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第 10 回「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」報告

2020年06月19日 バリアフリー

 6月17日、第 10 回「バリアフリー法及び関連施策のあり方に関する検討会」がオンラインで開催されました。議題は以下の通りです。

議題

1) 基本方針におけるバリアフリー整備

2) 目標の見直しについて

・中間とりまとめ(案)

3) 改正バリアフリー法について(報告)

・法改正の概要
・基本方針の改正(6月施行分)
・移動等円滑化促進方針
・バリアフリー基本構想作成に関する ガイドライン(追補版)

4) 改正バリアフリー法の施行に向けて

・観光施設の認定・情報提供について
・公立小中学校のバリアフリー基準適合義務化について
・高齢者障害者等用施設等の適正利用の推進について

当日の配布資料はこちらからご確認頂けます。(PDFデータ)

注目のポイント

 今回特に注目のポイントは、基本方針における整備目標の見直しについてです。
次期目標に関して、主に下記の項目が追加されました。

【鉄軌道】

① 3,000人以上/日の施設及び基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の施設を原則100%

② ※駅施設・車両の構造、運行の状況、駅の利用状況等に応じて、十分に列車の走行の安全確保が図れることを確認しつつ、可能な限りプラットホームと車両乗降口の段差・隙間の縮小を進める

③ ホームドアは、10万人未満駅を含む全体の番線単位の数値目標を設定

【バス】

④ バリアフリー化の指標として、運行情報提供設備その他の案内設備の設置を追加

⑤ 3,000人以上/日の施設及び基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の施設を原則100%

⑥ リフト付きバス等は、1日当たりの平均的な利用者数が一定数以上の航空旅客ターミナルのうち鉄軌道アクセスがない施設へのバス路線を運行する乗合バス車両における適用除外の認定基準を見直すとともに、新たな目標値を設定

【タクシー】

ユニバーサルデザインタクシーの導入に関する目標値を新たに設定 (2018年度末(現状):12,533台)

【船舶】

⑧ バリアフリー化の指標として、運航情報提供設備、案内用図記号による標識等の案内設備の設置を追加

⑨ 2,000人以上/日の施設を原則100% (旅客船ターミナルの、段差解消、視覚障害者誘導ブロック、案内設備、障害者トイレ)

【空港】

2,000人以上/日の施設を原則100%

【基本構想等】

⑪ 移動等円滑化促進方針の作成:移動等円滑化促進方針の作成市町村数に関する数値目標を設定(現在7自治体)

⑫ 移動等円滑化基本構想の作成:2,000人以上/日である鉄軌道駅及びバスターミナルが所在する市町村に占める割合を勘案して基本構想の作成市町村数に関する数値目標を設定(現在308自治体)

【心のバリアフリー】

⑬ 移動等円滑化に関する国民の理解と協力を得ることが当たり前の社会となるような環境を整備する

⑭ 「心のバリアフリー」の用語の認知度に関する数値目標を設定 (現状:約24%)

 上記の中で特に注目は、①と⑤の駅とバスターミナルです。2001年からの基本方針では、1日の乗降客5,000人以上の駅、2011年からの基本方針では、3,000人以上の駅と順調に対象が拡大されてきました。

今回は「基本構想の生活関連施設に位置付けられた2,000人以上/日の施設」とされており、基本構想が策定されていない3,000人~2,000人の駅は含まれません。基本構想を策定している自治体が308しかないので、果たしてこれでどのくらい対象が増えるのか非常に不安です。

国交省は、マスタープランと基本構想は住民提案で作成することができるので、ぜひ活用してほしいということでした。

 心のバリアフリーの目標については、言葉自体の認知度が低い状況のため、知って頂くことが重要と考えている。また中身の理解についても進めたいとのことでした。

DPI日本会議からの意見

・ 鉄軌道については、これまで5,000人から3,000人に引き下げ、順調に対象が広がってきた。しかし、今回は基本構想の生活関連施設に位置付けられた利用者2,000人/日以上の施設ということだが、基本構想を策定している自治体が少ないので、どのくらいが対象となるのか心配。バスターミナルにおいても同じ。対象駅、ターミナルがどのくらいあるのか。

・ プラットホームと車両の段差・隙間解消については、項目を設けて数値目標を定めてほしい。2019年に目安値が定められてから、各社が段差解消に取り組みはじめた。これをより一層広めるためにぜひ数値目標を。

・ UDタクシーについては、地方の事業者は中古車を購入することがあり、UDタクシーが普及しないのではないか。特に地方での普及を後押しして欲しい。

・ 公立小中学校のバリアフリー化の実態をぜひとも公表して欲しい。

その他の委員からの主な意見(一部抜粋)

・ UDタクシーについて運転手とのコミュニケーションに筆談や文字でのやり取りができるようにして頂きたい。

・ 音響式信号機について。様々なタイプがあり、どのようなタイプが今後整備されるのかわからないためタイプ別に載せて欲しい。

・ 心のバリアフリーを入れて頂いてありがたい。認知度だけでは足りないので社会モデルの概念とのずれがないように研修や体験の数値目標も入れて頂きたい。

・ ターミナルビルの案内サインや表現を統一して頂きたい。

・ 基本構想、マスタープランをいかに充実していけるか。さらに一歩強化できるような具体策が必要。

・ 基本構想、マスタープランの策定について自治体のやる気を引き出す必要がある。人材育成をどのように進めていくのか。

 また、改正バリアフリー法の施行については、ホテル、飲食店、観光施設等のバリアフリー情報提供のあり方について議論されました。DPI日本会議からは一般の情報サイトに、ホテル、飲食店等のバリアフリー情報がほとんど載っていない。
積極的に掲載するように観光庁から働きかけて頂けるよう要望しました。その他の委員からは、多機能トイレの機能分散や心のバリアフリー、車いす用駐車場の適正利用について等の意見が出ていました。

 今後、中間とりまとめについては座長一任となったため修正の上、国土交通省のウェブページにて公開される予定です。また、次回検討会は年内に開催される予定です。

報告:工藤 登志子(DPIバリアフリー部会)

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