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12/2(日)DPI政策論「権利擁護分科会」報告
社会的入院と身体拘束~自由・生命への脅威、精神科医療の今を問う~

2018年12月26日 イベント権利擁護

12月2日(日)DPI障害者政策討論集会で開催しました「権利擁護分科会報告」を、山本奈緒子さん(全国自立生活センター協議会)に書いていただきましたので、ご紹介します!


(敬称略)

12月2日の午後、精神障害者の社会的入院と身体拘束、精神科医療では現在何が起きているのか、みなさんに興味をもってほしい、との辻会長の挨拶によりこの集会が始まりました。

基調報告

報告者:長谷川利夫(杏林大学教授、精神科医療の身体拘束を考える会、病棟転換型居住系施設を考える会)

長谷川利夫さん
杏林大学、長谷川先生を基調講演として、精神医療の現状を拝聴していくにつれ、自分の耳を疑う場面が多々ありました。

まず、「精神科医に拳銃を持たせてくれ」と協会の機関誌に寄せて書いたのは日本精神科病院協会の会長である、ということ。
また、両手両足を特別な器具で縛られ肩ベルトをつけられると肩も少しも上がらない状況の身体拘束と、トイレも寝る場所も同じ場所でまるで独房のようなところに入れられ施錠される隔離について、身体拘束は毎年増加し現在1万人以上、隔離も1万人を超え、いまこの瞬間も2万人以上の人が身体拘束や隔離を受けている現実があるということ。

また、まずは拘束をして強制的におとなしくさせてから近づいてケアします、という論文もあり、そのような思想からこの10年で身体拘束の件数が2倍にも増えている原因なのではないか、との話がありました。

身体拘束による死亡事故も続く中、なぜ増え続けているのでしょうか。
そしてまずは縛ることから治療を始めるのが当然、という世界が本当にこの日本に存在している、ということに衝撃を受けました。

次のパネルディスカッションでは、実際に身体拘束を受けた当事者によるお話で、入院時にまず20人もの人に取り囲まれ裸にされ強制採尿をされたこと。これが安全だからと身体拘束をされ、手も上がらない状態だったということ。

また別の当事者の方は、弁護士が会いにきたあとから病院の扱いががらっと変わり、拘束を解かれた。
との話は、生々しくもインパクトがあり、心がざわついた時間でした。

パネルディスカッション

登壇者:長谷川利夫、佐々木信夫(弁護士)、坂本千花(弁護士)、身体拘束の経験者
コメンテーター:加藤真規子(精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとう、DPI常任委員)

佐々木弁護士より、摂食障害の14歳の少女が77日間もの間拘束をされたことは違法との訴えによる裁判の報告がありました。

安静を求められ外部との電話や面会も許されず、ベッドに縛り付けられ栄養チューブに強制採尿された。
それが反省を促し、食事を摂るようにさせる治療だとされた、ということ。

また坂本弁護士からは、石川県内の男性が精神的不安定で入院した際、身体拘束をされ、入浴のため6日後に拘束をとかれたところ、その後自力でトイレに行って戻った瞬間倒れて死亡した、という裁判の報告がありました。
血栓が肺につまったエコノミークラス症候群による死亡。拘束の必要性に欠けているのが違法としての裁判です。

ほかにも、この50年間入院している人がいまもまだ2000人近くいて地域移行がまったく進まない現実や、身体拘束の大規模調査をすることになっても日本精神科病院協会が調査に協力しないこと、また人手が厚いところで身体拘束が一番多く発生している、など、到底理解しがたい話が次々に続きました。

その後の質問では、どのような課題や論点をパラレルレポートにあげていくのか、そしてこの集会の後、私たちはどう行動していくのか。

またDPIは、JDF(日本障害フォーラム)内で、障害者権利条約の国連へのシャドウレポートを推進することなど、活発な意見交換がなされました。

大勢の参加者
そして、私が特に印象に残っているのは、「当事者が声を上げていく。そのことが一番心を動かす。」という加藤さんのお話でした。

人権侵害だ差別だと声をあげること、病院の前でビラを配ること、というささやかなことから、日比谷公園を一杯にする。それがうねりをあげて運動を作り上げる。

もちろん、当事者が地道に行動を重ねることは大切なことだと思いますが、それは決して楽なことではなく、時に孤独になり先の見えない不安もあると思います。そして何より人権侵害をされているのは明確なのに、なぜここまでの長い道のりをかけ訴えなければならないのか、と理不尽な思いさえ募ります。

それでも加藤さんの、「どんなときも当事者と一緒に歩いてくれたDPIを私は誇りに思っています。」という言葉が心に残っています。

報告者:山本 奈緒子(全国自立生活センター協議会)

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