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【参加報告】5回目の6.26集会「変革すべき精神医療~見えないものを見る努力~」

2018年06月27日 イベント

精神科病棟の一部を居住系施設とみなす「精神科病棟転換型居住系施設」構想が打ち出され4年の月日が流れました。4年前の6月26日にはこの動きに反対する3,200人もの人びとが日比谷野外音楽堂に集いました。
DPI日本会議からもメンバーが参加している「病棟転換型居住系施設を考える会」は、病棟転換型居住系施設の構想が打ち出されて以降、継続的に集まりを持ち、毎年6月26日に集会を開いてきました。

今年の6月26日(火)、日本における精神科医療は果たして改善・前進したかを問う、「変革すべき精神医療~見えないものを見る努力~」集会が参議院議員会館講堂で開催され100人ほどの参加がありました。

集会では長谷川利夫杏林大学教授からの基調報告で精神医療の現状が確認された後、全国精神保健福祉会連合会(みんなねっと)の小幡恭弘さんからみんなねっと全国調査報告として精神障害者の自立した地域生活の推進と家族が安心して生活できるための効果的な家族支援等のあり方に関する全国調査の内容が発表されました。特に「家族が支援者になるべきではない。家族は家族であるべき」という言葉が印象に残りました。

 

 

続いて、身体拘束に関するアンケート調査報告として地域精神保健福祉機構・コンボの宇田川健さんがご自身の経験を中心にお話しされました。身体拘束に際して説得・納得も足りなければ身体の管理も圧倒的に足りない現状と、「身体拘束がどのようなものか、一度精神科医自身が経験するといいと思う」と皮肉を交えて話されていました。
社会医療法人財団松原愛育会松原病院の看護師である東幸枝さんは、臨床経験40年以上のご経験から報告されました。最近では認知症の緊急入院が増えていること。53,000人もの認知症患者が入院していること。夜間の配置人数が少ないので「まず隔離」から治療を始めている病院がほとんどとのことでした。さらには平日の人がいるときに隔離拘束の解除をしようという動きもある(病院側の都合で隔離の解除の可否が決まる)とのことです。決定権が障害当事者ではなく医療職にある現状は変えなければなりません。日本の精神科の隔離収容政策は、ハンセン病への政策と似ているとも発言されました。また、日本医療労働組合連合会精神部会でも、「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」への抗議の声明文を出したとのことで、その声明文の紹介がされました。

社会福祉法人うるおいの里の氏家憲章さんからは、ベルギーで実現した精神医療改革についての報告がありました。1960年代~1980年代の入院医療中心の隔離・収容主義がいかに時代遅れか、世界では地域精神医療が常識の時代になっていることなどがつまびらかに報告されました。呉秀三の「二重の不幸」の指摘から実に100年が経過し、連綿と続く差別的な施策について警鐘を鳴らしました。
埼玉精神医療人権センターの星丘匡史さんは、「2018年から精神保健福祉資料630調査が変わる」と題して、報告があり、実態が分かりづらくなった点を指摘していました。
盛りだくさんの内容で、あっという間の時間でしたが、フロアからは精神医療審査会がほぼ機能していないことや、国連へもっと声を届けてほしいといった発言がありました。

相模原障害者殺傷事件を受けての精神保健福祉法の「改正」案が国会で問題とされ阻止されたという成果はありましたが、精神科医療をとりまく環境はいまだ厳しく、多くの精神障害者が病院内で人生を費やさざるをえない「社会的入院」状況は変わっていません。
一方で増え続ける病院内の身体拘束による惨い事故が報道されています。また日本精神科病院協会の会長が、日本精神科病院協会の会報(2018年5月号)巻頭言で引用した、ある精神科医の「精神科医にも拳銃を持たせてくれ」という発言は、精神科病院が「治療」の場などではない現状を暗に認めているような発言と思います。
考えるべきこと、行動すべきことが山積する中、思わず立ちすくんでしまうような状況下ではありますが、声を出し続けることを諦めずに運動に取り組んでいきたいと思えた集会でした。

(事務局 鷺原由佳)

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