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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2013年度活動報告>全体報告

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活動内容

全体報告

はじめに

2013年度は、私たちDPI日本会議にとって現職の議長・副議長を相次いで失う、悲しみの一年となった。2013年9月30日に三澤了前議長が、2014年2月16日に楠敏雄前副議長が逝去された。両者ともに40年以上に渡って障害者運動を牽引し、障害者運動と共に歩んできた人生であった。障害者差別解消法制定や障害者権利条約の批准は、これらの先達の闘いの上に勝ち得たものである。彼らの足跡に思いを馳せつつ、その遺志を継ぎ、障害者の権利と地域生活確立に向け、さらに歩を進めていかなければならない。

震災(東北関東大震災障害者救援本部)

東北関東大震災障害者救援本部(以下、救援本部)として活動を開始してから、3年が経過した。岩手・宮城・福島各県で立ち上げた「被災地障がい者支援センター」(以下、被災地センター)では各地のニーズに合わせた事業を模索し、被災地での新たな社会資源となるよう活動を続けている。またAJU自立の家が岩手県釜石市で立ち上げた「障害者自立センターかまいし」はNPO法人格を取得し、障害者総合支援法(以下、総合支援法)下での事業を開始させた。

各地で最もニーズの高い移送サービスについては、ボーイング社等の支援によりバリアフリー車両を整備し、毎月100件近くのサービス提供を行っている。「復興事業に係るNPOと関係省庁定期会議」では、DPI日本会議から主に移動支援に関する意見提起を行った。2013年2月に完成した映画「逃げ遅れる人々-東日本大震災と障害者」は、全国各地で上映会が開催され、DVDの販売数は1,457本となった。

海外協力活動

インチョン戦略の草案作りから参加してきたDPIアジア太平洋ブロック(以下、DPI-AP)は、市民社会グループの一員として、新しいアジア太平洋障害者の十年の推進(2013~2022年)とフォローアップを行うこととなった。2013年9月23日、「障害と開発に関するハイレベル会合」が開催され、2015年に終了するミレニアム開発目標(MDGs)に続く開発枠組みの中に、障害問題を主流化していくため、各国政府に加え、世界の障害者団体の代表が集まった。DPIでは、それに合わせて「貧困削減:障害者の排除について」と題したサイドイベントを行い、日本からも事務局員2名が参加した。またDPI-APではフィンランドのアビリス財団と連携してインドシナ半島での障害当事者団体の育成事業を開始した。

昨年度に引き続き、独立行政法人国際協力機構(JICA)委託事業として「アフリカ障害者地域メインストリーミング研修」が行われ、7カ国から障害者リーダーと行政官計11名に対して研修を実施した。6月に開催されたTICAD V(第5回アフリカ開発会議)と時期を合わせ、研修員のカントリーレポート発表を交えたサイドイベントを開催した。また、DPI北海道ブロック会議(以下、DPI北海道)受託の中央アジア研修では、東京での1週間の研修受け入れと、北海道での研修への協力を行った。

また例年通りダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業研修への協力を行うとともに、「動く→動かす」を中心としたNGOネットワークに参加し、市民社会がまとめる提言に障害者の要望を盛り込んできた。

11月8日にフィリピンで起きた台風30号(ハイエン・現地名ヨランダ)の被災障害者救援のため、マニラの自立生活センター「ライフヘブン協会」及びゆめ風基金と協力し、現地調査を行い、現地団体と協力し支援を行う準備をしている。

制度改革

2013年6月、障害者権利条約(以下、権利条約)の批准のための法整備の一環として、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(以下、差別解消法)が制定された。DPI日本会議は他の障害者団体と協力しながら、政党シンポジウムやロビー活動を通じて、積極的に法案作成への働きかけを行ってきた。5月31日には大阪、6月5日には東京で、差別解消法の制定を求めて国会請願デモ等を行い、これらの取り組みの結果、6月19日国会で制定された。

そしてついに、2014年1月20日、日本は権利条約を批准し、141番目の加盟国となり、2月19日から発効した。DPI日本会議は、2002年の第1回国連権利条約特別委員会の開催以降、制定と批准に向けた全ての過程に積極的に関与してきた。今後も制度改革の第2ラウンドに対して主導的に臨んでいかなければならない。

