障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

3月17日(日)障害者基本法のいま~繋がるワークショップ~in沖縄 報告

2019年03月27日 イベント障害者権利条約の完全実施

ワークショップのタイトル。「障害者基本法改正セミナーin沖縄 権利条約の時代にふさわしい基本法を」

2018年度JT NPO助成事業の助成を受け、平成31年3月17日に【障害者基本法のいま~繋がるワークショップ~】をDPI日本会議の議長補佐である崔栄繁氏・特別常任委員の曽田夏記氏をお招きしNPO法人沖縄県自立生活センター・イルカ主催にて、開催されました。

今回のワークショップは2部構成になっており、1部では崔氏・曽田氏の講話で、2部はジェネレーションギャップワークショップという内容でした。

ワークショップの参加者層は重度の身体障害を持っている方はもちろんのこと、聴覚障害・視覚障害・知的障害・精神障害・発達障害、難病など様々な背景を持つ当事者と、障害者関係団体が中心でした。

崔氏より、障害者基本法の意義や必要性・法改正への取り組みの講話がありました。

講演をする崔

DPI日本会議による最前線の取り組みが聞けたことはIL運動を行う私達にとって、とても有意義かつ学ばなければならいことだったので、講話を通して一人でも多くの仲間とともに学べたことがとても良かったと思います。

障害者基本法は障害者に関わる関連法案の基礎となる法律であるということ、「障害者基本法は障害者の憲法である」という言葉がとても印象的でした。

崔氏の講話にて、「可能な限り」という言葉が障害者基本法では多用されているという話がありました。

講話を聞いて、法律では「可能な限り」という言葉を多用しているが、現実は「最大限の可能な限り」ではなく、「とりあえず、今ある限りの可能な限り」になってしまうのでは無いだろうか?「可能な限り」という言葉自体がある意味、逃げ口になるのでは無いかと危惧してしまいました。

崔氏は一足飛びに法改正は出来ないので、まずは障害者基本法の見直しを当事者団体が中心となって行っていく必要があると指摘していました。

また、差別や合理的配慮の定義・難病や高次脳機能障害の明文化は改正案の取り組みの中で必要だと話しておりました。

講話を聞いて、現在の障害者基本法では精神障害(発達障害を含む)となっています。

しかし、1人の精神・発達障害当事者としては、精神障害と発達障害は全くの別物であり、発達障害はそもそも先天性障害であること・様々な環境因子や社会的障壁によって精神障害が発症するのであって、単純に精神障害の中に含むという状況のままでは制度的、社会的に不具合があると感じたのと同時に、現状は精神障害の中に発達障害が含まれているが、病院の中の診療科が同じなだけで発達障害と精神障害は症状や特性が一見似ているようで同じ精神症状名でも状態は本質的には全く違うので、発達障害を3障害と同様に1つの障害ときちんと捉え、発達障害+精神障害の場合は重複障害と考えるべきではないだろうかと思いました。

3障害と同様に1つの障害として考えていないが故に、行政や支援者など福祉に関わる人が「発達障害を含む」程度の学びしか出来ず、精神障害でもまだまだ普及不足の現状なのにも関わらず発達障害は更に当事者が自身の経験や差別事例を話す機会がなく、医学モデルのすごく単純でわかりやすく感じる不適切な障害説明だけが当事者抜きで独り歩きし、発達障害そのもの誤認識してたり、逆に偏見の原因になっています。

そして、強制入院や身体拘束・保護室隔離などの問題に切り口を入れていくことも今後必要だと学ぶことが出来ました。

日本の精神科医療はとても先進国の中では遅れています。

社会的入院や強制入院・過剰な行動制限・保護室隔離など精神障害のみを理由に行動制限をされることはとても残念ですが、今の精神医療では日々日常になってしまっています。

しかも、それは差別であること・障害者権利条約に違反していることになかなか気がつくことが出来ません。

当事者ですら、「私が精神障害だから仕方がない」と思っている人も居ます。

「障害者基本計画を日本がちゃんとできているか確認する委員会(障害者政策委員会)ができた」という旨の話が崔氏よりありましたが、精神・知的・発達障害の委員はいないとのことでした。

