八海山ロープウェー乗ってきました! 障害者も自然とふれあい楽しめる時代へ
2022年08月29日 バリアフリー
私の故郷は、魚沼産コシヒカリで有名な、冬は3mも雪が積もる新潟県南魚沼市です。
ここに標高1,778mの八海山という山があり、4合目付近までロープウェーで登れるのですが、先日地元のNPO団体の企画があり、参加してきました。
2009年のNHK大河ドラマ「「天地人」のオープニング映像で、直江兼続役の妻夫木聡さんが急峻な山に立っているシーンがあったのですが、それがこの八海山なのです。中学生の頃にスキー場がオープンし、ゴンドラからの眺望が絶景だと話題になっていたのですが、残念ながら車いすでは乗れなかったのです。
子どもの頃から八海山を毎日見て育ったので、いつかは八海山から自分の田舎を眺めてみたいなーと思っていました。田舎に帰った時にそんな話をしていたら、ロープウェーに改修されて、車いすで乗れるようになっているよと教えてもらいました。今回、地元のNPO団体「よりそうSmile」さんが、障害者とロープウェーで登るというイベントを企画し、誘ってくださったので大喜びで行ってきました。
当日は東京から上越新幹線で越後湯沢まで行き、在来線に乗り換えて六日町駅へ。越後湯沢駅も六日町駅もエレベーターがついていて、車いすでも全く問題なし。バリアフリー法のおかげですね。地元の様々な障害のある人たち、ボランティアのみなさんと合流し、車で八海山ロープウェー山麓駅へ。ここにはバリアフリートイレもあり、少し急でしたがスロープのルートもあって乗り場まで車いすでちゃんと行けました。
ロープウェーの箱(車両?)は、80人くらい乗れる大きなもので、乗降口は段差がなくフラットで車いすでも快適。ロープウェーが動き出し、「おおー!」と言っているとどんどん見晴らしが良くなって見える見える、360°の大パノラマ最高!(かなり怖いのですが)。7分くらいで山頂駅に到着。標高1147mで、気温が5℃くらい低くとっても涼しい。
展望台に向かうルートは、急ですがスロープがあり、介助してもらいながら行けました。見晴らしは最高!この日は少し雲が出ていましたが、快晴の日は日本海や佐渡ヶ島まで見えるそうです。私の育ったまちの全景がよーく見えました。いつも下から見上げてきましたが、念願叶って、八海山から見渡す私のふるさとは、本当に絶景で、感動しました。
この日は南魚沼市の林市長も来てくれました。実は、市長は私の高校の同級生(生徒会長)なのです。バリアフリーにも熱心で、お店などのバリアフリー改修の助成制度を作ってくれたり、こういったイベントにもいつも参加してくれ、政策に活かしてくれています。夜には一緒にご飯を食べながら、次はどういう取り組みをしたらいいか話ができて、とってもありがたかったです。
日本の観光地はバリアフリー化されたところは少なく、整備されていても一部分にとどまり、障害者が自然を楽しめるところはとっても少ないのです。
2007年にアメリカの国立公園をまわったのですが、クランドキャニオン、ザイオンなどはバリアフリー整備がほぼ完璧にされていて、最初から最後まで車いすでも行けて、めちゃめちゃ楽しめたのです。DPIでは環境省に国立公園のバリアフリー化を働きかけており、その取組も少しずつ始まっています。
日本には素晴らしい観光地が沢山あります。もっともっとバリアフリー化を進めて、障害者も健常者とともに一緒に楽しめるように働きかけていきたいなと改めて思いました。
八海山ロープウェーの車両。80人乗りと大きいです。
乗口には板が出てきて、フラットになります。とても良いですね。
山麓駅から山頂駅を見上げるとこんな感じ。ずいぶん上まで登っていきます。
山頂の展望台。冬はスキー場になるためか、手すりが低くてなかなかの緊張感ありました。
我がふるさとです。私が通った学校や、実家もなんとなく見えます。ここで19歳まで育ちました。
最後にみなさんと記念撮影。様々な障害の人たち、ボランティアのみなさん、約20人が参加してくれました。皆さんのお陰で私の長年の夢が叶いました。ありがとうございました!
同級生トリオ。左が林茂男南魚沼市長。右が渡辺千恵湯沢町議会議員。みんなえらくなっちゃって。二人ともバリアフリーに関心を持って参加してくれて、バリアフリーを進めるように取り組んでくれています。同級生はありがたいな。南魚沼市と湯沢町もどんどん良くなりますよ!
報告:佐藤 聡(事務局長)