特急車両の新たなバリアフリー対策の検討状況が公表されました! (第5回特急車両におけるバリアフリー対策に関する意見交換会)
2021年09月29日 バリアフリー
本年3月から「特急車両におけるバリアフリー対策に関する意見交換会」が開かれ、バリアフリー対策について議論されています。この意見交換会は非公開ですが、9月22日に「公共交通機関のバリアフリー基準等に関する検討会」が開催され、検討状況が公表されました。
▽特急車両における新たなバリアフリー対策について(外部リンク:国交省)
主な内容は以下の通りです。
主な議論
<障害者団体からの意見>
- 新幹線の基準と同様の考え方(座席定員に応じた車椅子スペース数等)にすべき。
- 車椅子使用者がグループで全国各地へ旅行するというニーズや、(新幹線に比べて)運行本数が少ないことから、車椅子スペースを最低限3ヶ所は確保すべき。
- 耐用年数が長い(30~40年程度)ことを踏まえて、より未来志向で検討すべき。
- この機会に、車椅子利用者にとって使いやすいコンセント位置やテーブルの仕様なども検討して欲しい
<鉄道事業者からの主な意見>
- 短編成の特急列車が走行する線区は地方閑散線区であり、繁忙期における増結運行、運行途中での分割・併合などを行って運行しているので、様々な運行形態に応じた検討が必要ではないか。
- 短編成の列車については、運転台やトイレ、洗面台等サービス設備の占める割合が高く、座席の数が相対的に少ないことも配慮すべきではないか。
- 新幹線に比べて車両幅等に物理的制約があり、座席のレイアウトには配慮が必要ではないか。
- 当該基準が適用される特急車両の定義・対象範囲について明確にする必要があるのではないか。
車椅子用フリースペースについて
障害者団体からの意見として、新幹線と同じ基準を求めていることが公表されました(500席未満は3席、500-1000席は4席、1000席以上は6席)。
議論となっているのは、2両編成や総席数100席未満の車両は、車椅子席3席はきついのではないか、というところです。特急車両は全国で1040編成程度あるのですが、このうち2両編成以下は133編成(12.8%)、総席数で見ると100席以下は71編成(全体の6.8%)あります。ここをどうするかはまだ議論が続いております。
今後
秋にトイレのモックアップテストを行い、車両内のバリアフリートイレの基準も検討します。それを踏まえて、年度内に取りまとめ、基準化する見通しです。
報告:佐藤 聡(事務局長)
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