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2020年バリアフリー法改正へ!
第8回バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会報告

2019年11月22日 バリアフリー

2018年に改正されたバリアフリー法ですが、11月15日に「第8回「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」が開かれ、ここで来年の通常国会で再度改正される方向が示されました。

「バリアフリーのさらなる推進に向けて」という資料で、法改正の理由を下記のように書いています。法改正の主な内容は心のバリアフリーのようです。

■法改正の主な内容

 背景:ハード面のバリアフリー化を進める一方で、使用方法等ソフト面の対応が十分ではないため、高齢者・障害者等の移動等の円滑化が阻害される事例が顕在化
 ①事業者における課題 ソフト面の対策の強化が必要
 ②国民における課題 オリパラ東京大会を契機とした共生社会実現に向けた機運醸成を受け、市町村、学校教育等と連携して「心のバリアフリー」を推進することが必要。

法改正に向けた論点は下記のように示されました。注目は、2.に示された学校のバリアフリー化と小規模店舗のバリアフリー化です。注目点を赤字で解説します。

「バリアフリー法及び関連施策のスパイラルアップに係る今後の対応の方向性(案)」

1. 心のバリアフリーなどソフト施策の推進に向けた在り方

【論点】
○ ハード面でのバリアフリー化を進める一方、ハード面の対策に加えて、ソフト対策が重要といった意見があるが、ソフト対策のあり方について、どう考えるか。

(1) 公共交通事業者など施設設置管理者におけるソフト対策の取り組み強化の在り方

【論点】
○ バリアフリー基準に適合した旅客施設や車両等について、公共交通事業者等がその機能を十分に発揮させるための施策のあり方について、どう考えるか。

○ 交通結節点における高齢者、障害者等の移動の連続性に配慮した、公共交通機関の乗継時における情報提供、旅客支援等のあり方について、どう考えるか。

→2018年法改正時に要望したことが論点に入りました。これまでは点と点での整備で、鉄道からバスへの乗り換えなど、交通結節点の整備が不十分でした。連続した整備という視点が必要です。

○ ホテル等旅行時に利用する施設については、ハード整備に加え、人的支援を含むバリアフリー情報を事前に知りたいというニーズが特に高いため、ホテルやレストランなど、観光客等が利用する施設に関するバリアフリー情報の提供のあり方について、どう考えるか。

(2) 国民等に向けた広報啓発の取り組み推進のあり方

【論点】
○ 障害者用トイレやエレベーターなどの整備を進める一方で、これら移動等円滑化が図られた施設・設備の適正な利用を推進するための施策のあり方について、どう考えるか。特に、国、地方公共団体、国民、施設設置管理者が果たすべき役割について、どう考えるか。

心のバリアフリーを含めた、ハード・ソフト一体となった面的なバリアフリー化の推進に向けて、マスタープラン・基本構想制度のあり方について、どう考えるか。

→2018年改正の柱はこのマスタープランだったのですが、残念ながらまだ10数の自治体しか策定しておりません。今後、どのように広めていくかが課題です。

 

2. 個別施設のさらなるバリアフリー化に向けた施設設置管理者等の取組促進のあり方

【論点】
○ 高齢者、障害者等の移動等の円滑化を促進する観点から、現行のバリアフリー法の基準

適合義務づけ対象の範囲のあり方について、どう考えるか。例えば、

 学校は、特別支援学級に在籍する児童生徒や通級による指導を受けている児童生徒が増加しており、また、災害時における避難所として使用されることも多いが、学校のバリアフリー化のあり方について、どう考えるか。

→ ここが大注目! バリアフリー法では、床面積2,000平米以上の特別特定建築物しかバリアフリー整備義務がありません。学校は2,000㎡以上ありますが、一般の学校は特別特定建築物に含まれていないのです(特別支援学校のみ)。そのため、全国平均で60%くらいしかバリアフリー整備がされていません。障害者権利条約の求めるインクルーシブ教育を実現するためにも、学校のバリアフリー化は不可欠です。長年、要請し続けてきたのですが、ようやく今回論点に入りました。ぜひとも、実現したい重要課題です。

 2,000㎡未満の小規模店舗や飲食店など、バリアフリー基準への適合義務がかからない建築物のバリアフリー化のあり方について、どう考えるか。

→ 小規模店舗のバリアフリー化も日本が極端に遅れている分野です。2000年の交通バリアフリー法策定から鉄道とバスのバリアフリー化は着実に進んできましたが、建物に関しては1994年のハートビル法以来四半世紀もほとんど改善されていません。事業主の負担なく整備を進めるために、DPIでは新築時に最低限のバリアフリー整備の義務化を求めており、改善の方向性を引き出したい重要課題です。

この他にも、空港アクセスバス・長距離バス・定期観光バスのバリアフリー化も課題として提起しました。この3車種は現在でも5%台と極端に整備が遅れています。

理由は、基準適用除外認定自動車として、バリアフリー化を免除されているためです。根本的な解決には基準適用除外認定自動車という仕組みを廃止させ、法の対象とすることが必要です。多くの地方空港は、市内へのアクセスは空港アクセスバスとタクシーしかありませんので、空港アクセスバスに乗れないため、飛行機は使えず、長時間の鉄道での移動を強いられているのが現状です。2018年改正でも実現できなかった課題なので、こちらも重点課題と位置づけて取り組んでいきたいと思います。

法改正以外にも、2021年以降の基本方針(バリアフリー整備の数値目標)の策定についても少し議論しました。これまで10年間の整備目標だったのですが、多くの委員から5年間への変更を求める意見が出されました。

次回の検討会は1月16日です。法改正の議論は次回で終わり、その後は2021年からの基本方針の策定に移る予定です。

▽第8回「バリアフリー法及び関連施設のあり方に関する検討会」を開催します!~2020年東京オリンピック・パラリンピック協議大会を契機とした共生社会の実現に向けて~(外部リンク:国土交通省)

佐藤 聡(DPI日本会議 事務局長)

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