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第7回DPI障害者政策討論集会 開催のお知らせ

2018年10月22日 イベント

障害者権利条約の完全実施を!~2020国連審査をバネに~

2020オリンピック・パラリンピックを盛り上げようと、官民挙げての取組みが展開されています。
特に、パラリンピックは、単なる障害のある人たちの競技大会という位置づけではなく、開催に向けて、ハード面・ソフト面で、真のユニバーサル社会を実現していくことが課題とされています。

世界が注目し、多くの障害のある人や関係者が日本を訪れます。ところが今の日本はどうでしょう。
優生保護法により人権が踏みにじられてきた人が、未だに責任を認めない国を相手取って各地で訴訟を起こしており、大きな課題が積み残されている現実があります。
更には、民間の範になるどころか、官公庁による障害者雇用水増しが長年に亘り繰り返されてきたことが発覚し、その差別的雇用の実態により、日本はインクルーシブどころかまだまだエクスクルーシブ(排除)社会であることが、白日の下に晒されました。
障害のある仲間たちは、怒りを超えて、落胆と悲しみをさえ感じています。

2020年はまた、私たちにとって、運動が試される大きなタイミングでもあります。2014年に批准した障害者権利条約について、日本が建設的対話(審査)を受けることになります。

上記の現状も背景にある日本が、厳しい審査を受けることは容易に想像できますが、その審査により、今後の日本の施策に大きな影響が及ぶような勧告を引き出すためには、日本の障害者団体が英知を結集して作成するパラレルレポートが重要です。
今年の障害者政策討論集会の全体会では、JDF特別委員会を中心に進められているパラレルレポート作成経過の報告を受けます。
障害者権利条約が求める水準と日本の現状についての乖離をどう埋めていけるか、議論を深めていきます。

また、二日目の分科会では、1)地域生活、2)所得保障、3)障害女性、4)権利擁護、5)教育、6)国際協力が企画されています。
まさにパラレルレポート作成にも影響が大きく、今注目されているテーマがばかりです。

今回の政策討論集会は、例年以上に意味深く、我々が試されている集会でもあると考えます。

どうぞ、真のインクルーシブ社会を実現したいという志をともにする多くの障害当事者、支援者、研究者、その他の皆さんの、本集会へのご参加を心から期待し、お願いいたします。

■日時:
12月1日(土)13:00-16:30(受付開始:12:30) 全体会
12月2日(日)10:00-16:00(受付開始:9:30) 分科会

■会場:戸山サンライズ 研修室・会議室(東京都新宿区戸山1-22-1)

■資料代:3,000円(介助者で資料が必要ない場合は無料)
弁当代:1,000円(2日目希望者のみ)締め切りました

■お申込み方法:事前参加受付は、締め切りました。当日受付を行っておりますので、
参加ご希望の方は、当日、会場2階受付までお越し下さい。


プログラム(敬称略)
▶▶1日目:12月1日(土)(13:00~16:30、受付開始:12:30)
全体会「JDFパラレルポート特別委員会によるレポート作成経過と今後の取り組み」

2020年に行われる見通しとなっている障害者権利条約の日本の建設的対話(審査)に向けて、2018年4月にJDFパラレルレポート特別委員会(以下、特別委員会)が発足した。
この特別委員会の事務局長を佐藤聡事務局長が務めており、DPIも事務局の一端を担っている。
現在、特別委員会では障害者権利条約が求める水準から見たときの日本の障害者に係る施策の課題を各団体から意見集約し、論点整理を行いながらパラレルレポートとしてまとめている。
ここまでのパラレルレポート作成の取り組み報告と主要条文について、国際比較を交えながらディスカッションを行いたい。
また、最近発覚した中央省庁による障害者雇用水増し問題についてもパラレルレポートに係る重要な問題であり、DPI日本会議としてのこの間の取り組みと見解について報告を行いたい。
そのほか、キリン福祉財団の助成事業として今年度から取り組んでいる障害者文化芸術に関する取り組み報告も行いたい。

■特別報告1:障害者文化芸術プロジェクト報告

報告 下林 慶史(日本自立生活センター事務局長、DPI常任委員)

■特別報告2:障害者雇用水増し問題について

報告 西村 正樹(DPI副議長)

■全体会「JDFパラレルポート特別委員会によるレポート作成経過と今後の取り組み」

◯全体報告: 尾上 浩二(DPI副議長、内閣府障害者施策アドバイザー、JDFパラレポ特別委員)
◯国際比較: 石川 准(国連障害者政策委員会委員、静岡県立大学教授)
◯各担当部分: 佐藤 久夫(JD理事、JDFパラレポ特別委員)、崔 栄繁(DPI議長補佐、JDFパラレポ特別委員)
・コーディネーター:平野 みどり(DPI議長)


