盛山正仁文部科学大臣を表敬訪問しました!
2024年02月05日 要望・声明バリアフリーインクルーシブ教育
1月24日(水)、DPI日本会議の尾上浩二副議長、西尾元秀常任委員、岡部夏実事務局長補佐と崔栄繁の4名と、障害のある中学生で東京都三鷹市立第3中学校の通常学級で学んでいる吉竹美乃里さん、保護者である和宏さん、琴美さんの計7名で、盛山正仁文部科学大臣にお会いしてきました。
吉竹さんはすでに2度、文科大臣政務官表敬訪問にもご一緒し、美乃里さんの学校にも訪問しています。
▽2021年9月2日(木)
▽2023年6月22日(木)
▽2023年7月10日(月)
今回の表敬訪問は、事前に送った要望書について盛山大臣からご回答いただき、懇談する機会を持つことができました。要望書の内容は4つの項目にまとめています。要望書全文は記事末尾のダウンロードURLを参照ください。
- 障害者差別解消法の改正法の施行について
- 学校バリアフリーについて
- 「小学校及び中学校の教諭の普通免許状授与に係る教育職員免許法の特例等に関する法律」(以下、特例法)第2条を見直しについて
- ①障害者権利委員会の勧告の実施について
②2022年4月に発出された「文科省通知」について
③継続的な意見交換の場
1については、障害のない子どもと平等に就学時においても差別のない運用をお願いし、大臣からは「きちんとやります」というお言葉をいただきました。
2の学校バリアフリーについては2025年度までの「緊急かつ集中的な」整備目標の達成自治体格差の問題の解消を要望しました。大臣は「おしりをたたきます」とおっしゃってくださいました。
3については、介護実習などの大学の実習先は、大体入所施設や一定の事業を行っている法人に限られ、障害当事者が自ら運営し活動している全国の多くの自立生活センターは対象にならないことが多く、大学や学生が実習先を自由に選べない状況にあります。
これでは利用者、福祉サービスの客体としてしか障害者をイメージできなくなります。ということで、特例法を改正をお願いしたところ、この件についてはDPIも厚労省などとも協議しながら文科省と検討することにその場で調整していただきました。
4の①と②は一番の「きも」の部分で、DPIと文科省との認識は大きく違っているところで、認識の差を埋めることはできませんでしたが、今後も意見交換を続けていくことは確認しました。
また、吉竹さんからはスキー教室や修学旅行で保護者が付き添うことなく、クラスの友達と楽しく過ごす写真や友だちからの手紙などを大臣にお見せしました。盛山大臣もとても「いい写真ですね」とニコニコ顔でした。
また、美乃里さんの高校進学のために保護者がある高校に行ったところ「エレベーターは特段の理由がない限り利用できないことになっている」といわれ、あきらめたというご体験を話したとところ、それはおかしい、ということで文科省としても何らかの対応をするとの約束をしていただきました。
盛山大臣は元運輸省(今の国土交通省)の官僚をされていた方で、前の交通バリアフリー法を作った方のお一人であり、ユニバーサルデザイン社会推進法障害者問題についても大変関心のある方です。
障害者権利条約が目指すインクルーシブ教育・インクルーシブ社会の実現に向けて、期待したいと思います。DPIとしても東京大学との連携事業を進めながら、文科省とも継続して意見交換、要望等を行っていきます。
大雪で大阪から向かっていた尾上さんと西尾さんが間に合うのかはらはらしましたが(笑)、何とか無事にみんなで訪問できました。
最後に、大変お忙しい中お時間を割いていただいた盛山大臣をはじめご調整いただいた皆様、ご一緒してくださった吉竹美乃里さんと保護者のお二人に感謝申し上げます。
報告:崔 栄繁(議長補佐)