2012年に障がい者制度改革推進会議を改組した障害者政策委員会(以下、政策委員会)はこれまで11回開催された(2014年3月現在)。この間政策委員会では、障害者基本計画の策定に向けた意見の取りまとめを行い、さらに2013年6月の差別解消法の制定以降、差別解消法についての説明やその基本方針について、団体ヒアリングなどを経て取りまとめられようとしている。

障害者権利法制

差別禁止法制定運動を進めてきたDPI日本会議にとって、差別解消法の成立は大きな意義がある。何らかの理由による差別を禁止する法律の名称に『差別』という文言が使われるのは初めてのことである。また、『差別的取り扱い』と『合理的配慮の不提供』の禁止が規定されている。そうした意義をふまえつつ、政策委員会・差別禁止部会意見や他の先進諸国の差別禁止法との差を埋めていくことが私たちの今後の大きな課題であり、差別解消法に実効性を持たせるべく取り組んでいる。内閣府で作成されている基本方針に対して、政策委員会を通じて意見を表明し、その他の関係省庁との調整も進めている。

2013年度も各自治体での差別禁止条例づくりが進められ、長崎県、別府市、沖縄県、京都府、鹿児島県、茨城県で制定された。各地域で相談機関等『紛争の解決』の体制が作られることは、差別や虐待を防ぐシステムをつくる点で、差別解消法と補完関係にあり、大きな意義がある。

障害者虐待に関して、2013年11月、千葉県社会福祉事業団が運営する施設において虐待による死亡事件が発生した。事件が明るみに出た直後にDPI日本会議はピープルファースト東京と協力して、厚生労働省、千葉県庁、千葉県警、事業団事務所を訪問し、声明文を手渡し、真相解明、責任者の処罰、施設の閉鎖を訴えた。

総合福祉法等

総合支援法が2013年4月から施行され難病等の一部が対象者になったが、病名の制限列挙にとどまり、『制度の谷間』の解消は引き続き大きな課題である。2014年度からは、重度訪問介護の対象拡大やグループホームへの一元化、障害支援区分への変更等が施行された。「障害者の地域生活の推進に関する検討会」に、DPI日本会議からも委員として参画し意見提起を行ってきた。重度訪問介護利用の行動援護前置やグループホーム定員の大規模化は喰い止めることはできたが、行動障害関連10点未満の者の利用等の課題が残った。また、『地域生活支援拠点』の名目の下、大規模グループホーム・小規模入所施設を展開しようとする動きが続いている。「精神障害者に対する医療の提供を確保するための指針等に関する検討会」では、『病棟転換型居住系施設』をめぐる議論が再び持ち出されてきた。小規模入所と並ぶ『ハコモノ』回帰の動きとして捉え、反対の意志を示してきた。障害支援区分に関するパブリックコメントでは、一人ひとりのニードをふまえた支給決定がなされるよう意見を提出した。

残すところ2年となった総合支援法の見直しを、総合福祉部会・骨格提言の内容をふまえパーソナルアシスタンスや協議調整モデルに基づく支給決定を実現する機会としなければならない。そうした点から、「障害者の地域生活確立の実現を求める全国大行動実行委員会」(以下、全国大行動)と連携して厚生労働省交渉(6月、2月)を実施してきた。関連して、サービス法PT、全国大行動等での検討も進めた。

また、自立支援法訴訟について「障害者自立支援法訴訟の基本合意の完全実現をめざす会」(めざす会)主催の院内集会等にも参加した。

交通アクセス

2013年12月2日、DPI日本会議は昨年度に引き続き国土交通省と交渉を行った。バリアフリー新法における事実上の『移動円滑化基準』切り下げという重大な問題点が含まれていることから、新たに南海電鉄の無人駅化問題を取り上げた。航空局については交渉と別枠での協議を行っている。