▶▶2日目:12月2日(日)(10:00~16:00 受付開始:9:30)
▶午前の部(10時~12時30分)分科会

分科会1 地域生活「障害者総合支援法、何を守り何を変えるのか」

障害者総合支援法は施行の3年の見直し(2016年)と、報酬改定に伴う見直し(2018年)を経て、次は2019年の消費税10%引き上げに伴う処遇改善の動向に注目が集まりそうな状況になりつつある。
一方、2016年7月に厚労省内に設置された「我が事・丸ごと地域共生社会実現本部」での議論からは、「高齢者」「障害者」「子ども」「生活困窮者」を丸ごと支援する仕組みの検討などがあり、次の3年後の法改正(2021年頃)には、何らかの形で介護保険との統合の話がで出てくる可能性は決して低くはないと推察される。
こうした認識のもと、権利条約をベースに今後の障害者総合支援法と運動の方向性を考える。

■パネルディスカッション

◯パネリスト:
・菊池 芳久(厚生労働省障害福祉部障害福祉課課長補佐)
・久保 厚子(全国手をつなぐ育成会連合会会長)
・今村 登(DPI事務局次長、STEPえどがわ理事長)
〇コメンテーター:尾上 浩二(DPI副議長、内閣府障害者施策アドバイザー、JDFパラレポ特別委員)
〇コーディネーター:平野 みどり(DPI議長)

分科会2 所得保障「障害者の生活保障の現状と課題~生活保護基準引き下げと障害年金を中心として~」

「すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。(日本国憲法第25条)」の理念(生存権)を国民生活に反映するために年金や生活保護等の法制度が整備されてきた。
しかし、厚生労働省は、多くの専門家や弁護士などが撤回を求めてきたにも関わらず、今年10月から生活保護基準の引き下げを実施している。
また、日本年金機構は、今年1月に2017年中に更新を迎えた障害年金受給者に「審査の結果、障害基礎年金を受給できる障害の程度にあると判断できなかった」と通知したが、この通知を受けた受給者の声と報道等によりこの方針を撤回した。
そして現在、こうした施策を利用している当事者が各地で訴訟を起こしている。
本分科会は、こうした現状を踏まえて日本の生活保障制度の現状と課題を考えるとともに課題を改善するための必要な取り組みと行動を確認するために開催する。

■報告

「障害者の生活保障の現状と課題」

平川 則男(日本労働組合総連合会総合政策局総合局長)

■シンポジウム「生活保護と障害者年金制度の現状と課題」

◯シンポジスト:
・大西 連(自立支援サポートセンター・もやい理事長)、
・宇都宮 健児(反貧困ネットワーク代表世話人)、
・西田 えみ子(1型糖尿病障害年金問題訴訟原告)、
・川西 浩之(生活保護受給者)
〇助言者:平川 則男  ◯進行役:西村 正樹(DPI副議長)

分科会3 障害女性「優生保護法への取り組み~全国各地の裁判の報告と立法措置基本方針案、今後に向けて」

今年1月、宮城県の女性が 国賠訴訟を起こしてから、優生手術被害者たちが全国で声を上げつつある。
4月に厚労省が全国自治体に調査を依頼、これに合わせてDPIも調査要請行動を行った。当事者団体による独自調査も進められ、新たな被害者の声や関係文書が報道されている。
立法措置に向けて、与党旧優生保護法に関するワーキングチームと超党派議連プロジェクトチームは「おわび」と一時金支給を内容に盛り込んだ基本方針骨子を発表した(2018年11月07日現在)。
優生保護法がもたらした問題について、急速に大きく動いたこの一年間だったが、その背景には20年以上前からこの問題を訴え続けていた人たちの活動があった。
分科会では、1994年カイロ国際人口開発会議で、この問題を世界に向けて発言した安積遊歩氏を迎えて話を伺い、 また各地から裁判の状況報告を聞く。
来年にも立法措置による被害者へのおわびや補償の具体化が図られつつある情勢のもと、現在の課題とこれからの取り組みについて参加者と共に考える。

■報告

「今の思い」安積 遊歩(DPI女性障害者ネットワーク立上げ時メンバー、ピアカウンセラー)
「各地の優生手術裁判状況」
・宮城:横川ひかり(優生手術被害者とともに歩むみやぎの会)
・北海道:山崎 恵(DPI北海道)
・熊本:[司会代読]平野 みどり(DPI議長、DPI女性部会長)
・兵庫:藤原 久美子(神戸Beすけっと事務局長、DPI常任委員、DPI女性障害者ネットワーク代表)
・東京+立法措置基本方針骨子について:大橋由香子氏(優生手術に対する謝罪を求める会)

