障害のある人もない人も同じように暮らせる社会へ

障がいのある方を対象とした札幌市職員採用選考について要望書を提出しました

2018年11月15日 要望・声明雇用労働、所得保障

10月27日と28日の北海道新聞に、札幌市が実施している障害者を対象とした職員採用選考案内に関する札幌市人事委員会のコメントとして「障害者も原則として(障害のない)一般職員と同様の勤務条件になることをあらかじめ説明している」との報道がされました。

DPI北海道ブロック会議では、だれもがともに働き、障害者雇用の推進と障害者が安心して働き続けることができる職場環境と労働条件の整備を促進するために、本日、自力通勤や介助者なしの文言を削除することなど、下記要望書を札幌市人事委員会へ提出をしました。


2018年11月15日

札幌市人事委員会 委員長
常本 照樹 様

DPI北海道ブロック会議 議長 我妻 武

障がいのある方を対象とした札幌市職員採用選考についての要望

日頃から貴職における障害者雇用の推進にご尽力頂いていることに厚くお礼申し上げます。
私たちは、全国96の障害当事者団体から構成され、雇用・労働分野も含めて、社会のあらゆる場面で障害の種別や程度に関わりなく障害のある人もない人も共に生きることができるインクルーシブな社会(共生社会)の実現に向けて活動している認定NPO法人DPI(障害者インターナショナル)日本会議の地方組織です。

さて、ご承知のとおり今年8月に発覚した中央省庁や地方自治体による障害者雇用の水増し問題については、10月22日に国の行政機関に係る分の再点検結果の訂正とともに、再点検結果が公表され、国は法定雇用率達成に必要な障害者の不足数が3478.5人となり、地方公共団体全体の不足数については4667.5人となっていることが明らかになりました。
同日示された「国の行政機関における障害者雇用に係る事案に関する検証委員会」の報告によると、対象障害者の計上方法についての各省庁の正しい理解の欠如や対象障害者の計上や障害者雇用促進法の理念に対する意識の低さなどが指摘されています。
その後、こうした状況を改善するために国は、今年度中に4,000人の障害者雇用を進める方針を示しましたが、財務省が10月15日付で告知した「事務補助員の募集(障害者雇用・財務総合政策研究所)」における応募資格には、「自力により通勤ができ、かつ、介護者なしで業務の遂行が可能であること」と定めていました。これと同様の制限規定が、各省庁の募集要項にも見られたことから、これは特定の障害者を排除する欠格条項であり、障害者差別であるとのDPI日本会議の抗議と改善要望を受けて、現在、国は、こうした規定を削除しています。

我が国が批准している障害者権利条約第27条であらゆる形態の雇用に関わる障害に基づく差別を禁止するとともに障害者が必要とする配慮を合理的配慮と規定し、その非提供を差別としています。また、障害者差別解消法第3条では国及び地方公共団体の責務として「~省略~障害を理由とする差別の解消の推進に関して必要な施策を策定し、及びこれを実施しなければならない」とし、第8条では「事業者は、~省略~障害者の権利利益を侵害することとならないよう、当該障害者の性別、年齢及び障害の状態に応じて、社会的障壁の除去の実施について必要かつ合理的な配慮をするように努めなければならない。」としています。

さらに、障害者雇用促進法では、雇用の分野における障害を理由とする差別的取扱いを禁止しており、第34条で「事業主は、労働者の募集及び採用について、障害者に対して、障害者でない者と均等な機会を与えなければならない。」、第36条の2「労働者の募集及び採用に当たり障害者からの申出により当該障害者の障害の特性に配慮した必要な措置を講じなければならない。」と明記しており、障害者雇用について公務部門は、民間部門に対して模範となるべきであり、こうした趣旨は守られなければなりません。

しかしながら、札幌市が実施している障害者を対象とした職員採用選考案内には、同様の制限規定が掲載されています。そして、10月27日と28日の北海道新聞の報道では、札幌市人事委員会のコメントとして「障害者も原則として(障害のない)一般職員と同様の勤務条件になることをあらかじめ説明している」としていますが、このようなコメントは、正に障害者、障害者雇用及び関連法令等に関する正しい理解の欠如であり意識の低さと言えるものです。私たちは、こうした貴職の姿勢に対して強く抗議するとともに、貴職が、障害に対する正しい理解と障害者雇用を促進し障害の有無に関わらず、だれもがともに働き、障害者雇用の推進と障害者が安心して働き続けることができる職場環境と労働条件の整備を促進するために、下記の対応を要望します。

つきましては、再度、下記のとおり要請をしますので、11月30日(金)までに誠意ある回答と意見交換の場の設定を、お願い申し上げます。

1 貴職の採用選考案内から、「自力(家族による送迎を含みます)により通勤し、かつ、介護者なしに、事務職員として通常の職務をすることになります」をすみやかに削除すること。併せて、採用後に移動サービスや介助等を必要とする障害者が不利益を被らないための措置を講じること。

2 障害者が働くために通勤及び職務中の介護者等の確保等について以下の対応を進めること。
(1)貴職の通勤手当制度に障害者が必要とする通勤状況に応じた対応を明記すること。
(2)国に障害者雇用支援メニュー及び障害福祉サービスを雇用場面でも利用可能となるよう要望すること。
(3)札幌市の独自事業として障害福祉サービスにおける地域生活支援事業での実施及び札幌市パーソナルアシスタンス制度の利用拡大を図ること。
(4)冬季間等の地域特性や一般就労のテレワーク等の普及を参考に障害者の在宅就労についての検討を行うこと。

3 障害者が働くために必要な介助や情報保障等に関する職場環境を、採用した障害者の意向を尊重し、建設的対話に基づいて整備すること。

4 障害者の募集、採用試験、採用後、退職及び退職後に関して、厚生労働省が定めた障害者差別禁止指針と合理的配慮指針をふまえて、再点検を行い、必要に応じて見直すこと。

5 障害福祉サービスで実施している就労移行支援及び就労継続支援の利用者が目的としている一般就労の場として、札幌市がその受け皿となるための取組みを計画的に進めること。

以上

札幌市人事委員会への要望書(ワード)


▽2018年10月以降、DPI日本会議が提出をした障害者雇用に関する要望書はこちら
10/22(火)中央各省庁における障害者雇用の応募資格に対する抗議と要望
10/29(月)障害者雇用資格要件見直しと職場環境整備に関する要望
11/2(金)国家公務員 障害者選考試験 受験案内についての要望

▽DPI北海道ブロック会議ホームページ

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