障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP)のご紹介

2017年11月17日 インクルーシブ教育

DPI日本会議常任委員、DPI教育部会の海老原宏美さん(CIL東大和理事長)から、自ら代表として活動されている「東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP)」について、ご自身のインクルーシブ教育への想い、TIPの活動について執筆頂きました。

これまで学習会を定期的に開催しており、DPI日本会議も何度か学習会の講師にお招き頂いています。第4回目の学習会は12月10日(日)13時30分~16時30分@武蔵野芸能劇場小ホールにて、DPI日本会議の崔栄繁が講師として、「障害者差別解消法」の学習会に登壇しますので、ご興味、関心のある方は、ぜひご参加下さい。

▽第4回目学習会の参加申し込み、詳細はこちら(TIP Facebook)

「インクルーシブな社会を築いていくためには、まず教育から変えなくてはいけない」、この想いに強く共感をします。今後のTIPの活動にご注目下さい!


私は、15年間、地域で障害者の自立支援や権利擁護活動を通して「障害のある人も、障害のない人と対等に暮らせる社会創り」を行ってきました。でも、いつまでたっても、社会の中での、障害者に対する差別や偏見は無くなりません。そのうち、その原因は、「障害者を知らないことから来る先入観だ」ということに気づき始めました。そして、なぜ知らないのか、を突き詰めていった結果、保育園、幼稚園、そして小学校に就学する時点で、分離されてしまっているからだ、と気づいたのです。

「障害者に対する差別をなくしていく一番の近道は、学校で、ともに学び、ともに生活することなのでは!?」と思った私は、とある縁でつながった地域の障害児たちの、地域の学校への就学支援を始めたのです。
しかし、その支援活動で分かったことは、「地域の学校が障害児に対してどういう対応を取るかは、すべて校長裁量だ」ということでした。校長の考えや価値観次第で、障害児はどうにでも排除されてしまうのです。

障害者差別解消法も始まり、公立学校は「障害による差別禁止」も「合理的配慮の提供」も「義務」になったはずなのに、なぜ!?
これは、自治体ごとの支援活動や交渉だけでは足りない!東京都教育委員会に対し、最低限の基準を設けて各自治体の学校への通達を出してもらうよう働きかけなければ!

そう強く感じたことで2017年6月に立ち上げたのが「東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP)」です。

画像:TIPロゴ

今までもインクルーシブ教育運動はありました。でも、その多くが学校の教員や親たちによる運動であり、また、障害児を通常学級に入れることを趣旨とした運動だったと思います。TIPの特徴は「インクルーシブ社会の実現への戦略としてインクルーシブ教育を推進していく」ために「障害当事者が中心となって」「政策提言していくこと」を主眼としているところです。

インクルーシブ社会に生きることは、障害者の権利です。そして、インクルーシブ教育を受けられることも、障害児にとっての権利です。しかしなぜか、地域の通常学級を選ぶかどうかという時「本人が行きたがっているかどうか」「授業にはついていけるのかどうか」「いじめられないか」などが議論になってしまいがちです。

地域の健常な子どもたちが就学の年を迎えた時、「本人が行きたがっているかどうか」「授業にはついていけるのかどうか」などを問われますか?そんなことは関係なく、その歳になったら何もしなくても就学通知が届き、とりあえず、何も考えずに地域の学校に行けますよね?なぜ、障害のある子だけが、障害のない子と異なる選択を迫られなければいけないのでしょうか?もし、その子が授業についていけないのであれば、学校側が、その子に合ったカリキュラムやプログラムを工夫すればいいことです。そして、その様な対応を求める権利が、障害のある子やその家族にあるわけです。その権利を保障するために、権利条約や差別解消法ができたはずです。

「就学期にある家族や支援者がその様な権利意識を持たなければ、この運動は失敗する」と思ったことから、まずはTIP定例会として、権利条約や障害者差別解消法の学習会から始めています。

今までの活動実績は以下の通りです。

■第1回 2017.6.11(日)14:00~@阿佐ヶ谷地域区民センター
TIP発足会。東大和教育プロジェクトの事例報告の後、会の趣旨、目的、活動の方向性などを確認しました。

■2017.7.2の都議選に対して、公開質問状を提出しました。(TIP Facebook)

■第2回 2017.7.30(日)13:00~@セシオン杉並
バクバクの会「風よ吹け!~未来はここに~」の上映会とトークの公開TIPを行ないました。DPI日本会議の尾上浩二さんをお招きし、ご自身の生い立ちの中でのインクルーシブ教育体験を踏まえた上で、内閣官房が出した「心のバリアフリーUD2020」について学習しました。

■第3回 2017.10.29(日)13:30~@西荻南区民集会所
障害者権利条約を学び「一般的意見4」を理解しようを開催。
DPI日本会議から、尾上浩二さん、崔栄繁さんをお呼びし、 障害者権利条約の教育条項である第24条を中心に、しかし、第9条・21条のアクセシビリティ、第14条の身体の拘束、第12条の法的能力、第19条の地域生活条項、等とも絡め合いながら、インクルーシブ教育はインクルーシブ社会構築への不可欠な要素であり戦略であるという事を学びました。 また、第24条の国連解釈文である「一般的意見4」から、「インクルーシブ教育」「合理的配慮」などの具体的な定義についても理解を深めました。

そして第4回は、2017.12.10(日)13:30~@武蔵野芸能劇場小ホールにて、再び崔栄繁さん を講師に迎え、「障害者差別解消法」の学習会を開催します。

▽参加申し込み、詳細はこちら(TIP Facebook)

■第4回学習会テーマ:差別事例報告~「障害者差別解消法」※敬称略
1.差別事例報告 吉竹琴美(重度心身障害児の親)
2.「能力」について 池田賢市(中央大学教授)
3.障害者差別解消法 崔栄繁(DPI日本会議)

○日時:2017年12月10日(日)13:30-16:30
○場所:武蔵野芸能劇場 小ホール
JR中央線 三鷹駅北口 徒歩1分
○会費:300円

また同時に、障害当事者会というものも隔月で開催し、TIPがどの様なインクルーシブ教育像を据えていくのか、何をもってこの活動のゴールとするのか、などを絞り込んでいく活動も行っています。

TIPは、教育上の障害者差別に対する障害当事者の想いを中核に、障害を理由として地域の学校から排除されない仕組みを東京都内で実践し、東京都の教育を障害者権利条約に謳われている水準まで引き上げていこうという団体ですが、この当事者会に限っては、全国からの参加を受け入れたいと思っています。ぜひ、TIP当事者会で、ともに「インクルーシブ社会とはどんな社会なのか」「その実現にはどういうインクルーシブ教育を推進していくべきか」「そのためにはどんな仲間と、どんな活動をしていけるのか」などを議論し、自分たちの住む地域で、同じような実践をリードしていただきたいと思います。

自分たちの住む地域を変えていくのは、自分たちです。Lead On!

東京インクルーシブ教育プロジェクト代表
自立生活センター東大和理事長
DPI日本会議常任委員、DPI日本会議教育部会委員
海老原 宏美

▽東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP) Facebookページ

▽東京インクルーシブ教育プロジェクト(TIP) ブログ

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