DPI日本会議や自立生活センターが連携して、精神・知的・発達障害の当事者のニーズや声をあげていく必要があると思いました。

講演をする曽田

曽田氏の講話では差別や偏見の自身の事例とともに、そういった事例があるからこそ、差別の定義をきちんと障害者基本法に明文化することや障害者権利条約の考え方を障害者基本法にそのまま反映させたいということ、「差別」という言葉で一括りにするのではなく、何が差別なのか、合理的配慮をしないことも差別であることをはっきりさせたいという話でした。

また、今後はハラスメントも問題になるだろうという視点の話題提供もありました。

事例や「障害者は誰なのか」という現行法では、難病で周期的に波がある人や高次脳機能障害が法的解釈には入っているが法律に明文化されていないがゆえに排除されること、難病であることを開示出来ずにクローズで入職した職場で体調を崩した結果が「自己責任でしょ?」退職を迫られた経験のある仲間の話があり、その上で、障害者の幅を広くとっておくことが重要であり、差別解消法の見直しもあるが、基本法の障害者の定義と差別解消法の障害者の定義も広くとっておく必要があるとのことでした。

また、女性障害者であるが故に自身が受けた差別や交差性差別・LGBT・DVなどの話もありました。

何かを決める決定機関には女性が少ないこと・当事者が少ないことも指摘していました。

まとめでは、自分たちに必要なことをみんなに広げていくことが大切であること、お互いの障害特性の相互理解を行う必要性、精神障害者に対する身体拘束の多い国であり、身体拘束自体を減らす必要があること、問題のある制度というか問題しかない制度を当事者が少しずつ確実に変えていく必要があるという話でした。

2部ではジェネレーションギャップワークショップで、年代別にわかれてワークショップを行いました。

ワークショップのふせん1 ワークショップのふせん2 ワークショップのふせん3 ワークショップのふせん4 ワークショップのふせん5 ワークショップの様子1 ワークショップの様子2 ワークショップの様子3 ワークショップの様子4 ワークショップの様子5

グループワークでは、地域の中で生活するために必要なことを、付箋を使ってバリアをできるだけたくさん書き出す作業をしました。

私達20代のグループでは、主に、情報保障・アクセシビリティ・心のバリアフリーの分類が多く上がりました。

福島県から参加した電動車いすに乗っている当事者が、ノンステップバスの普及の話をしており、予約制であること・バスの走っている本数がかなり少ないこと・中古車の導入が主でノンステップバスの普及率がかなり低いこと・ノンステップバスの器具が扱えず乗車拒否をするバスの運転手が居るという話が上がったことから、取り急ぎ解決が必要なこと、どんなことが出来るかを中心に話し合いました。

数年前の沖縄も同じような状況だったので、沖縄のノンステップバスの普及に関わってきた先輩当事者やバス研修を行っている先輩当事者から学び、青い芝の会のようにたくさんの障害当事者でバスに乗り込んでみるというような内容も話し合われました。

他にも住居の問題が上がりました。

住宅改修がすごく大変で、制度では一生に一回しか出来ないこと、ものすごくお金がかかること、そもそも車イスで生活できる家がかなり少ないという話が上がりました。

バリアフリーの居住地を部屋の割合に応じて作るなどの法律ができれば良いのではないかという意見や、手動式のノーカスタマイズの車イスを想定した建築物は出てきているが、電動車いすだとバリアフリーではなくなるという場所もあるという意見、直角のスロープ問題も話題にあがりました。

車イスは直角に曲がれないのに、直角のスロープを作るのは当事者の声が反映されていないような気がしました。

他のグループは、健常者・障害者の経験の違いでコミュニケーションエラーが生じること、崔さんの話が難しい(笑)という知的障害の人の声、言語障害があると勘違いされる・話を聞いてもらえない・アクセシビリティの内容でした。

グループワークを通して、障害を持っている当事者の周りには本当に障壁だらけで当事者を加えた多様性を想定してハード・ソフトのバリアフリーが普及させていきたいと思いました。

少し難しい内容の研修会でしたが、学びはとても大きく、地域レベルに持ち帰って学んだことを活かしていくことが重要だと思いました。

高原 里緒(北部自立生活センター希輝々)

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