また、第7期バリアフリー障害当事者リーダー養成研修を東京で行った。交通行動東京実行委員会が事務局を担い、様々な障害種別の受講生20名が全国から集まって行われた。

2013年度は「ひろしま菓子博2013」、美容院チェーン等をはじめ、会場や店舗での入店拒否が目立った。2020年オリンピック・パラリンピック東京大会の開催が決定したことから、施設のユニバーサルデザイン及び接遇面に対応するため、プロジェクトチームを発足させた。

2013年10月、都内地下鉄駅構内の車いす対応エスカレーターから電動車いす使用者が転落し重傷を負うという事故が起きた。原因究明とエレベーター設置を含む再発防止、被害者への補償等について取り組みを進めている。

教育

2013年10月に学校教育法施行令の改正が行われた。DPI日本会議では「障害者権利条約推進・インクルーシブ教育推進ネットワーク」(以下、インクルネット)と協働してインクルーシブ教育を推進する議員連盟への働きかけを行ってきたほか、パブリックコメントへの意見提出を呼びかけた。原則インクルーシブな教育制度の確立という観点からは不十分な改正にとどまっており、改正以降の各地の就学先の決定の現状の把握が重要である。高等教育に関しては、文部科学省において「障がいのある学生の修学支援に関する検討会報告(第1次まとめ)」を具体化した差別解消法の対応要領・対応指針を見通すQ&A作りが進められている。

雇用・労働

 障害者雇用促進法改正を受けて厚生労働省・労働政策審議会障害者雇用分科会のもとに「改正障害者雇用促進法に基づく差別禁止・合理的配慮の提供の指針の在り方に関する研究会」が設置され、9回開催されている(2014年3月時点)。DPI日本会議では研究会の委員とともに事前の学習会を随時開催し、研究会に対応している。また、全国大行動の厚生労働省交渉において、総合支援法における就労支援の見直しに関して、現行制度の全般的な見直しの論点を示すとともに、自治体独自の取り組みを行っている関係者を検討の場に加えることなどを要求した。

障害者の所得保障

扶養義務強化等を進める生活保護法改悪、生活保護の基準額の引き下げ等の動きに対して、「STOP!生活保護基準引き下げアクション」が主催する集会、デモへの参加、院内集会での発言などを行った。また、全国的な生活保護ホットラインの取り組みについての広報も行ってきた。第3次障害者基本計画の検討では、在日外国人障害者の無年金問題等をはじめ所得保障についても意見提起を行ったが、『経済的自立の支援』として従来施策の列挙にとどまった。

生命倫理・優生思想

2013年8月の「社会保障制度改革国民会議報告書」では、医療のあり方の中で『尊厳ある死(QOD)』との表現が盛り込まれるなど、尊厳死法制化をめぐる状況は厳しさを増している。12月に自民党の「尊厳死に関する検討PT」が立ち上げられ検討が進められてきた。出席した複数の議員から法制化への反対・慎重意見が提起されているものの、2014年通常国会への提出を進めようとする動きが根強い。DPI日本会議が参加する「尊厳死法制化に反対する会」では、議員をはじめ、関係諸団体への働きかけを行うとともに、院内集会などの開催に向けて準備を進めている。

また、2013年4月にスタートした新型出生前診断を契機に、関連する報道が数多くなされた。DPI日本会議としては、DPI女性障害者ネットワーク(以下、DPI女性ネット)の協力の下、常任委員会などでこうした動きを共有するとともに、日本産科婦人科学会が主催するシンポジウムなどに参加してきた。

女性障害者

昨年度に続き、DPI女性ネットと共同で作成した「障害のある女性の生活の困難―複合差別報告書」を、学識経験者、公共機関、学生等に広く普及させた。女性障害者のエンパワメント促進の機会である「しゃべり場」の開催に協力し、新たなネットワークが生まれた。さらには、政策委員会にDPI女性ネットのメンバーが呼ばれ、発言するにあたっての後方支援を展開した。DPI女性ネットとの連携の下、条例作りへのパブリックコメントの募集も行い、京都府障害者差別禁止条例には女性障害者及びその複合差別という概念が初めて入った。

