障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

10月8日(月・祝)
「観て知ろう!バリアフリー映画上映in三重」を開催しました

2018年10月16日 イベント障害者文化芸術

10月8日(月・祝)「観て知ろう!バリアフリー映画上映in三重」を三重県内の多くの団体の協力を得て、下記のプログラムの元、開催しました。当日は快晴で、約160名の方にご参加いただきました。
((公財)キリン福祉財団助成事業:プロジェクト名「ソーシャルインクルージョンの視点に基づく障害者文化芸術」)

■日時:2018年10月8日(月・祝)13時30分~17時
■場所:三重県人権センター1階多目的ホール
■プログラム
①映画上映「もうろうをいきる」(1時間31分)
②トークセッション登壇者:
山上徹二郎氏(「もうろうをいきる」プロデューサー)
北澤真紀氏(三重盲ろう者きらりの会 会長)
杉田 宏氏(ピアサポートみえ事務局)

全体司会の杉田さん、今村登(DPI日本会議事務局次長)
全体司会の杉田さん(左)、今村登(DPI日本会議事務局次長)(右)

映画上映時の会場の様子
映画上映時の会場の様子

映画「もうろうをいきる」を上映しました。バリアフリー映画ということで、映画には字幕が付き、映画の状況説明に音声ガイドを付けて、耳の聞こえない方、目の見えない方など、情報保障が必要な方にとっても楽しめる形で上映しました。

▽映画「もうろうをいきる」公式サイト
▽映画「もうろうをいきる」予告編

 

映画上映後、杉本熊野三重県議会議員からご挨拶頂きました。
杉本熊野議員からご挨拶(三重県議会議員、障がい者差別解消条例策定調査特別委員会委員長)
杉本熊野三重県議会議員(元障がい者差別解消条例策定調査特別委員会委員長)

トークセッション

続いてトークセッションを行いました。

左から杉田さん、山上さん、北澤さんの通訳者の方、北澤さん
左から杉田さん、山上さん、北澤さんの通訳者の方、北澤さん

山上さんからは、「盲ろう」について考えるきっかけとなったのは、2015年に厚労省助成を受け、盲ろう者も楽しめる映画の上映を行ったこと。

開催をしてみると、盲ろう者一人ひとり、それぞれ違った情報保障の方法、ニーズがあったことに驚いた。これが「もうろうをいきる」の映画製作のきっかけとなった。

また監督の西原さん、プロデューサーの小町谷さんにお願いをした理由は、若い人に「盲ろう」というテーマについて関わってもらいたかったからお願いをした。

バリアフリー映画は、特別なものではなく、福祉的なものでもなく、新たな可能性を秘めたものだと思っている。

映画の歴史は、125年足らずで、音楽と比べるとまだまだ短く、5年、10年先はどうなっているかはわからない。今後のバリアフリー映画がどう発展していくかが楽しみだとおっしゃっていました。

北澤さんは、視覚と聴覚に障害のある盲ろうの当事者の方です。

まず盲ろう者のコミュニケーション方法をする際の情報保障について、盲ろう者になるまでの経過、何を言語としてきたかによって必要な情報保障の方法は違っていて、手書き文字、触手話、指点字、点字筆記、指文字など、たくさんあることを紹介していただきました。

また息子さんが高校生のとき、毎日朝お弁当を作り、唐揚げを毎日作っていた。はねた油が熱いので、そうなりにくい小さい鍋をよく使っていた。

「息子はからあげが本当に好きで、ご飯も沢山食べるから、本当に毎朝のお弁当作りは大変だった。自分のことながらよく頑張った」と、嬉しそうに笑いながら話されているのが印象的でした。

近所のお母さん仲間とは、手のひらに文字を書いてもらう手書き文字で会話をしているそうです。

息子が甲子園に言った時は、メガホンを手に当ててリズムを教えてもらって、一緒にメガホンを叩きながら、応援をした。

本当に楽しくて、今でも野球観戦は大好きだそうです。

最後に盲ろうの当事者の人には、一人で悩まないでと言いたいとおっしゃっていました。

今回事務局の中心を担って頂いた杉田さんからは、今回開催にあたって大変だった点、当日ご協力いただいた方へ感謝の気持ちを伝えられていました。(詳細については、杉田さんご本人に感想含めて書いて頂きました、下記をご覧ください。)

