12月22日(木)自民党ユニバーサル社会推進議員連盟総会が開かれました!中央省庁から来年度事業の説明がありました
2022年12月23日 バリアフリー
12月22日(木)に自民党ユニバーサル社会推進議員連盟の総会が開かれ、DPIもお招きいただき参加してきました。
この議連は自民党の国会議員の議連で、「公共交通サービス他公共施設の利用におけるバリアフリー化の促進、社会におけるノーマライゼーションの確立に資することにより、ユニバーサル社会の形成を推進すること」を目的としています。
毎年2回くらい開かれ、障害者団体も参加させていただき、各省庁への要望も出来るというものです。この議連がきっかけとなり、2018年にはユニバーサル社会推進法が策定されたり、東京2020オリンピック・パラリンピックに向けてバリアフリー法の基準の見直しが進んだりと、とても重要な議連です。
会長は石破茂衆議院議員、事務局長は盛山正仁衆議院議員が務めてこられたのですが、このたび盛山正仁議員は幹事長代行となり、新たに大串正樹衆議院議員が事務局長に就任されました。
当日は、国会議員のみなさんとともに、12の障害者団体等と国土交通省や内閣府をはじめ14の中央省庁の担当者が参加しました。
冒頭、石破会長から「障害者権利条約は、障害者の権利を定めたものであり、実現するのは政府の義務。まだ十分ではなく、ユニバーサルな社会になっていない。障害者団体のみなさまからは、実態に即した率直なご意見を頂きたい」という力強いご挨拶がありました。
障害者団体からは、多様な要望がありましたが、9月に国連から出された総括所見を踏まえて、施策の見直しを進めてほしいという意見が多く出されていました。その後は、14の省庁から来年度事業の説明があり、主なものは以下の通りです。
- 内閣府:障害者差別解消にかかる相談体制の整備促進
- 国土交通省:地下鉄・鉄軌道駅・旅客船ターミナル・空港・道路のバリアフリー化、ホームドア整備
- 警察庁:歩行空間のバリアフリー化(視覚障害者用付加装置等)
- 総務省:字幕番組制作費助成、情報バリアフリー促進の機器開発支援、電子投票機の技術的条件の適合確認、政見放送での手話通訳の促進
- 法務省人権擁護局:人権侵害による被害者救済活動
- 外務省:政府開発援助を通じた開発途上国の障害者支援、障害者の文化芸術活動の推進
- 文部科学省:公立学校・国立大学・私立学校・社会体育施設のバリアフリー化
- 厚生労働省:意思疎通支援事業、障害者のICT機器等利用促進
- 農林水産省:農福連携対策、農林水産業・農山村におけるバリアフリー
- 経産省:ロボット介護機器開発等推進事業
- 環境省:国立公園のユニバーサルデザイン化
盛山幹事長代行からは「来春に統一地方選挙を控えており、選挙のバリアフリーの課題ついて障害者団体の方に教えて欲しい」という質問があり、障害者団体から主に以下のような回答がありました。
- 街頭演説に手話通訳者を配置して欲しいが、手話通訳者は選挙運動員になってしまう。手話通訳者は伝える役割で、その候補者を応援しているわけではない。公職選挙法に問題がある。
- 手に障害のある人等の投票所での代筆(代理投票)は、自分の介助者等にやってもらうことができない。言語障害のある人などは慣れた介助者でないと聞き取れないこともあるし、日常的に関係のある介助者が代理投票出来る仕組みが必要。
- 候補者の名前を書く自書式投票が一般的だが、知的障害の人などは書けない人もいる。候補者名が印刷されていて◯を書くなどの記号式投票が有効。すでにいくつかの知事選などで実施されている。
- 知的障害の人には分かりやすい選挙公報が必要。代理投票も写真を見せて本人から代理投票の方に伝えられるとよい。
石破会長からは「小中学校において、ユニバーサル社会のための教育が重要。電車に妊婦さんなどが乗ってくると邪魔者扱いする人もいる。私は羽田空港から品川まで車いすで行ったことがあるのだが、こんなに大変なのかと初めてわかった。子どもの時から体験することが重要。文科省に聞くとゆとり教育でやっていますと答えられるが、ゆとり教育はやっているところとやってないところがある。すべての小中学校でユニバーサル社会の教育をやるにはどうしたらいいか」といった文部科学省への問いかけもありました。
年の瀬の会合でしたが参加者も多く、国会議員のみなさんからたくさんの質問と意見が出され、予定の時間を大幅に超える活発な会合となりました。来年は、ぜひとも国連から出された総括所見を踏まえて、各省庁で法制度の点検と見直しに取り組んでいただきたいと思います。
報告:佐藤 聡(事務局長)
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