■小グループでのディスカッション
■全体討議、まとめ

●昼食休憩 12:30~13:30

▶午後の部(13:30~16:00)分科会

分科会4 権利擁護「社会的入院と身体拘束~自由・生命への脅威、精神科医療の今を問う~」

2002年に初めて厚生労働省が精神科病床削減方針を打ち出してから15余年を経て、地域移行は一向に進んでいない。
むしろ地域資源の薄さを象徴するような「自宅監置(監禁)」事件が2017年大阪府寝屋川市、2018年兵庫県三田市で発生している。
また多くの長期入院者が病棟に取り残されるなか、精神科医療の名の下に「重度かつ慢性」概念導入による、退院できない人の選別が行われようとしている。
一方で、精神科病院において身体拘束を受けている患者数が10年前の2倍となる1万人を超え、相次ぎ死亡事故が起きている。
遺族の一人は、日本の身体拘束の見直しを求めて国連にレポートを送った。
精神障害者の自由と生命の軽視が地域でも精神科病院でも構造的に存在している。
分科会ではこれらの問題解明と今後注力すべき方向性を模索する。

■基調報告

長谷川 利夫(杏林大学教授・精神科医療の身体拘束を考える会・病棟転換型居住系施設について考える会)

■パネルディスカッション

◯パネリスト:長谷川 利夫、佐々木 信夫(弁護士)、身体拘束経験者等
〇コメンテーター:加藤 真規子(精神障害者ピアサポートセンターこらーるたいとう代表、DPI常任委員)
◯ファシリテーター:辻 直哉(愛知県重度障害者団体連絡協議会、DPI常任委員、DPI事務局次長)
〇総合司会:曽田 夏記(自立生活センターSTEPえどがわ、DPI特別常任委員)

分科会5 教育「障害者権利条約の審査~教育分野のパラレルレポートと国内法の課題」

現在文部科学省が進める「インクルーシブ教育システム」は、かつてから行われてきた分離・別学体制の継続を促している。
教育分野において障害者権利条約が実現されるためには、地域で共に学ぶ教育へ大きく施策を転換させることが必要である。
今回の分科会では、現在の法制度の下で起こっている小学校就学時の差別事例(川崎市の裁判事例)の報告を頂くとともに、審査後の学校教育法・障害者基本法等の改正を見すえるという視点から、パラレルレポートの内容の理解を深めていく場にしたいと思う。

■報告

○川崎市就学裁判について~差別解消法からのアプローチ:大谷 恭子(弁護士)
○教育分野のパラレルレポート
・インクルーシブ教育の実現に必要な法改正:崔 栄繁(DPI議長補佐)
・パラレルレポートの日教組取りまとめについて:
佐伯 安彦(日本教職員組合中央執行委員、教育文化局インクルーシブ教育部長、障害児教育部長)
・障害児を普通学校へ・全国連絡会からのパラレルレポート案:
片岡 次雄(全国連パラレルレポート作成委員会)

分科会6 国際協力「SDGsを私たちの手に~障害とSDGsの身近な関り」

国連「持続可能な開発目標(SDGs、2015~2030年)」は、17のゴールと169の目標を掲げ、貧困を終わらせ、環境を保護し、すべての人が平和と豊かさを享受できるように先進国へも行動を呼びかけている。
日本政府はSDGs推進本部を発足させ、既存の政策にSDGsの各目標を紐づけた形で実現を目指そうとしている。
DPIは、SDGs策定時よりマイノリティの声を取り入れ、誰も取り残されない社会を目指す目標設定を訴えてきた。
現在、多くの自治体、企業がSDGsに関心を示す中、今後取組状況を確認するフォローアップ・レビューが予定されている。
既存の政策によって障害をもつ私たちの望む社会は実現するのか、様々な立場の方々の声を聞きつつ、政府方針への提言を目指した議論を行う。

■基調講演1

「SDGsと私たち~誰も取り残されない社会に向けて」

黒田 かをり(一般財団法人CSOネットワーク事務局長・理事)

■基調講演2

「EUにおける障害とSDGsの関わり~権利条約の視点から」(ビデオ講演)
Jean Luc Simon(DPI世界会議評議員)

■私たちとSDGsの関り

・イントロダクション:中西 由起子(アジア・ディスアビリティ・インスティテート代表、DPI副議長)
・リレートーク:SDGsと私たち~あなたからの要望
◯指定発言:ALS、難病、女性障害者、盲ろう、難聴、精神障害、LGBTIの当事者
・まとめ「SDGsを私たちの手に:“実施指針”への提言」
◯パネリスト:黒田 かをり、中西 由起子


▽プログラム、趣意書、開催趣意書はこちら

●主催、お問合せ先
認定NPO法人 DPI日本会議
〒101-0054 東京都千代田区神田錦町3-11-8 武蔵野ビル5階
電話 03-5282-3730、ファックス 03-5282-0017、メール office@dpi-japan.org


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