11月23日(水・祝)愛知、名古屋で総括所見をどのように活かしていくのか~DPIタウンミーティング報告~(キリン福祉財団助成事業)
2023年01月24日 障害者権利条約の完全実施
2022年11月23日(水・祝)愛知障害フォーラム(ADF)にて、「取り残されないようにしよう 日本の障害者福祉」~権利条約の対日審査を受けて~をテーマにシンポジウムを開催しました。
開催概要
日時:2022年11月23日(水・祝)13時~16時
会場:ウインクあいち会議室、Zoom
テーマ:「取り残されないようにしよう 日本の障害者福祉」~権利条約の対日審査を受けて~
講演:尾上浩二(DPI日本会議副議長)
シンポジウム:「愛知、名古屋で総括所見をどのように活かしていくのか」
シンポジスト:中嶋宇月(一般社団法人 愛知県聴覚障害者協会 理事長、優生保護法裁判愛知原告を支援する会共同代表)、亀沖昌睦(精神障害当事者 愛知県・名古屋市ピアサポーター)、入谷忠宏(愛知県重度障害者団体連絡協議会 事務局長)
コーディネーター:土屋葉(愛知大学文学部教授)
参加者:70名(会場25名、Zoom45名)
前半の講演は、尾上浩二さんより『障害者権利委員会による「建設的対話」と「総括所見」の意義と国内実施に向けて』をテーマに、障害者権利条約批准後の政府・国連障害者権利委員会・NGOが果たす役割と、100名が参加した「建設的対話」とロビー活動の準備~当日までの活動を報告いただきました。
■委員からの質問に対する、政府回答と実際のギャップ
- 2013年に制度改正を行い、特別支援学校か普通学校か、本人と保護者の意思に基づき選択できることとした。
→実際は、教育委員会が決める仕組み。
- 通常学級でサポートを受ける児童は10年で倍増、インクルーシブ教育も大きく進展した。
→実際は、特別支援学校1.2倍、特別支援学級2.5倍と、分離された環境が大幅に増加。
閉会挨拶 キムミヨン委員の挨拶紹介
- 日本の障害者と市民社会によるパラレルレポートが示す日本の障害者の実際と状況と、政府報告書に大きなギャップが見 受けられます。私たちは、これらの分野での解決に迅速に取り組むための具体的な改善策を見出すように、締約国である日本に強く求めます。
- 人生を通じて、権利のために一心に取り組んできた障害者と障害者市民社会団体そして家族と連絡を取り合い、連携を続けていくことを、この閉会の辞の最後に締約国である日本にお願いします。
日本への総括所見の特徴
- 脱施設、インクルーシブ教育をはじめ、政府にとって厳しい勧告が多いが、肯定的側面もしっかりと押さえている。(障害者差別解消法、バリアフリー法改正、情報アクセシビリティコミュニケーション推進法、マラケシュ条約と読書バリアフリー法、障害者文化芸術推進基本法、条約モニター機関として障害者政策委員会設置 他)
- 1~33条まで全条文に関して「懸念」と「勧告」(課題が山積み)※条文毎に説明いただきました。
- 「緊急措置」をとるべき課題 「脱施設(精神病院含む)」「インクルーシブ教育」「子ども時代の分離は、分離した社会を生み出す」(ラスカス委員)
- 医学モデル・パターナリズムから人権モデルへの転換
- 「分けた上で手厚く」という日本流対応への根本的問いかけ
■今後について、「地域から総括所見を受けた動きを」
- 各自治体で脱施設・インクルーシブ教育への取組を
- 入所施設・病院、親元等からの大幅な地域移行計画を
- 地域生活支援拠点と地域移行コーディネーター・生活体験室
- バリアフリー改造女性や住宅手当などの住まい確保策
- 原則インクルーシブ教育制度と就学拒否禁止条項
- 障害のある子どもの早期支援として保育所・幼稚園の充実
- インクルーシブ学童(学童クラブと放課後デイの合わせ技)
- 学校のバリアフリー整備計画と推進 他
後半のシンポジウムでは、「愛知県にて総括所見をどのように活かしていくのか」について、各団体の活動報告があり、登壇者の方々からは、障害当事者の参画と社会への発信が必要との報告がありました。
- 優生保護法裁判を通して、皆さんに優生思想、障害者差別とは何かを問いかける活動。
- 精神障害者の現状と一般市民全体への普及啓発活動が大切。
- アジア・アジアパラ競技大会2026に向けた地域改革と意識改革。
今回のフォーラムを通し、差別のない誰もが住みやすい社会を目指すため、障害者権利条約および総括所見について、まず私たち自身が理解し、総括所見を追い風に、行政・社会へ向け、声を上げていかなければならないと、改めて意識することが出来ました。ありがとうございました。
報告:愛知障害フォーラム(ADF)事務局一同
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