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車いす利用者が料理教室の体験レッスンに参加できなかったご相談
~差別解消法の窓口を通した相談・調整の事例~

2017年11月08日 権利擁護

DPI日本会議の障害者権利擁護センターでは、電話やメールで障害に関する様々な相談をお受けしています。ここでは、センターに寄せられた相談の中で、障害者差別解消法に定められた相談窓口を利用し、問題が解決に向かった事例を、相談者の了承を得てご紹介します。

■相談の概要
身体障害があり、電動車いすを利用している女性から相談を受けました。ある料理教室の体験レッスンに申し込みをしたところ、「規定により車いす、杖を使用している方は参加できないことになっている」と断られたということでした。料理教室側は拒否の理由として、車いすでの移動の困難さと安全面を挙げ、具体的には鉄板を持つ、お皿を持つ、包丁を持つことがあることなどを挙げました。相談者からは、日常調理をしていること、自分が見た範囲では広さも十分で、安全に行えると判断していることなどを伝え、また、「規則でそうなっている」とのことなので、確認の上、規則の写真も撮らせてもらったそうです。後日、体験レッスンには参加可能という回答がきました。

この料理教室が全国チェーン展開しているため、今後も同じように参加を断られる人が出ないように、相談者は、本社にも今回の経過を連絡する旨をその料理教室に伝えました。相談者が後日、本社のお客様相談係主任と「御社としての考えや今後の対応を聞きたい」と伝えましたが、お客様相談係としてあくまで当該店舗での対応が悪かったと考え、会社としては責任者が対応することはない、ただし国からの要請があれば対応するとの回答がありました。

■DPIの障害者権利擁護センターへ相談、やり取りの詳細、結果について
相談者から相談を受けた障害者権利擁護センターでは、内閣府障害者差別解消法相談窓口に連絡しました。所轄は経産省で、対応までに時間がかかりましたが、最終的には経産省産業人材政策担当を紹介され、経緯を伝えました。結果、サービス政策課担当者が料理教室の担当者から事情を聴取したとの通知がありました。それに対し、以下のような相談者の希望を伝え、直接会って双方で話し合う場を調整してもらいました。

相談者からの希望は、
・今回の対応について、本社からきちんとした謝罪がほしい
・全国のスクールに障害者の受け入れについて、再度、周知し、その周知文章を見せて欲しい
・本社、スクールで障害のある方をどのように、利用してもらうかの研修などを障害当事者団体を入れた形で実施してほしい
というものでした。

後日、料理教室の本社の総務マネージャーと販売促進担当の2名が相談者のもとを訪れ、謝罪と同社が検討している今後の再発防止計画について、以下のことが報告されました。
・人権啓発の学習のプログラムに障害者差別に関するPC講座を設け、スタッフに受講を義務付ける
・全支店の代表会議で、報告し、今後は同様の問題が起こらないよう努める
・エリア毎にも全職員に伝わるよう研修を開催していく

こちらからは、以下の内容を伝えました。
・まずは「みんな入学してもらうこと」を前提として、それを可能とするために合理的配慮を行っていく必要があるということ
・障害者に対する合理的配慮の提供のために、料理教室の利用について、会社として、きちんと当事者と話しあった上で、どういう配慮ができるのか・できないのかについて、お互いに納得していくことが重要であること
・障害に関する研修については、障害当事者団体にもきちんと意見を聞く必要があること

今回は、差別解消法の窓口を利用することで、最終的には料理教室側にも問題の重要性を伝えることができました。
しかし、そもそもは顧客として障害者の利用を想定していなかったためにこのような事態が起きたと考えられます。法律(障害者差別解消法)が制定されたことにより、研修の不足、苦情があった場合の対応の方法等、様々な課題が明らかになりました。今回の相談を通して、改めて、双方の対話の重要性を感じるとともに、この法律の重要性を感じる機会となりました。

皆様も、差別的取り扱いを受けたり、合理的配慮を求めても提供されなかったという場合は差別解消法の相談窓口(それがどこだかわからない場合は自治体に聞いてみてください)を利用し、その結果をぜひ下記、障害者権利擁護センターにもご一報ください。

▽差別解消法の相談窓口利用についてはこちら
障害者差別解消法推進キャンペーン~そうだ、相談窓口つかってみよう!~

▽DPI障害者権利擁護センターへのご相談はこちら

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