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ユニバーサルデザインタクシーの適切な運用を求める要望書を国土交通大臣へ提出しました

2019年11月14日 要望・声明バリアフリー

みなさま

先日行いました「全国一斉行動!UDタクシー乗車運動」の調査結果に基づき、本日国土交通大臣へUDタクシーに関する適切な運用を求める要望書を提出しました。

国土交通省は2018年11月に「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施について 」という通達を出し、事業所によっては運転手の待遇が改善され対応が良かったという声も多数ありましたが、東京と地方、事業者などによって、まだまだ十分に改善されているとは言えない状況でした。

UDタクシーが急速に普及しているなかで、車いすユーザーも利用できるように、適切な運用がされるように、下記の取り組みを求めてまいります。


2019年11月14日

国土交通大臣 赤羽一嘉 様

ユニバーサルデザインタクシーの適切な運用を求める要望書

認定NPO法人DPI日本会議
議長 平野みどり

 障害の有無によって別け隔てのない共生社会の実現のために、バリアフリー整備にご尽力いただきありがとうございます。

DPI日本会議では、2019年10月30日に全国一斉でユニバーサルデザインタクシー(以下UDタクシー)の乗車行動を実施しました。全国21都道府県で、延べ120名の車いすユーザーがUDタクシーに乗車を試みました。乗車拒否は全国平均27%で、特に地方で不適切な運用が目立ちました。都心部では、運転手の研修を繰り返し実施して車いすの乗降方法の理解が進み、接遇が改善されている事業者も多かった一方で、地方では、電動車いすはUDタクシーには乗車できない、車いすを乗せるには30分以上かかる、といった誤った情報があったり、車椅子の乗降方法を知らない、研修を受けていない、UDタクシーを指定した配車はできないという事業者が多くありました。

国土交通省は2018年11月に「ユニバーサルデザインタクシーによる運送の適切な実施について 」という通達を出し、車いす利用者の乗車拒否は道路運送法に違反する、UDタクシーの運転、予約、配車その他の業務に携わる者に研修を受講させること、定期的に研修を実施すること、UDタクシーを指定した予約・配車が可能となるようにサービスを充実させること等を求めてくださいましたが、今回の調査結果ではいずれも十分に改善されているとは言えない状況でした。

UDタクシーが急速に普及しているなかで、車いすユーザーも利用できるように、適切な運用がされるように、下記の取り組みをお願いします。

1. 乗車拒否のない適切な運用の徹底

車いすユーザーの乗車拒否は全国平均で27%、東京は21%、東京以外の地域では29%でした。事業者によっては運転手さんの接遇が改善され、対応が非常に良かったという声も多数ありましたので、事業者による格差が大きいようです。改めて、事業者に対して車いすユーザーの乗車を拒否することがないように、適切な運用の周知徹底をお願いします。

2. 実車を使った運転手の研修の徹底

実車を使った研修を受けたことがあると答えた運転手は85.5%でした。国は運転手への研修実施を条件に事業者に補助金を出していますが、研修を受けていない運転手さんもいます。また、一度研修を受けたけれど乗降方法を忘れてしまっている運転手さんも多数おりました。こういった運転手さんの場合は、車いすユーザーの乗車を拒否をしたり、結果的に乗車できなかったり、極端に乗車に時間がかかっていました。一方で、複数回練習をしているという運転手は4~5分でスムーズに乗車することが出来ました。実車を使った研修を繰り返し行うことによって、適切な運用が実現しています。ぜひとも、事業者に対して、実車を使った運転手の研修の複数回の実施を、改めて周知徹底して下さい。

3. UDタクシーを指定した配車の実現

特に地方ではUDタクシーを指定した配車はできないという事例が多数ありました。これではせっかくUDタクシーが導入されても、車いすユーザーは利用できません。UDタクシーを指定した予約・配車ができるように事業者に改善を働きかけて下さい。

4. 誤った情報の改善

電動車いすは乗車できない、車いすの乗車には30分以上かかるといった誤った情報をいう事業者や運転手さんがいました。トヨタジャパンタクシーは、電動車いすも乗車可能です。さらに、乗降時間は、車いすの乗降方法を理解している運転手さんの場合は、4-5分程度でした。乗降方法を知らないために時間がかかっているのであり、正確な情報を広めることが必要です。

5. 不適切な対応をした事業者への改善指導

別紙に事業者名を記載した事例をまとめました。不適切な対応をした事業者に対し、改善するよう指導をして下さい。

6. UDタクシーの乗車スペースの整備

今回の調査で、タクシーに乗車できる場所があまりないこともわかりました。タクシー乗り場では乗降に時間がかかり、後ろの人の乗降の妨げとなり気兼ねして利用しにくい、あるいは、実質的に利用が難しいです。また、流しを拾うときも、ガードレールや植え込みが多く、歩道から乗り込む場所もなかなかありませんでした。今後、UDタクシーの乗車スペースをつくっていくことを、ぜひご検討いただけますようお願い申し上げます。

7. 標準仕様ユニバーサルデザインタクシー認定要領の見直し

今回の調査で、車両の構造上の問題もタクシー運転手、車いすユーザー双方から指摘されました。車いすを乗降させるときの作業工程が多く運転手さんの負担になっている(乗車拒否の遠因にもなっている)、室内が狭くて車いすを回転できない、乗り口や天井に頭があたって乗車できない、といったものです。2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、海外の車いすユーザーの来日増加も予想されますが、海外製の車いすは日本より大型のものが多く、乗車できない事例が多発するのではないかと危惧しています。

現在、UDタクシーとして認定されている車種はいずれも認定基準を満たしたものですが、それでもこのような問題が起きています。認定基準は2011年度に策定されましたが、現在の車いすや社会環境に合っていないのです。根本的な解決にはユニバーサルデザインタクシー認定要領の見直しが必要です。多様な車いすユーザーを構成員とした検討会を立ち上げ、世界の基準を踏まえた認定要領の見直しに取り組んでいただけますようお願い申し上げます。

事例

⚫トヨタジャパンタクシー
• 車椅子の固定、スロープの組み立てなどが複雑。運転手はやる気はあるが、手順が難しいのでなかなか覚えられない。
• 運転手がスロープをセットしてくれたが、乗り込むときに頭がぶつかり、 乗ることをあきらめた。(車椅子はIMASEN EMC-230)
• 乗り込む事は出来たが、リクライニングしないと高さ的に全然入らなかった。
• 横から乗車して前向きに回転するときに、スペースが狭く回転できなかった。

⚫日産NV200
• NV200は車いす乗降が簡単。しかしNV200でも奥行きの長さが不十分でリクライニングを倒せなかった。
• 内部のわずかな床の傾斜が、体幹バランスの無い私にはつらい。

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