PC文字通訳スペース
PC文字通訳スペース

盲ろうの方用の通訳スペース
盲ろうの方用の通訳スペース

質疑応答

会場からは、バリアフリー映画を全国へ広げるにはどうしたらよいか、北澤さんのお仕事、どうやってコミュニケーションをとったら良いかなど、お2人への質問がありました。それ以外にも、下記の感想が述べられ、会場全体で共有しました。

・去年娘が障害を持ち、どうしたらいいかわからない現状の中で、新聞を見てすぐに申し込んだ。親として不安でいっぱいだが、障害について勉強をしていきたい。

・盲ろうの当事者。大きな会社に勤めているが、上司が一般企業で盲ろう者が働いているのは私のみと言っていた。この映画を見て、盲ろうの障害を持っていても働いている人がたくさんいて、それが嘘だとわかった。まだまだ理解不足の現状がある。

・特別支援学校で教師をしているが、今回の映画を見て、マインドを変えないといけないと思った。ただ教える、指導という形ではなくて、生きる意味を考えさせられた。

三重県では、2017年度から「三重県手話言語条例」が施行されており、「障がいの有無にかかわらず誰もが共に暮らしやすい三重県づくり条例」も成立し、今年10月1日に施行されました。

当日は盲ろうの障害を持つ方も参加され、本映画上映会で映画を楽しんでいただくと共に、インクルーシブ社会、誰もが暮らしやすい社会の実現を考える機会となりました。

今回の「観て知ろう!バリアフリー映画祭in三重」は、プロジェクトメンバーでもあり、三重で精力的に活動されている杉田宏さん(ピアサポートみえ事務局、DPI日本会議特別常任委員)を中心に、地元の皆様のきめ細やかな準備、当日の運営があってこそ実現できました。

当日お越しいただいた参加者の方、ご協力いただいた全ての皆様、本事業に助成頂いてる(公財)キリン福祉財団に、主催団体として心から御礼申し上げます。

最後に杉田さんの感想と、参加者のアンケート(一部)をご紹介させて頂きます。

地元実行委員の杉田さん感想

観て知ろう!バリアフリー映画上映in三重が、事前申し込み者数を大きく上回り、車いすユーザーや盲導犬ユーザー、盲ろう者の方など、これまであまり関わる機会が少なかった方と、文化芸術活動という切り口で繋がりを持てたことが、地元団体として、やってよかったと思えた出来事の一つです。

三重県聴覚障害者支援センターを通して、三重盲ろう者きらりの会の北澤さんを紹介して下さり、通訳介助者を介しての事前打ち合わせで、触手話や指点字、手のひらに平仮名やカタカナを書く手のひら書きというコミュニケーションに触れ、手話や点字がわからない僕でもコミュニケーションをとることができるんだという新たな発見がありました。

また、今回、三重県障害者団体連合会や三重県視覚障害者協会、三重県聴覚障害者支援センターの全面的なバックアップもあり、広報活動や当日の会場設営に関して、多くの助言を頂けたことで、より多くの方にこの上映会に参加していただくこともできました。

さらに、今回の会場は、駅からの公共交通を利用してのアクセスが不便であるという問題がありましたが、三重交通が会場と駅とを結ぶ臨時バスを運行していただけることになったことで、公共交通機関を利用して近県からも参加していただくことができました。

当日は、会場の外でも、「工房ゆう」による「さをり織り」作品の展示販売やハートネットTVに出演された「みんなしあわせ雑貨屋次郎」店長の白岩次郎さんによる雑貨の販売もありました。

これからも、私の方から出店を持ちかけたわけではなく、広報活動をしているなかで、できたら作品の展示や販売ができないだろうか?と問い合わせを頂けたことは非常にうれしい出来事の一つでした。

この催しを開催するにあたり、共催団体である反差別・人権研究所みえをはじめ、三重県人権教育研究協議会、三重県教育委員会、会場である三重県人権センターなど、多くの方のご理解とご協力を得て開催することができました。

今回の映画上映が、障害者文化芸術活動推進法の趣旨に沿ったモデルケースとして、今後全国各地で行われる映画上映会などの文化芸術活動を行ううえでの参考の一助になれば幸いです。

