4月22日の障害者政策委員会で「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果」が出されました
2019年05月08日 障害者権利条約の完全実施
DPI日本会議の佐藤聡事務局長が委員の一人を務める、内閣府の障害者政策委員会が2019年4月22日に開催されました。
今回委員会の傍聴をされた、つくば自立生活センターほにゃらの生井祐介さんに、障害者政策委員会の中で報告された「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果」を中心に、下記報告を頂きました。
第43回内閣府障害者政策委員会について、簡単に報告をします。
今回は、内閣府が差別解消法や各地の条例について、地方自治体向けに調査した結果の報告があり、それについての寺本参事官からの説明と、委員からの質問で終了しました。
詳しい説明や質問については、内閣府障害者政策委員会のウェブサイトに動画が公開されておりますので、下記ご覧ください。
▽第43回内閣府障害者政策委員会の動画
▽障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果
PDFデータ、テキストデータ(外部リンク:内閣府)
上記、地方公共団体への調査結果の中で、私が特に気になった点をいくつか列挙します。
(下記資料データ:「障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果」より抜粋)
①職員向けの対応要領(差別の禁止、合理的配慮の提供に関して、職員が適切に対応するための要領)については、策定済みが72%となっており、対応要領の作成は進んでいることがわかりました。
②地域協議会(支援が効果的、円滑的に実施されるよう関係機関により構成される組織)が設置されているのは、共同設置済み・設置予定を含めても、60%に留まっています。
③平成29年度の地域協議会の開催実績が0回だったのは25%、さらに、障害当事者であり女性の構成員の割合が0%だった地域協議会が74%に上っているのは、驚きました。一方で、審議方法として、活発な意見交換ができるように、グループに分かれて討議を行っているなど工夫していることがわかりました。
④事業者・住民による合理的配慮の位置付けでは、一律に義務が18%あり、現在の差別解消法に上乗せされており、合理的配慮の提供が広まることが期待できる数字であると思いました。
⑤相談・紛争解決では、相談件数のカウント有無で、46%がカウントしていないと回答しており、相談してもそれが記録として残されていないとのことであり、次に同じことが起こらないようにすることにつながらないことは残念だと思いました。
⑥相談の対応方法では、相談者の発言を否定しない事や、上手に話を引き出すことを大切にいているという点は、良い対応だと思いました。
その他にも、多数の細かな調査報告が書かれていますので、ぜひ、ダウンロードしてご覧ください。
▽障害者差別の解消に関する地方公共団体への調査結果
PDFデータ、テキストデータ(外部リンク:内閣府)
次回は、今回国に先駆け事例の分析や検証などを行っている大阪府の担当者に報告を依頼したいとのことでした。時間のある方は、是非、傍聴してください。
また、今回と同じように、後日、動画も公開されますので、傍聴できない方は、そちらをご覧ください。
(つくば自立生活センターほにゃら 生井祐介)
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