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障害者相談支援センター「輪っふる」を訪問しました

2018年01月26日 権利擁護

兵庫県西宮市で精神障害者への地域生活支援等を行なっているNPO法人ハートフルの相談支援事業所「輪っふる」さん(以下、輪っふる)にDPI日本会議事務局の白井と鷺原が訪問し、センター長の角野さん、スタッフの藤原さん、西宮市健康福祉局生活支援部生活支援課課長の宮後さんから取り組みについてお話をうかがいました。

▽障害者相談支援センター「輪っふる」

まず、角野さんから地域移行支援事業について、その歴史的背景と意義をお話しいただきました。そもそもの法律の根っこが、在宅での私宅監置を合法化した1900年の「精神病者監護法」であることを指摘し、治安維持のための法律であると説明をしてくれました。これは、先の国会で廃案になった精神保健福祉法「改正」案に通じるものがあるように思えました。時代は変われど、私たち精神障害者に向けられる視線は本質的には何も変わっていないのかもしれません。1968年には「クラーク勧告」という日本の精神医療への重大な提言(政府に対する勧告、精神病院の改善、精神病院の統制、健康保険制度、アフターケア、リハビリテーション、専門家の訓練の7分野に及んだ勧告。これが履行されていれば現在のような長期入院の問題は防げたかもしれない)が出されたにもかかわらず、当時の厚生省はそれを受け入れませんでした。

輪っふるは、西宮市地域移行推進事業を市と協働して行っており、官民一体となって精神障害者の支援に取り組んでいます。長期入院精神障害者を取り巻く厳しい環境がある中、地域移行がなかなか進まない要因として、地域移行支援の個別給付化・地域相談支援事業所の不足・地域の受け皿不足(賃貸住宅の貸出拒否など)が挙げられます。そういったことに対して輪っふるでは「障がい者地域移行支援セミナー」と題して地域の不動産業者の方を迎えてイベントを行うなどの啓発活動もされています。

西宮市精神障害者地域移行推進事業は、①聞き取り調査(1年以上の入院患者の面会対象者リストを協力病院と作成、行政と相談支援事業所がすべての対象者への面会を行い、病院職員から情報提供を受け、支援方針等を話し合う)②聞き取り報告会(①を踏まえ、行政と相談支援事業所で支援方針の検討を行う)③地域移行推進会議(病院職員・行政・相談支援事業所が一堂に会して具体的な支援方針の最終確認を行う)④病院内プログラムの提供⑤研修・啓発(地域移行推進事務局会議)、主にこの5つ柱で展開されています。病院へ訪問し、丁寧に入院患者さんと信頼関係を築き、地域移行に向けた支援をされています。輪っふるのスタッフの中にはピアサポーターが位置づけられており、他のスタッフとの協働によって活躍されているそうです。

輪っふるのような積極的かつ先駆的な取り組みをされている事業所を訪問し、お話をうかがう中で、精神障害当事者として(障害の経験者として、そして精神医療ユーザーの一人として)自分に今後何ができるのかを改めて考える貴重な機会となりました。

(事務局 鷺原由佳)

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