国家公務員障害者選考試験(第2次選考)の合理的配慮に関する申入書


2019年2月14日
人事院総裁 一宮なほみ様
障害者欠格条項をなくす会
共同代表 福島智 大熊由紀子

国家公務員障害者選考試験(第2次選考)の合理的配慮に関する申入書

 障害者欠格条項をなくす会は、障害を理由とした欠格条項の撤廃をめざして、障害種別や立場をこえて活動しています。その一環として、自治体の障害者対象職員採用試験の受験資格や合理的配慮の想定状況などを調査して報告書を公開し、望ましいありかたの提言もしてきました。
 国家公務員障害者選考試験の第2次選考は採用面接試験であり、設備面と並んで、情報面、つまり音声言語による面接では平等に受験できない聴覚言語障害者の想定と合理的配慮を提供するための準備が不可欠です。それにもかかわらず、「第2次選考に係る注意事項」文書上の関連する記述は「筆談又はこれに替わる方法による面接」のみで、固有の言語である手話言語の通訳者、また文字通訳者(手話通訳者が手話で通訳するのと同様に、文字通訳者は、文字の筆記あるいはコンピュータ入力と表示によって通訳する)については一言もないこと等について大きな危惧をもち、以下に要点を述べます。
 手話言語は、読み書きされる日本語とは異なる固有の言語です。手話言語が母語の人に対して、筆談で何とかなるだろうという安易な姿勢では、受験者に大きな不安と不利を負わせ、平等な試験になりません。筆談もスキルが必要で不慣れな人の筆談では伝わりにくいことがよくあります。殆どの機関で「複数の面接官による個人面接」が予定されていますが、複数であればなおさらです。
 手話言語が母語ではない聴覚言語障害者の場合、音声言語で話す人の言葉を正確に把握して応答するには、正確に伝える文字通訳者が必要です。補聴を主としている聴覚言語障害者の場合も、音声言語の補聴のみの面接試験は、多大な負担がかかります。従って、補聴や筆談に限らず文字通訳などの視認できる方法をとり得ることが明示されなければ受験予定者に伝わらず、不利となります。
 各府省各機関の第2次選考案内を点検したところ、「面接時に希望する配慮事項」を面接予約時の連絡項目に挙げていないものが多数あります。「希望する配慮事項」は受験者に例外なく確認されなければ試験の公正性を欠く重大問題です。「第2次選考に係る注意事項」文書中の「採用面接における配慮事項の申出について」には、採用面接の申込の際に採用予定機関に面接にあたって希望する配慮を伝えるよう書かれてはいますが、問題は各機関の姿勢です。更に、予約方法を電話に限定または連絡先記載が電話番号のみの機関もあり、聴覚言語障害がある人の多くは電話では連絡できません。PDFのみで試験案内等を掲載している機関も多数で、テキストデータが提供されないと視覚障害がある人の多くは文面を正確に読むことができません。このままでは試験実施者の姿勢が非常に疑われます。
 上記のことから、次の五点を、貴院及び貴院から各府省に至急に周知徹底されるべき事項として申し入れます。
1 受験者から手話通訳や文字通訳の合理的配慮の申請があれば提供できるように、2月27日から始まる第2次選考期間にむけて、ただちに通訳者を予約して備えて下さい。
2 面接予約時の連絡項目として、「面接時に希望する配慮事項」を、必ず入れて下さい。
3 面接予約方法、問合せや連絡方法は、電話以外にも聴覚言語障害者がアクセスできる方法を必ず設けて案内に掲載して下さい。
4 試験案内や受験申込み手続きに関わる文書はテキストデータも必ず提供して下さい。
5 「第2次選考に係る注意事項」文書及び各府省の第2次選考案内に、手話通訳、文字通訳も想定していることが受験者にわかるように例示して下さい。
以上


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