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UDタクシー乗務員研修に講師として参加してきました! 沖縄県ハイヤー・タクシー協会と沖縄県自立生活センター・イルカの取り組み

2024年01月31日 バリアフリー

手動車いすを使ってタクシーへの乗車練習を乗務員がする様子
△手動車いすを使ってタクシーへの乗車練習を乗務員がする様子

DPIの加盟団体である沖縄県自立生活センター・イルカは、昨年10月の「全国一斉行動!UDタクシー乗車運動」をきっかけに、沖縄県ハイヤー・タクシー協会と意見交換を行い、1月18日(木)にはUDタクシー乗務員研修に講師として参加されました。素晴らしい取り組みをされていますので、ご紹介いたします。


今回、私たち障害当事者でも乗れるUDタクシー(車いすでも乗れるタクシー)が全国であまり知られていないという事で、UDタクシーを知ってもらう為に「全国一斉行動!UDタクシー乗車運動」のチラシを見て活動に参加をしました。

去年の10月20日(金)、乗車運動当日にイルカから県内のタクシー会社に電話を掛けましたが、「UDタクシーは何ですか?」と返答が返ってきたり、「車いすの設置固定のやり方を分かる運転手はいますが、他の運転をやってて今は出来ない」、「ヘルパーがいないと乗せることが出来ない」と言われました。全く乗れない結果に終わったので、後日県ハイヤー・タクシー協会にアポを取って意見交換をしに行きました。

10月20日(金)UDタクシー乗車運動が全国で実施されました~沖縄県の取組み報告~

意見交換会は私たちの意見を理解してくれて、話をスムーズに進めることができました。意見交換の中で、UDタクシー乗務員研修を1月に予定しているので一緒に参加して欲しいとのお誘いを協会の方から受け、1月18日(木)に研修へ参加してきました。

研修当日は協会に所属する各タクシー会社から総勢40名の乗務員の方々が参加され、人数の多さに驚きました。

研修参加者40名の後ろにイルカのメンバーが座っている
△研修参加者40名の後ろにイルカのメンバーが座っている

午前中は協会の津波古事務局長が講師を務め、午前中の座学ではUDタクシーの種類や社会での必要性について触れられ、身体・視覚・聴覚障がい者、高齢者の対応を紹介していました。

研修座学を後ろの席で聞いている様子
△研修座学を後ろの席で聞いている様子

その中で嬉しいと感じたのは、

これらの事を「必ずご本人に確認して、ご本人に決めて頂く」という文言が協調されていたことです。決して運転手の勝手でサポートするわけではなく、決定権は乗客本人にあるのだという意識を繰り返し伝えているのを聞いて、誰でも乗りやすいタクシー作りへの希望を感じました。

午後は実際に車両を使う実習の時間です。UDタクシーの車両として多く導入されているジャパンタクシーのメーカーである、沖縄トヨタの福祉車両担当の方から取り扱いの説明を受け、イルカからの当事者3名と一緒に乗降から設置等の手順の研修を行いました。

沖縄トヨタの方がタクシーのスロープの出し方を説明している
△沖縄トヨタの方がタクシーのスロープの出し方を説明している

当事者と社内のスペースを確認しながら乗車の実習
△当事者と社内のスペースを確認しながら乗車の実習

4グループに分かれて当事者1人が付く形で実習は進み、乗務員の皆さんはひとつひとつの手順と乗客本人への声掛けを確認していきました。

はじめは不慣れな作業なので皆さん焦りながら作業をしていたのですが、「時間はかかっても良いので、乗車する時の声掛けなどのコミュニケーションを大事にしてほしい」ということを繰り返し伝えました。

どうすればよいのか分からない時は本人に聞いてくださいという言葉を聞いて、「どんどん聞いても良いんだね」と言いながら安心した表情になる乗務員さんもいました。

イルカのメンバーが実際に乗車して実習を行う様子
△イルカのメンバーが実際に乗車して実習を行う様子

車内で車いすを固定する器具の位置を乗務員が確認している
△車内で車いすを固定する器具の位置を乗務員が確認している

実際に乗車することで、乗務員さんと車いす利用者がお互い気になっている事を確認できる時間を作れたのはとても意味のある事です。

その後のグループワークでは私たち当事者も一緒に参加させてもらい、「視覚障害を持つ人が乗車する時に必要な視点は?」、「酸素ボンベを携帯している乗客が体調崩した場合の対応は?」といったテーマを乗務員の立場として、当事者の視点として様々な意見が飛び交いました。

「酸素ボンベつけている人がそもそもタクシー乗るの?」という声も出てきたりと、サポートが必要な人=車いす利用者だけではない、という意識をこれからも伝えていかないといけないなと感じました。

私たちがこの研修に参加して感じたことは、年に1回のペースで開かれていたUDタクシー研修を年に1回ではなく二ヶ月か三ヶ月に一度のペースで研修を行ったら良いのではないかということです。

また、各タクシー会社の配車オペレーターと当事者とのやり取りを実際に行う研修もあった方が、配車までのやり取りもより良いものになるのではないかということです。

私たちの最終目標は気軽に道端で「手」を挙げて乗車することができるようになることなので、今回の研修参加はその第一歩近づいたのではないかと思います。

引き続き、タクシー業界の方々と関係を作りながら、より良いUDタクシー作りに取り組んでいきたいと思います。

▽琉球新報 2024年1月21日(日)

報告:平良和希 大城亮(沖縄県自立生活センター・イルカ)


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