障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

12/2(日)DPI政策論「国際協力分科会」報告
SDGsを私たちの手に~障害とSDGsの身近な関り

2018年12月26日 イベント国際協力/海外活動

12月2日(日)DPI障害者政策討論集会で開催しました「国際協力分科会報告」を、降幡博亮さん(ヒューマンケア協会)に書いていただきましたので、ご紹介します!


(敬称略)

国際協力分科会では「SDGsを私たちの手に」のテーマで分科会が行われました。

ここで取り上げられたSDGs(持続可能な開発目標)とは、2000年代のMDGs(ミレニアム開発目標)に続く2015年から2030年までの国連の開発アジェンダであり、今の世界の開発政策の柱となっているものです。

同目標は、貧困に終止符を打ち、地球を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できる持続可能な世界を実現することを目指しています。

発展途上国のみならず、先進国も対象であり、日本政府も「SDGs推進本部」を発足させ、既存の政策とマッチングさせることでSDGsの実現を目指しているのです。

17の目標の下の169のターゲットの内、いくつかが障害に言及しています。

たとえばターゲット4.5は教育におけるジェンダー格差を無くし、障害者、先住民及び脆弱な立場にある子どもなど、脆弱層があらゆるレベルの教育に平等にアクセスできるようことを求めています。

またターゲット17.18は開発途上国の能力構築支援を強化し、障害を含む信頼性のあるデータの入手可能性を向上させることを目指しています。

さらにこれらターゲットの達成度を測る指標では、「社会保障制度によって保護されている人口の割合(指標1.3.1)」「失業率(指標8.5.2)」「公共交通機関にアクセスできる人口の割合(指標11.2.1)」などで障害者についてデータを示すことが求められている。

ただし、データ収集が難しい場合は、収集できるデータと置き換える「代替指標」の使用が認められています。

SDGsの概要と日本での取り組み

報告者:黒田かおり(一般財団法人CSOネットワーク)

登壇者
分科会ではまず、一般財団法人CSOネットワークの黒田かをり氏から、SDGsの概要や日本での取り組みについて報告が行われました。

SDGsはそれまで別々であった環境と経済開発への取り組みを一元化したものであることから、「誰一人取り残さない」のスローガンのもと、環境・経済・社会に対応する幅広いターゲットを設定しています。

また黒田氏によると、日本政府と経済界はSDGsの推進に積極的であり、官民連携のSDGs推進本部設置やモデル事例の表彰など行っている一方で、CSOネットワークとしてはSDGs基本法立案に向けて動いているとのことです。

障害者運動とSDGsの関連について

報告者:ジャンルック・サイモン(DPIヨーロッパ議長)

黒田氏に続き、障害者運動とSDGsの関連についてDPIヨーロッパ議長のジャンルック・サイモン氏がビデオ報告を行い、SDGsの17の目標の内、国連ハイレベル・ポリティカル・フォーラムで優先目標とされた6つの目標について障害者が果たすことのできる役割を指摘しました。

この内、目標4 「教育」や目標10 「不平等」においては、何がインクルージョンであるか、不平等とどうたたかうか、自分のこととして知っている障害者が大きな役割を果たせることを述べました。
目標16「平和と公正」における同氏の言葉は強く心に残りました。

「私たちは平和でインクルーシブな社会を求めます。暴力とバリアにあふれた社会で私たちは生きていくことはできません。誰も信じなかった障害者は『できる』存在だという考えを私たちは変えてきました。障害者は弱く見える、しかし平和を築いていくという点において私たちは誰よりも強い。」

1981年の結成時から世界DPIは平和への取り組みを開始し、翌82年には世界に対して平和を求める声明を発表していると、この分野での貢献についても強調しました。

リレートーク

分科会の後半では、会場のALS、難病、女性障害者、盲ろう、難聴、精神障害、LGBTの当事者による、SDGsについて思うことや要望に関するリレートークが行われました。

ALS当事者からは尊厳死法案への懸念、難聴当事者からは情報保障が得られにくいことへの訴え、自己免疫疾患の難病当事者からは周囲の理解を得ることの難しさ、働きやすい労働環境の必要性について言及がなされました。

精神病当事者からは精神障害者のニーズに関する一般市民の理解、LGBT当事者からは医療・労働・教育など社会制度が男女のみの基準で設計されていることによる不都合、不公正が指摘されました。当事者でないとわかりえないニード、SDGsへの期待や危惧などが寄せられました。

SDGsは効率化を重視しているが、効率の建前のもとに排除されてきた当事者としては、政府と経済界のSDGsの積極的な推進には恐ろしいものを感じるという声が印象的でした。

会場の様子

日本政府及び経済界と市民社会のSDGsへの期待に乖離があるとの指摘がある中、「誰一人取り残されない」というスローガンのもとSDGsが私たちのためになるように、障害者運動などの当事者運動が連携しながら、SDGs基本法制定の動きも含めSDGsのあるべき形について積極的に声を上げていくことが重要でしょう。

報告:降幡 博亮(ヒューマンケア協会)

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