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成田空港 ANA(全日空)飛行機への車いす積込み視察報告

2017年10月13日 バリアフリー

飛行機に搭乗する際、電動車いすはどのように積み込まれているのかずっと気になっていたのですが、なかなか見る機会がありませんでした。今回、全日空のご協力を得て実際に積み込む様子を見学させていただけることになり、DPIバリアフリー部会で9月29日(金)に成田空港に行って参りました。
 
当日は、チェックインカウンター⇒大型荷物検査場⇒保安検査場⇒搭乗ゲート⇒電動車いす積み込み⇒機内⇒入国審査⇒荷物受け取り という一連の流れを全て見学させて頂き、意見交換をすることが出来ました。
私たち車いすユーザーは、飛行機にのる時も出来る限り最後まで自分の車いすに乗っていたいのですが、航空会社や空港によってはチェックインカウンターで航空会社の車いすに乗り換えを求められることがあります。なぜ、ここで乗り換えないといけないのか、その後、電動はどういう流れて、どういう方法で積み込まれているのか、ということが今回の視察のポイントでした。

●シップサイドで電動乗り換え⇒積み込み
今回、全日空では、搭乗ゲートか飛行機に乗る手前(シップサイド)で車いすを乗り換えました。ここで電動車いすは、バッテリーの電流を遮断し(コネクターを外す等)、空港職員にお渡しします。ここからが普段見られないところなのですが、電動車いすはスポット(搭乗橋)のエレベーターで地上に下ろし、コンテナに積み込みます。
 
コンテナに積み込む作業の流れは、①フォークリフトに電動を乗せる(スロープで)⇒②フォークリフト上げ、台車に乗ったコンテナと同じ高さにする⇒③コンテナに電動車いすを移す⇒④固縛(ベルトで車いすをコンテナに固定する)という流れでした。
今回見せていただいたコンテナはボーイング777や787に乗せるもので、一般的なサイズだということでした。高さも十分で大型の電動車いすも十分乗せられる大きさでした。大きな機材(B777、B787はコンテナを使い、小型の機材(B737、それより小さいもの)は直接積み込むそうです。
 
LCC各社が使っている機材はほとんどがエアバス320なのですが、ANAグループのピーチやバニラエアはコンテナを使わずに直接積み込み、床にベルトで固定しているそうです。A320は小さめの機材なので、荷物を乗せるスペースが狭く、乗せられる車いすの高さは100cm程度だそうです。同じA320でも、全日空の機材はコンテナを使うので、高さは最大95cmまでということでした。重さは特に制限はなし。

ベルトでの固縛はとても丁寧にやってらっしゃいました。ベルトで車いすとコンテナの床や側面を固定するのですが、車いすにベルトがあたる部分は厚めの紙を挟むなどして、車いすに傷がつかないように配慮されていました。車いすによっては固定が難しいものもあり、時間がかかる場合があるということでした。私の電動車いすには、固定用の取り付けフックがついてないのですが、これは必要なものだなとよく理解できました。

●まとめ
1. スポット(搭乗橋)にエレベーターが必要 成田空港は今後増設予定
・ スポットにエレベーターがあるかどうかが、シップサイド乗り換えを可能にする重要なポイントでした。
・ 成田空港は、現在はエレベーターのあるスポット(搭乗橋)はほとんどないそうです。 エレベーターのないスポットで乗り込んだ場合、近くのエレベーターのあるスポットに電動車いすを持っていくなどして 、そこから下ろします。そのため、近くにない時は結構時間がかかるということでした。
・ この問題点を成田空港会社も認識しており、今後数年かけてスポットのエレベーター整備を実施していく ということでした。
2. 電動車いす積み込み
・ 今回の視察では、職員が電動車いすを手で持ち上げるという場面はなかったのですが、どういう時に持ち上げるか聞いてみました。
・ 100kg程度ならコンテナに積み込む時2-3人で持ち上げる時もある。そのほうが早い。
・ コンテナを使わない機材の場合は、ベルトコンベア(機内に荷物を運ぶもの)に乗せるときなどに手で持ち上げるときがある、ということでした。ほぼ、ここだけのようです。

この他にも機内での座席への移乗、呼吸器ユーザーの搭乗等様々なことについて意見交換をさせていただきました。大変素晴らしい機会を頂いた全日空と成田空港会社に感謝申し上げます。

(事務局長 佐藤 聡)

【ANAからのお願い】
・ 成田空港以外の国内空港及び海外空港でも搭乗橋に荷物用エレベーター施設がある空港は多くありません。それ故に、こと大型で重量のある電動車いすの航空機への十分な搭載作業時間の確保は、航空機の定時出発のために、必要且つ大切な要素であります。
物理的に可能な場合はできるだけお客様のニーズに合わせた形での取扱いを心がけておりますが、前記のような設備要件から、空港によっては、お持ちの車いすのカウンターでの受託をお願いする場合がありますので、ご理解、ご協力をお願い致します。
・ 電動車いすの場合、空港での航空機搭載時の危険物としてのバッテリー確認及び絶縁作業等が必要です。そのため、バッテリーの容量、バッテリーの取り外し可否や絶縁措置方法など取扱い方をお客様へお尋ねすることもございますので、予めメーカーへご確認頂くか取扱説明書等をお持ちでございましたらご用意いただくことで、空港での手続きがよりスムーズに行えますのでご協力お願い申し上げます。

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