障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

3つのアピール文(1.名古屋城、2.優生手術、3.障害者基本法改正に関する)を採択しました

2018年06月04日 要望・声明

6月1日(金)2018年度総会、2日(土)第34回DPI全国集会を神奈川県横浜市で開催をしました!当日は両日合わせて約400名の方にご参加いただきました、ありがとうございました。当日のご報告は改めてHP上でご案内させていただきます。

当日は下記3つのアピール文を採択いたしました。
DPIは引き続き、これらの問題について取り組みを進めてまいります!


▽名古屋城天守閣木造復元事業に対するDPI総会アピール
~誰もが利用できるインクルーシブな名古屋城天守閣を~(ワード)

名古屋市は5月9日に名古屋城天守閣木造復元事業でエレベーターを設置しない方針を表明した。現代の法制度や社会ニーズに基づき安全・安心のために必要とされるスプリンクラーや電灯などは史実に忠実でなくても設置する一方で、高齢や障害及び乳幼児を伴うなど階段を上がることが困難な人たちが必要とするエレベーターは「史実に忠実な復元」を理由に設置しないとしている。これは「史実に忠実」という名の下の障害者排除に他ならない。

2016年に施行された障害者差別解消法では、第1条で「全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的とする」とし、5条では「行政機関等及び事業者は、社会的障壁の除去の実施についての必要かつ合理的な配慮を的確に行うため、自ら設置する施設の構造の改善及び設備の整備、関係職員に対する研修その他の必要な環境の整備に努めなければならない」としている。先頭に立って差別のない社会づくりをすすめる立場にある名古屋市が、新築の建物をバリアフリー整備せず、歩行困難な障害者や高齢者等を排除して、利用できないものにすることは私たち障害者への差別である。障害者権利条約や障害者差別解消法の理念に反する名古屋市の方針に断固抗議するとともに、下記の取り組みを求める。

1. 名古屋城天守閣木造復元事業でエレベーターを設置しない方針を撤回すること
2. 障害者団体、名古屋市、設計担当者との話し合いの場を設けること
3. 名古屋市は率先して、共生社会をつくるために取り組むこと

すべての人が利用できる名古屋城天守閣とするためにはエレベーターの設置は不可欠である。名古屋市はエレベーター不設置の方針を撤回し、改めて障害者団体との意見交換の場を設け、先頭に立って差別のない共生社会づくりに邁進するように、DPI総会参加者一同より強く求めるものである。

2018年6月1日
第34回DPI日本会議総会in神奈川 参加者一同


▽優生手術に関する謝罪及び補償を求めるDPI総会アピール(ワード)
国は、優生保護法(1948年~1996年)の制定により「優生上の見地から」の「不良な子孫の出生を防止」及び母体保護を目的とし障害を理由とする優生手術(不妊・断種手術)と人工妊娠中絶を合法化した。優生手術数は約25,000件以上とみなされ、本人の同意なしで行われた約16,500件のうち約7割は女性だった。同法が母体保護法に変わり22年が経つにも関わらず、今年1月に被害者による訴訟が行われるまで国は何の調査等も行なってこず、優生手術に関する記録文書の多くは破棄された。

この間、被害者、障害のある女性、女性団体、支援者、DPI女性障害者ネットワーク、DPI日本会議も連帯する「優生手術に対する謝罪を求める会」等が被害を訴え、地道な働きかけを続けてきた。2002年の第6回DPI世界会議札幌大会では故・佐々木千鶴子さんが優生保護法にも違反した放射線照射を受けた被害体験を語り、国の謝罪を求めた。DPI日本会議は1998年と2014年に国連規約人権委員会に、また2016年に国連女性差別撤廃委員会に、協力団体と共にレポートを提出し、補償に向け必要な法的措置をとるよう政府への勧告を引き出した。

昨年2月に日本弁護士連合会が「旧優生保護法下において実施された優生思想に基づく優生手術及び人工妊娠中絶に対する補償等の適切な措置を求める意見書」を発表、続いて今年1月に被害者による初の提訴が行われた。5月には北海道、宮城、東京で被害者が同時提訴するとともに弁護団等による電話・Fax等ホットラインも続けて行われ、新たな証言が寄せられている。全日本ろうあ連盟等、障害者団体も独自調査を進めている。その後、女性障害者に対する違法な子宮摘出、成育環境等を障害と関連づける対象者の拡大、1970年代の「不幸な子どもの生まれない県民運動」等の国や地方自治体による促進策、審査会等での杜撰な手続きなどの実態が明らかになってきている。

