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3月13日(日)「タウンミーティングin旭川」を開催。これまでの事例から学び、インクルーシブ教育をどのように進めていけばいいか考えました

2022年03月23日 インクルーシブ教育

地球

去る3月13日(日)、公益財団法人俱進会からの助成を受け、DPI日本会議主催、北海道の旭川市の市民団体「障害児も地域の普通学級へ・道北ネット」(以下、道北ネット)共催で「タウンミーティングin旭川」をZOOM上で開催しました。

報告を平田江津子さん(障害児も地域の普通学級へ・道北ネット事務局長)に書いていただきましたので、是非ご覧ください!


今回のテーマは「障害者権利条約の動向及びともに学ぶ教育先進地の事例を知り、この地域でどう取り組むかを考えよう」というもの。

特に教育に特化し、地域の問題や課題は地域の人たちで考えたい――そんな願いが強い道北ネットの意向を受け、DPI日本会議の崔栄繁によるテーマに沿った内容の講演と、地元の人たちによるパネルディスカッション、そして全体で意見交換をするという行程で行われました。

今回来賓としてご挨拶をお願いしたのは、北海道議会議員・宮崎アカネ氏です。旭川市議会議員時代に道北ネットの活動に賛同を頂き、インクルーシブ教育先進地・兵庫県芦屋市へ行政・学校の視察へ行かれた経験があります。

北海道議会議員・宮崎アカネ氏

「当たり前の権利を、当たり前にお願いしているだけ。仕組みを変えることはタイミング。すべての方々が笑顔になれるように、まずは旭川から!」という、心強いご挨拶を頂けたことは、大変ありがたいことでした。

講演「障害者権利条約をめぐる国際的な動向と、日本各地のインクルーシブ教育実施自治体の具体的事例から学ぶ」

崔

崔さんの講演では、ユネスコのGEMレポート2000から引用し、「世界中のすべての人が持っているものは何でしょう」というクエスチョンから始まりました。

答えは「ちがい」。この言葉を聞くだけで、インクルーシブ教育の大切さがじわじわと胸に広がっていくようでした。障害者権利条約の動向を中心に、障害者権利員会や脱施設ガイドライン等の説明と、スペインのインクルーシブ教育に関する取り組みの例、日本の先進地の例を「就学通知」に関することを中心に情報提供をしてくださいました。

パネルディスカッション「旭川で、共に学ぶ教育をどうすすめていくか」

崔さんによるファシリテーターと4人の登壇者によるパネルディスカッションでは、重度知的障害を併せ持つ自閉症児である息子・カズキを3年間普通学級で担当した曽我部昌広教諭の発言から始まりました。

実際の学校生活の映像を使いながら共に学ぶ実体験が語られ、「いっしょにいる」ことによってできる友だち同士のステキな関係性がよりリアルに皆さんに伝わってきました。

曽我部先生&かず君 夕日バックに

それを受けて、旭川市議会議員・横山啓一氏は、教員時代の体験から感じる現代の教育環境の様々な課題を振り返り、「学校は関係づくりを学ぶ場である」ことを強調されました。

佐藤祐氏

CILラピタ代表の佐藤祐氏は「子どものうちから分けられるのではなく、いろんな人との関係をつくっていくことが脱施設につながる」とし、インクルーシブ教育はCILとしても今後注目していきたいと話されました。

平田永氏

最後、道北ネット代表の平田永氏は「これから必要になっていくのは、お互いに相手の立場に立った対話ができるエンパシー(能力)。これは障害の有無に関わらず、幼いころからの様々な出会いによって育まれるもの。一歩でも前進するためにあきらめずに対話を大切にしていきたい。」と述べました。

参加者と意見交換

休憩を挟んで参加者との意見交換を行いました。

まず熊本の障害児の保護者から「普通学校への入学の間口は広がっているが、その後子どもに必要に応じた支援がなされない現状がある。みんな“違う”を認めた“ゆる教育”でないと問題は残る」という問題提起がありました。

それを受け先進地・豊中市の参加者より「大阪は教育の前に人権教育がなされていた背景がある」といった発言があり、現在の課題と今後の実践についての語り合いが展開していきました。もう少し皆さんの意見を聞く時間が欲しかったという思いを残し、お開きとなりました。

今回の参加者は約50名。道北ネットが関係づくりを大切にしてきた旭川の行政機関や多くの議員さん、教員など様々な立場の方の参加がありました。

今後、道北の地の仲間みんなで、「これならできるかも!」というポジティブな発想で、建設的対話を重ねていきたい、といった希望が見えたイベントとなりました。

DPIの方たちによる運営全般、文字通訳・手話通訳の方々のご協力、誠にありがとうございました!

そして、崔さんお声がけありがとうございました。感謝感激デス!

報告:平田江津子(障害児も地域の普通学級へ・道北ネット事務局長)


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