韓国の全国自立生活センター連合会(KOIL)のファン・ベクナム会長がいらっしゃいました
写真:右から2番目がファン・ベクナム会長
11月18日(金)に韓国から、全国自立生活センター連合会(KOIL)のファン・ベクナム会長がDPIの事務所にいらっしゃいました。頚椎損傷の障害当事者で、以前から日本と交流があり、日本のメンバーにも馴染みの深い方です。
コロナ禍で数年ぶりの来日ということでしたが、日本と韓国の現在の課題について意見交換をさせていただきました。
韓国では、いま「障害者権利保障法」と「脱施設法」が国会に上程されているそうです。今年の8月に障害者権利条約の2回目の審査を終えて、条約の国内実施をさらに進めるために、障害者団体等が連携して政府に働きかけているそうです。
脱施設は前大統領の公約だったのですが、大統領が代わりいまは厳しい状況だそうですが、今月末に山場を迎えるということでした。いずれも条約の理念に沿った新しい取り組みですので、今後の展開に注目したいと思います。
また、ファン会長は、これまで自分たちは身体障害の人たちだけで運動をしてきて、精神障害の人たちと協力出来ていなかったことを反省しており、いまは各地の精神障害の団体の人たちと連携を進めるように取り組んでいるということもおっしゃっていました。
KOILは、日本でいうと全国自立生活センター協議会(JIL)で、障害者の自立生活センターのネットワークです。ファンさんが会長になってからはコロナ禍で活動があまり出来なかったが、落ち着いてきたので、自分の任期中にアジアの障害者の自立生活センターのネットワークをつくり、交流を進めたいということも話されていました。
日本では、メインストリーム協会等がアジアやラテンアメリカの自立生活センターを支援し、ヒューマンケア協会とDPIが南アフリカやアフリカの自立生活センターの支援を行っていること、2017年にはアメリカのワシントンDCで、全米障害者自立生活センター(NCIL)と共催でグローバルILサミットを実施し、World Independent Living Center Networkを立ち上げたこと等をお話しました。
来年には韓国でDPIの世界大会の開催が検討されており、それに合わせてアジアの自立生活センターのメンバーが集まり、ネットワークをつくり、交流を深めたいということでした。
2020年からのコロナ禍で、海外との行き来は殆どなくなっていましたので、ファン会長とお会いするのは本当に久しぶりでした。韓国の障害者団体のみなさんが障害者権利条約の国内実施を進めるべく運動を展開しているお話を聞いて、とても刺激を受けました。日
本でも、9月に国連から出された総括所見を活用し、さらなる国内法のバージョンアップに取り組んでいきたいと思います。
事務所での写真を撮り忘れてしまったので、歓迎会の様子です。私は講演があったので参加できませんでしたが、今後の連携についてアイディアを出し合うことが出来ました。
報告:佐藤 聡(事務局長)
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