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参院本会議場傍聴席に新設された車いすスペースを視察してきました。

2018年10月02日 バリアフリー

2018年9月27日、参院本会議場の傍聴席に新たな車いすスペースが完成し、DPI日本会議事務局次長の白井、バリアフリー部会の工藤が視察に行ってきました。

参院本会議場の傍聴席は演壇に向かって正面の2階後部にあり、既存の車いすスペースは傍聴席の最後列に4台分あります。しかし、既存の車いすスペースには床から約110㎝の高さに手すりがあり、車いすの高さからは視界が遮られて演壇が全く見えない状況でした。
施行担当者によると、傍聴席は勾配がきつく、国会見学に訪れた子どもたちが誤って転落しないように手すりを設けているそうです。また、施行当時の1978年は座面の低い手動車いすが主流だった事から、手すりの下から見ることを想定して約110㎝の高さで設置されていました。その後、時代の流れとともに全体的に座面の高い車いすが増え、電動車いすも普及してきた事から、施行当時のままでは現実にそぐわないものとなってしまいました。

既存の傍聴席。下階の演壇を見下ろす際に手すりが視界を遮っている。 既存の傍聴席。下階の演壇を見下ろす際に手すりが視界を遮っている。
写真:既存の傍聴席。下階の演壇を見下ろす際に手すりが視界を遮っている。

今回新たに作られた車いすスペースは、演壇に向かって左手の2階にある外交官席の最後列の一部を固定椅子のないフリースペースにし、車いす4台分が入れるようになっています。実際に着席してみると、車いす4台でゆったりめで手動車いすのみであれば5台は入れそうでした。
また、課題となっていたサイトラインについては、手すりを取り払い、転落防止のための壁は床から約70㎝までとしたことによって、視界を遮られることなく傍聴出来ました。外交官席は既存の傍聴席よりも勾配が緩やかなため、この高さでも安全は確保出来るとのことでした。今後は、新設された車いすスペースへ優先的に案内し、人数に応じてこれまでの車いすスペースも併用していくとの事でした。

新設された車いすスペース。手すりがないため圧迫感がなく、視界も良好。 新設された車いすスペース。手すりがないため圧迫感がなく、視界も良好。
写真:新設された車いすスペース。手すりがないため圧迫感がなく、視界も良好。

新設された車いすスペースからの眺め。
写真:新設された車いすスペースからの眺め。

今回の車いすスペース増設でもう一つ改善された点があります。それは、入り口から傍聴席までのアクセスルートです。これまであった車いすスペースへ行くためには、車いす使用者のみ別ルートでの案内となっていたため、歩行者も含めた複数名で傍聴に行くと、車いす使用者だけが別行動になってしまっていました。しかし新たな車いすスペースは一般ルートと同じルートで行けるため、途中で別れることなく、一緒に行動できるようになりました。

傍聴席へ繋がる一般ルートのエレベーターは上の写真の階段上にあり、車いす使用者は別の専用ルートを通らなければいけなかったが、新設された車いすスペースは共通のルートで行く事が出来る。
写真:傍聴席へ繋がる一般ルートのエレベーターは上の写真の階段上にあり、車いす使用者は別の専用ルートを通らなければいけなかったが、新設された車いすスペースは共通のルートで行く事が出来る。

■視察を終えて(感想)
私が既存の車いすスペースのサイトラインの問題を知ったのは、今年5月の改正バリアフリー法に際して傍聴に行ったことがきっかけでした。目の前で国会審議が行われている中、いまいち傍聴に参加できていないような気持ちになったことを覚えています。
バリアフリーとは、ただそこに行ければ良いのではなく、行った先で完全参加できてこそだと思いました。それからすぐに改善の要望を伝え、半年後にはサイトラインが改善された車いすスペースが新設されました。要望を伝えた時、担当者の方はサイトラインについてじっくり話を聞いてくださり、改修の際に意見を取り入れてくださいました。
当事者でなければわからないことを大切に聞き取ってくださり、良くしていこうという姿勢はとても嬉しく感じました。それと同時に、小さなことでも当事者の声を発信していく事の意味を実感しました。今回の改修工事に関わった皆様へ、この場を借りて感謝申し上げます。

尚、今回の改修工事について、9月28日付の東京新聞に取り上げて頂きました。こちらからご覧頂けます。

工藤登志子
(自立生活センターSTEPえどがわ/DPI日本会議バリアフリー部会)

 

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