自民党ユニバーサル社会推進議員連盟総会が開催されました!
2023年05月25日 バリアフリー
5月24日(水)に自民党ユニバーサルデザイン推進議員連盟総会が開かれました。毎年2回程度開かれる議連で、障害者団体も出席させていただき、事前に各省庁に要望を出すことが出来ます。
石破茂会長、盛山正仁幹事長代行、大串正樹事務局長、逢沢一郎衆議院議員、笹川博義衆議院議員、高鳥修一衆議院議員、牧島かれん衆議院議員とともに10の障害者団体が出席しました。概要をご報告します。
石破会長あいさつ
3年3ヶ月振りに党本部で開催できた。障害者団体のみなさまから率直なご意見をいただきたい。困難にあっている方々の思いをお伝えいただき、解決するのが私たち議員の役割。
障害関連予算の説明
内閣府、警察庁、デジタル庁、復興庁、総務省、法務省、外務省、文科省、厚労省、農水省、経産省、国交省、環境省、こども家庭庁が出席し、障害関連予算の説明がありました。(金融庁と防衛省は書面)。
障害者団体からの要望
日本身体障害者団体連合会、日本視覚障害者団体連合、全日本ろうあ連盟、全国脊髄損傷者連合会、日本発達障害ネットワーク、障害者放送通信機構、日本障害フォーラム(JDF)、全国手をつなぐ育成会連合会、カラーユニバーサルデザイン機構、DPI日本会議が出席しました。主な要望は以下の通りです。
- 障害者基本法の見直しの議論が必要。検討お願いしたい。
- 障害者基本計画について着実に推進していただきたい。
- 障害者差別解消法の対応要領・対応指針の改定は、当事者の意見反映を。
- 鉄道駅バリアフリー料金制度がスタートしたが、整備計画やどうなったか情報を集めて提供してほしい。
- 駅無人化が進み、障害者の利用が困難になっている。
- デジタル化でマイナ保険証を使う機械が視覚障害者は使えない。セルフレジも使えない。
- 東京デフリンピックへの協力のお願い。手話言語法の策定を。
- デジタル化で便利になっているが、人が減って、機械化が進んでいる。無人だとATMのトラブル等に対応できない。
- 車いす駐車スペースに健常者が駐めて利用できない。車いすスペースは青色塗装を義務化してほしい。
- 障害者政策委員会は障害者権利条約の国内実施の重要な機関。開催し、障害者基本法の見直しに向けてご検討いただきたい。
- 物価高でグループホームの入居者の生活が悲惨な状況になっている。
- 障害児支援の財源確保をお願いしたい。
- 成年後見制度を見直し、使いやすい制度へしていただきたい。
- 障害基礎年金の見直しが必要。総括所見でも障害者団体と協議するように求められている。
- 公共交通機関は療育手帳で割引受けられる範囲が狭い。高速道路も。
DPIからの発言
- 今年度、国交省ではバリアフリートイレ・車いす用駐車スペースの基準引き上げ(現在1以上)と、劇場やスタジアムの車いす用席の義務基準の策定をしてくださることになった。2014年のこの議員連盟で、日本にはスタジアムの車いす用席の数値基準がないことを発言させていただいた。すぐに建築設計標準(ガイドライン)の追補版を作成してくださり、そしてこのたびは、義務基準を策定してくださることになった。議連の先生方と、国交省にみなさまに感謝申し上げます。
- 障害者基本法の改正をお願いします。2011年に条約批准のために改正し、昨年は障害者権利委員会の第1回の対日審査があり、総括所見が出されました。さらなる障害者施策のバージョンアップを目指し、次回審査までに法制度の改正をお願いします。まずは、12年間改正されていない障害者基本法の改正をお願いします。
議員からの質疑
- 駐車スペースに障害のない人が駐める問題。(駐めないでと)注意する根拠は法的にどうなっているか?
→バリアフリー法では、駐車場には車いすスペース確保しなければならないとなっている。自治体では条例でパーキングパーミット制度を定めている。商業施設の駐車場は私有地なので、施設設置管理者と利用者の契約になるかと思う。車いす使用者のためのスペースと周知していきたい。(国交省)
- 障害者差別解消法では、不当な差別的取扱いと合理的配慮のデータベースを作ると言っていたが、どのくらい集まっているか?
→内閣府のポータルサイトに事例のデータベースを昨年度作った。地方自治体、各省庁にご協力の下、毎年の事例を寄せて頂き、整理してデータベースに掲載している。障害種別、生活場面等で検索できる。件数はまだ多くない。(内閣府)
- 岡山のテレビ局は聴覚に障害のある方への放送のバリアフリーに熱心に取り組んでいる。手話通訳にスポンサーを付ける取り組みを実験的にスタートしている。
閉会のあいさつ 盛山正仁幹事長代行
- 省庁のみなさまには、今日、団体の皆様から出てきた要望を、他人事ではなく、自分ごととして考えて取り組んでいただきたい。各省庁ともに急にできない、様々な事情もあるが、切実な要望が出ている。高速道路料金の割引は10年くらいやってここまできた。当事者ならどう思うか、ご担当の方にお考えいただき、ご協力いただきたい。
報告:佐藤 聡(事務局長)