次世代育成

公益財団法人キリン福祉財団の助成を受けて、「次世代若手障害者リーダー育成・エンパワメント事業」を2013年度に開始した。日本全国から多くの応募があり、21名の障害当事者が参加した。また、韓国の知的障害のある当事者を招き、自国での当事者活動の様子を聞いた。さらに、研修生数名が第19回ピープルファースト大会に参加し、全国・世界各国のピープルファーストのメンバーと交流した。12月1日、第2回DPI障害者政策討論集会(以下、政策討論集会)では「DPI次世代障害者リーダー・エンパワメントスクール研修生による報告」を特別報告会として行った。個人の課題・障害者運動の課題に対する行動計画を検討し、今後もこの研修生のつながりを生かし、来年度以降の活動を行うことを確認した。

欠格条項

障害者欠格条項については、障害者欠格条項をなくす会(以下、なくす会)との連携の下で取り組んでいる。公職選挙法改正が2013年5月に行われ、剥奪されてきた被成年後見人の選挙権が回復した。一方、障害や病気を理由に、免許の取得や更新を困難にし、差別の助長につながりかねない道路交通法改正案・厳罰化法律案に対して、他団体とともに、慎重審議を求める署名活動などを行った。さらに、第3次障害者基本計画に対しても働きかけ、その結果『必要に応じた見直しを検討』と記述された。差別解消法の基本方針の中に、『欠格条項の見直し』が盛り込まれるよう意見提起している。なくす会では、自治体の障害者職員採用試験について『受験資格』や『配慮事項等』について調査を進めている。

地域団体支援

DPI北海道では、若手障害者による組織運営を積極的に進め、若手障害者の企画により講演会等を実施した。札幌市の検討会等に参加し、制度の充実に向けて意見反映に努めた。また、「北海道障がい者条例」の運用に参画するとともに、DPI北海道の理事を中心としたメンバーで権利擁護センターを設置し、孤立する障害者への相談・支援等を実施した。

また、DPI東京行動委員会は、6月にJDF地域フォーラムと連携して国会請願とアピール行動をした。愛知県では加盟団体が愛知障害フォーラム(ADF)の事務局を担い、差別禁止条例制定に向け地域フォーラムを開催した。関西地域では、「DPI関西ブロック準備会」のもと、2013年3月にも奈良において5府県の団体から各地の取り組みの報告と、神戸で開かれる第29回DPI日本会議全国集会(以下、全国集会)に向けた意見交換を行った。

DPI障害者権利擁護センター

DPI障害者権利擁護センターの2013年度の相談実績は、相談件数1,418件となった。相談者の障害類型では、精神障害34%、肢体障害28%、知的障害8%、であり、不明・その他が22%であり、その他の中には発達障害及び慢性疾患・難病などが含まれている。これは、精神障害者や発達障害者、慢性疾患・難病患者の相談を受ける体制が、制度や社会の中に未だ整備されていないという実態も反映している。

広報・啓発活動

季刊誌の特集では、政権交代前後の障害者運動を振り返りや、差別解消法の課題の整理、インクルーシブ教育の課題報告、第2回政策討論集会報告を行った。月刊紙は速報性の高い記事の他に新たに「写真交流館」というページを設けた。DPI日本会議の機関誌については、点字、音声およびメールでのテキストデータの配信し、主に視覚障害をもつ会員へ対応した。

ホームページはDPI日本会議提出の要望書や意見書の掲載などの情報集積、メールマガジン・ブログはイベント案内や、事務局に寄せられた情報の提供、行動呼びかけ等を掲載している。

点字印刷事業

点字印刷部門では、障害者団体、労働組合企業、地方自治体など幅広い組織・機関からの依頼に対応し、視覚障害者の情報保障に貢献した。

組織運営に関する報告

2012年度総会での決定を受けて、常任委員構成比率の積極的差別是正措置として、特別常任委員枠を設けて女性当事者3名が就任し、2013年度も継続した参画を得てきた。

NPO法人会計基準の導入および新認定NPO法人制度下での再認定申請にあたり、定款や経理・会計管理方法の見直しを行った。再認定の申請手続きを進め、2014年3月20日に東京都より認定通知(~2019年3月19日)を受けた。

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