助成をいただいたキリン福祉財団をはじめ、携わっていただいたすべてのみなさん、ありがとうございました。

ご参加頂いた方のアンケート 一部ご紹介

Q映画上映を楽しむことはできましたか。その理由もお聞かせ下さい。
・当事者のみなさんの話、制作者の話を聴き、理解を深めることができた
・目も耳も特に不自由ではない中で、音声での描写、映像が一度に飛び込んでくる中で、ちょっと頭が軽いパニックになった。時間が経つにつれ、慣れてきて音声描写を聞いて映像を見て気がつかないところに視点がいったり、より広く深く視聴できたように思います。
・字幕、音声ガイドが映像と被らないように工夫されていた。
・感動した。
・楽しむって感じではなかったから。盲ろう者の方の知識がなかったので、難しく感じました。

Q映画「もうろうをいきる」の感想をお書きください。
・いろんな(生活)暮らしをしている人たちを知ることができた。もっと多くの人にみてほしいです。
・それぞれの人生について語られていた。支える人の思いも垣間見えた。静かな語り口でよかった。
・手話、指点字、表情を指で触ってなどを使ってコミュニケーションをとってみえる盲ろう者の生活と自由さに驚きました。私は手話を学びたいと思いつつ、思うまま時を過ごしてきました。ちょっと真剣に手話を習おうと思います。どこにもコミュニケーション手段を持つ人がいる社会に向かいたいですね。
・私は健常者ですが、普段何も考えずに当たり前にできていることの有難さとその意味を改めて深く考えさせられました。自分にできることはないものだろうかと思いました。
・まず、知ることから始めたいと思い参加しました。そこから理解-共感していく。ちっと画面がとびとびのところが少しわかりにくかったかも。

Qトークセッションはいかがでしたか?
・とてもよかった。山上さんのお話、よく理解できました。映画についてまた可能性を感じました。
・よかった。もう少し議論の時間が取れるとよい
・とてもよかった。山上さんのお話は、映画に関することで知らないことが多く興味深かったです。北澤さんは同世代なので、子育てのことなど聞いてみたいと思いました。
・とてもよかった。北澤さんの説明はよくわかりました。これを聞いて映画のわからなかったことも少し解決できました。バリアフリー映画が増えればよいと思いました。
・とてもよかった。映画監督から、いろいろと知らないことをたくさん聞けたし、その姿勢がつたわった。北澤さんのお話も同様、知らないことを学ぶばかりだった。杉田さん、DPIの方のお話から、上映会の実施の意義と準備の手応えが聞けて良かった。

Qその他何か全体を通して、思うこと等ありましたらご記入下さい。
・文化芸術活動の推進について、いろいろな施策を具体的に知る機会があればききたいなぁと思いました。
・当事者及びご家族、関係者ばかりの参加の中で「こういうことをもっと知ってもらいたい」とコメントしても身内同士の慰め合いにしかならないのでこういうことを知らないであろう企業、行政、一般の人々の参加してもらう努力が必要。
・はじめて、盲ろう者の人と出会いました。北澤さんの明るさには救われます。高校野球の応援の話は興味深かったです。盲ろう者でも少しは見えたり、聞こえたりする人が結構みえると聞き、驚きました。山上さんからの映画の話、バリアフリー映画の進化の話が聞けてよかったです。今後、映画界が変化していくのが嬉しく思います。今後も映画の上映を楽しみにしています。会場の設定、要約の方、通訳の方、いろいろな方々の応援の力でこの映画上映などが実現でき、お疲れ様でした。
・条例の検証はいいことだと思います。変更調整はとても大切な事ですから。「もうろう」のことは本当に知らないので、今日の上映会に参加できてよかったです。企画、準備等ありがとうございます。おかげさまで経験出来て、お話を聞けて良かったです。山上さんが話をされていた若いお二人に映画を託されたということについて、その若いお二人がこういった映画に関わってどういう印象、感想を持たれたか伺ってみたいと思いました。

以上


次回のバリアフリー映画上映会は、来年1月20日(日)に静岡県清水区の清水テルサで開催予定です。
また詳細が決まり次第、このホームページ上でお知らせいたします。

(事務局 笠柳大輔)

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