害者権利委員会からの総括所見、27条に関する懸念と勧告

パラグラフ53. 委員会は、障害者、特に女性の就業率が低いことを懸念している。また、障害者に対する偏見、雇用にアクセスするための訓練の機会の欠如、雇用主が障害者を採用するよりも障害者能力開発基金に賦課金を支払うことを好むことも懸念される。また、同基金の融資のうち、障害者のエンパワーメント支援に具体的に割り当てられているのは限られた額であり、公的規制によってその効果が制約されていることも懸念される。

54. 委員会は、締約国に以下を勧告する:

(a)障害者に対する偏見をなくすため、雇用者と一般大衆を対象とした啓発キャンペーンを含め、障害者、特に女性のための開かれた労働市場における雇用機会を増やすこと;

(b) 障害者の雇用および自営業の機会を促進するために、研修および能力開発プログラムを実施する;

(c) 開かれた労働市場において、支援された雇用手段へのアクセスを提供し、国家基金の透明で説明責任のある管理を確保する。

(d)障害者のエンパワーメントのために、その運営に障害者を含めること;

(e)条約第27条と持続可能な開発目標8の目標8.5との関連に注意を払い、障害者を含むすべての人のための完全かつ生産的な雇用とディーセント・ワーク、および同一価値労働同一賃金の達成を確保すること。

以上


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