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「ともに生きる社会」を考える7.26神奈川集会 アピール文

2017年07月27日 要望・声明

相模原市の障害者入所施設で46人が殺傷された事件から1年となる26日、横浜市で「ともに生きる社会を考える」7.26神奈川集会が開催されました。北海道から沖縄まで全国各地からおよそ350名が集い、改めて事件の犠牲になった方々のご冥福を祈るとともに、障害のある人もない人も「ともに生きる社会」を考える場としました。神奈川県の障害者団体を中心にしたこの集会には、DPI日本会議も呼びかけ団体の一つとして関わり、当日も会場設営やカンパの募集等のスタッフを担いました。

19名を追悼する19本のろうそくと、登壇者の奈良崎さんが活けられたお花です
19名を追悼する19本のろうそくと、登壇者の奈良崎さんが活けられたお花です
会場の様子
会場の様子

▽アピール文(ルビなし、ワード)

▽アピール文(ルビあり、ワード)

「ともに生きる社会を考える」7.26神奈川集会アピール
~だれもがその人らしく暮らすことのできる地域社会の実現にむけて~

 「障害者なんていなくなればいい」「障害者は不幸を産み出すことしかできない」という考え方(優生思想)をいだいた元職員により、障害のある人19名の命がうばわれ、27名が傷つけられた津久井やまゆり園事件から一年がたちました。
この一年、なぜこのような事件が起きてしまったのか、津久井やまゆり園をどのような形でつくりなおす必要があるのか、二度とこのような事件を起こさないためには、どのような取り組みが必要なのかを考えてきた一年でした。

今、入所施設にいる人たちやその家族は、はじめから希望して入所施設をえらんだわけではないと思います。地域で暮らしつづけるために必要な支援がえられず、社会からの差別や偏見等に追いつめられ、地域生活が困難になって、やむなく入所施設に入るしかなかったのではないかと思います。
1月26日の集会アピールで、私たちは神奈川県に、本人の意思を確認することなく津久井やまゆり園をつくりなおす計画を進めないでほしいという意見を出しました。自分の意思を言葉にあらわすことが難しい人たちにとって、親や家族の意見を聴くことは大切です。でも親の意見は、かならずしも本人の意向と同じとは限りません。これは障害のない人の場合でも同じです。障害のあるなしにかかわらず、人はさまざまな経験をしながら成長し、いろいろな選択肢の中から自分の希望を選んでいきます。ところが、障害のある人たちは、さまざまなことを経験する機会、どのような選択肢があるかを知る機会が少ない環境におかれています。

それでも年月とともに、福祉のあり方や法律なども変わり、地域の中で暮らせる場所やしくみが増えてきています。
いままで地域で暮らすことはできないと思われていた人たちも、地域での暮らしができるかもしれないのです。一人ひとりの意思を確認するためには、地域でのいろいろな暮らし方を体験して、その人にあった暮らし方を選べるようにしていくことが必要です。
その方法について、国は今年の3月末に「意思決定支援ガイドライン」を示しています。ガイドラインでは、どのような時に、どのようなやり方でその人の意思を確認する必要があるか示しています。一人ひとりの意思を、ガイドラインにそって、ていねいに確認していく支援が必要と考えます。
障害のある人たちが自分の暮らし方を、自分で選べる状況になってはじめて、「ともに生きる社会」になったと言えます。神奈川県をあげてそうした取り組みをすすめることこそが、あの恐ろしい事件で奪われ、傷つけられた命を大切にすることにつながるのではないでしょうか。

日本は2014年に「障害者権利条約」をむすびました。「障害者権利条約」というのは、障害のある人たちの権利を守ることについて世界で決めている国際条約です。その人が望めば、自立し、社会に参加する権利があることを示したものです。
その条約の中には、障害のある人一人ひとりが、誰と、どこで、どのように暮らすかを選択することが権利として認められていること、その選択を実現するために必要なサービスを受けられることが書かれています。
入所施設が、障害のある人たちを地域社会から遠ざけてしまう場にならないように、これまでもあり方の検討がおこなわれてきましたが、今まで以上に、そのあり方が問われています。

神奈川県が「ともに生きる社会かながわ憲章」にかかげている「だれもがその人らしく暮らすことのできる地域社会」を実現して、「障害のある人たちとともに生きる」神奈川県をつくる努力をすることが求められています。
ここに集まるすべての関係者、この集会に賛同した多くの人たちが、県民の皆さんと手をたずさえて、それぞれの立場で、いっしょうけんめいに努力することを、ここに誓います。

平成29年7月26日

「ともに生きる社会を考える」7.26神奈川集会参加者・賛同者一同

 

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