3月、議員立法による被害者救済をめざす超党派議員連盟(超党派議連)と自民・公明の与党ワーキングチームが設置された。今後、来年の通常国会で被害者への謝罪と補償を盛り込んだ法律制定を目指して法案作成が始まる。こうした国会の動きを受けて厚生労働省は都道府県を通じ6月下旬を期限として全国調査を実施、また国と都道府県の担当部署を公表した。

DPI日本会議は5月、厚労省調査結果の公表、関係資料等の保管と書類精査、被害者に対する相談窓口の設置等を求め、都道府県に対する「強制及び「同意」による優生手術に関する緊急要請」を全国各地の加盟団体等地元ネットワークを通じて行い、あるいは地域によってはDPI日本会議が独自に要請書を提出し、特に以下の三点を要望している。

1 調査・検証等の実施にあたって障害当事者または障害当事者団体を構成員として第三者的な調査・検証委員会を設置して進めること
2 相談窓口における被害者の障害や年齢、性別、心痛等に配慮した対応を行うこと
3 被害の認定にあたっては早急かつ被害者に寄り添った柔軟な被害認定の仕組みとすること

優生手術は障害者を「あってはならない存在」とみなす優生思想に基づく極めて重大な犯罪である。DPI日本会議は、被害者への謝罪と補償等が行われないまま長年にわたりこの問題が放置されてきたことは、一方では障害児が生まれ障害者が子どもを産み育てることへの人びとの不安をあおり、また一方で一昨年の相模原障害者殺傷事件にも影を落とす負の遺産を日本社会に押し付け続けていると考える。
総会参加者一同により、国による一刻も早い被害者への謝罪と補償を強く求めるものである。

2018年6月1日
第34回DPI日本会議総会in神奈川 参加者一同


障害者基本法の改正を求めるDPI全国集会アピール(ワード)
障害者基本法が2011年に改正されてから早7年が経過している。2011年改正法の附則第2条において3年後の見直し規定が盛り込まれているが、いまだ法律改正の動きは見られない。前回の改正は、障害者権利条約の批准に向けた国内法整備の一環として行われたもので、障害の社会モデルの考え方を盛り込むなど、一定の質的転換が図られ、その後の障害者総合支援法や障害者差別解消法の制定を経て、障害者権利条約批准へとつながっていくものであった。

DPI日本会議はこの間、障害者基本法の改正に向けて法律の改正内容を検討し、DPI試案を作成した。全国集会や政策討論集会など様々な機会を通じて加盟団体や関係団体からの声を集めるとともに、HP上に公開し、広く意見を集めてDPI試案のバージョンアップを図ってきた。
2018年6月2日DPI日本会議全国集会おいてシンポジウム「障害者権利条約の完全履行に向けて障害者基本法改正待ったなし!」を開催し、障害者権利条約の完全履行に向けた障害者基本法改正の必要性を確認し、その改正内容について議論した。

1.障害者基本法の早急な改正を
障害者基本法は施行後3年目の見直しがされないまま4年が経過しており、2019年の通常国会での改正を強く求める。
日本は、2020年に国連障害者権利委員会による建設的対話を控えている。ここに向けて障害者権利条約の国内実施をさらに促進させるために、障害者基本法の改正が不可欠である。

2.前回の法改正からの積み残し課題の解消
2011年の改正では、障害女性に関する独立した条項が盛り込まれなかったこと、地域生活や教育において「可能な限り」という文言が入っていること、障害者権利条約の国内監視機関の強化等、多くの課題が残されている。これらの積み残しの課題を解消し、障害者権利条約の完全履行をすすめるために、障害者基本法改正を強く求めるものである。

集会の参加者一同により、上記2点を踏まえた障害者基本法の改正を強く求めるものである。

2018年6月2日
第34回DPI日本会議全国集会in神奈川 参加者一同

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