障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

12/2(日)DPI政策論「地域生活分科会」報告
障害者総合支援法、何を守り何を変えるのか

2018年12月26日 地域生活イベント

12月2日(日)DPI障害者政策討論集会で開催しました「地域生活分科会報告」を、藤原勝也さん(メインストリーム協会)に書いていただきましたので、ご紹介します!


(敬称略)

今年のテーマは障害者総合支援法(以下支援法と表記)の課題に関するものでした。

地域生活分科会には100名程度の参加がありました。

やはり支援法は障害者の生活に直接関わる事柄なので関心の高さが伺えました。
発表者は厚生労働省の菊池さん、全国手をつなぐ育成会連合会の久保さん、DPI地域生活部会の今村さんの3人でした。
後ほど3人の発表内容を簡潔にまとめた上で、私が参加して感じたことを報告します。

支援法プロジェクト報告

報告者:今村 登(DPI事務局次長、STEPえどがわ理事長)

現在DPIでは支援法プロジェクトが結成され、次の法改正が私たちにとってより良いものとなるよう課題を整理しています。

法律の各分野の評価表を作り、国へ改善を求め、提言していく事になります。
今年度プロジェクトでは東日本と西日本でタウンミーティングの開催を予定していて、今回の集会は東日本のタウンミーティングを兼ねていました。西日本では1月に大阪で開催されます。
それでは本題に戻ります。

障害福祉制度の財政、「わが事・丸ごと」改革、支援法の付帯決議

報告者:菊地 芳久(厚生労働省障害福祉課)

厚生労働省障害福祉課の菊池さんの報告は、かなり気さくに本音を交えて喋っておられたので、面白かったです。
例えば制度がよく変わるので、地方の障害福祉の窓口にとって対応するのに苦労するから、変更をもっと期間を空けてやってほしいという事を地方へ出向した時の経験をふまえて、話されていました。
現場の大変さが伺えました。

そもそも制度に問題があるから頻繁に変える必要が生じているので、抜本的な改革が不可欠です。
主な話は障害福祉制度の財政、「わが事・丸ごと」改革、支援法の付帯決議についてでした。

障害福祉制度関係の予算が年々伸びているので、私たちが求めるものは理解できるが、難しいということは繰り返し言っておられましたし、私たちが気になっている「わが事・丸ごと地域共生社会実現」改革に関しては私たちが危惧している事とは違い、地域住民が地域福祉に関心を持ち参画してくることを意図しているとのことでした。
改革の話が出てきた当初と比べて勢いがない感じでした。

報告内容で一番私の記憶に残っているのは、支援法が国会で議決されたときに採択された付帯決議についてです。
付帯決議は法律に反映されなかった事を次の改正で検討するように、国会が政府に対して出すコメントです。

特に参議院で決議された内容で以下のものがあります。
「十七、施行後三年の見直しの議論に当たっては、障害者の権利に関する条約の理念に基づき、障害種別を踏まえた当事者の参画を十分に確保すること。また、同条約に基づき、障害者が障害のない者と平等に地域社会で生活する権利を有することを前提としつつ、社会的入院等を解消し地域移行を促進するためのプログラムを策定し、その計画的な推進のための施策を講ずること。」

その方向で改正するのが大切だと考えておられた事と障害者の権利条約に触れられた事は好感がもてました。
難しいとは思いますが、是非とも当事者の立場に立って、法律や制度が変わるように尽力していただきたいです。

相談支援の仕組みの課題と地域診断

報告者:久保 厚子(全国手をつなぐ育成会連合会会長)

育成会の久保さんからは相談支援の仕組みの課題と地域診断の話がありました。
相談支援では相談員等の質を高めるような研修を実施する大切さ、ケアプランを本人の意思を尊重して作れる人材の育成について言われていました。

地域診断はそれぞれの地域の事業所の質を点検して、その結果を行政等に伝え地域全体の福祉サービスの向上に繋げていくものです。
権利条約19条を実現していくために日本各地の状況を可視化し、格差等を改善していくのにとても有効な方法だと私は感じました。

DPIからは支援法プロジェクトでまとめた総合支援法の評価表に基づいて報告がありました。
その評価は支援法、3年目の見直し、報酬改定をへて、達成されたこと、または改善すべきことを一覧にまとめたもので、今後制度改正の時に提言すべきことを知ることができます。
さらに障害者権利条約と比べて、どのような違いがあるかという視点での評価もされています。

支援法の課題は普段から感じておられる方は多いかと思います。障害者の生活はシームレスにも関わらず、制度が分断されているため利用しづらい課題があります。
例えば、通勤通学、就業中で利用できないため、障害者が社会参加を制限されています。
また支給決定において本人の意向が十分に反映されていないし、施設整備から地域基盤整備への財源の配分が十分に見直されていません。

課題を挙げるときりがありません。

感想

最後に今回の集会に参加した私の所感を述べます。

私たちの地域生活を良くしていくためには、法律や制度の改正を訴えていく必要がありますが、ひとつの団体でやっていくには限界があります。
それぞれの団体で重要な事柄は違いますが、共通している部分も多くあります。
団体の垣根を越えて連携して国に対して働きかけていく大切さとその力強さを改めて認識できた分科会でした。

さらに障害者の権利条約の理念を反映させた法律や制度を作っていく事が今後の障害者運動にとって不可欠だと実感できました。

国政においては支援法を可決した時の付帯決議や権利条約の理念を忘れることなく、頻繁に変えなくてもよい法律や制度を整備してほしいものです。

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