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特定非営利活動法人(認定NPO法人)DPI(障害者インターナショナル)日本会議

Japan National Assembly of Disabled Peoples' International

A Voice Of Our Own(我ら自身の声)

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HOME>活動内容>2012年度活動報告>全体報告

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活動内容

全体報告

2011年3月に起こった東日本大震災から2年が経過した。しかし未だ障害者を取り巻く問題の多くが解決されず、さらに深刻な状況が続いている。東北関東大震災障害者救援本部(以下、救援本部)は、障害当事者が障害者の視点からの救援活動をめざして取り組んできた。岩手・宮城・福島各県で立ち上げた「被災地障がい者支援センター」(以下、被災地センター)では、緊急支援の時期を過ぎた現在、個別支援が中心となり、被災地での新たな社会資源となるよう活動を続けている。救援本部では、2014年度までの中期的計画をたて、各被災地センターによる継続可能な支援を確立するための後方支援として、団体運営をサポートしてきた。

加盟団体のAJU自立の家でも岩手県釜石市での活動を展開し、新たな障害者福祉の資源となることを目指している。

一方福島県では、今なお続く原発事故の影響から介助者の離職が続き、障害者の介助体制を維持することに困難が生じ、利用者・介助者・調整役ともに疲弊し、先の見えない困難な状況が続いている。また救援本部では、ドキュメンタリー映画「逃げ遅れる人々-東日本大震災と障害者」を制作し、普及のためDVDパッケージの販売や、自主上映会の企画を募集している。

2012年10月に、DPIアジア太平洋ブロック(DPI-AP)総会が韓国・インチョンにおいて開催され、37カ国から約600名、日本からは約100名が参加した。総会と並行して行われた評議委員会では、中西正司理事がDPI-AP議長に再任された。また、北東アジア小ブロック会議では各国での障害者権利条約批准に向けた取り組みが報告され、議長に韓国のキム・デソン氏が選任された。その後、ESCAPハイレベル政府間会合が開かれ、第2次アジア太平洋障害者の10年の最終評価と2013年から始まる新しいアジア太平洋障害者の10年にむけたインチョン戦略が採択された。

昨年度に引き続き、独立行政法人国際協力機構(JICA)委託事業として「アフリカ障害者地域メインストリーミング研修」が2012年9月に行われ、アフリカ地域7カ国から障害者リーダーと行政官、計11名が参加した。また、JICA草の根技術協力事業としてブラジルで実施していた「ろう者組織の強化を通した非識字層の障害者へのHIV/AIDS教育プロジェクト」(通称、たんぽぽプロジェクト)のフェーズ2は、2013年3月末で支援が終了した。ブラジル連邦政府から全国の保健局に対し、たんぽぽプロジェクトの活動を支援するように通達を出すことの合意を得るなど、非常に大きな成果を残すことが出来た。

DPI北海道ブロック受託のJICA地域別研修「中央アジア地域障害者のメインストリーミング及びエンパワメントの促進」では、東京での1週間の研修受け入れと、北海道での研修への協力を行った。また例年通りダスキン・アジア太平洋障害者リーダー育成事業研修への協力を行うとともに、「GCAP動く→動かす」との協働や、ESCAP・UNDP主催の北東アジアユース会議に参加するなどし、ポストMDGs(ミレニアム開発目標)などの開発枠組みの中での障害当事者のニーズについて訴えた。

 2009年に設置された障がい者制度改革推進会議(以下、推進会議)が2011年に改正された障害者基本法のもと、障害者政策委員会に発展改組された。30名の委員の内過半数が障害当事者と家族で、DPI日本会議の理事3名が参加している。2012年7月の第1回会合以降、新しい障害者基本計画に関する検討が行われ、12月に政策委員会意見としての意見が取りまとめられた。差別禁止部会も推進会議から政策委員会の下に設置され、9月に部会意見が取りまとめられた。

2013年3月に自民党・公明党の与党ワーキングチームにより「障害を理由とする差別の禁止に関する立法措置に係る主な論点と基本的な考え方」がまとめられた。そして「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」(通称、差別解消法)案が、4月26日に閣議決定された。今後の運用や見直しでの課題はあるものの、今国会での成立を目指して院内集会をはじめ、関係議員への働きかけ等、様々な取り組みを進めている。

2012年6月に「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援する法律」(通称、障害者総合支援法)が成立した。2011年8月にまとめられた「障害者総合福祉法の骨格に関する総合福祉部会の提言」の実現という観点から、諸課題への取り組みを進めてきた。特に「制度の谷間」の問題や重度訪問の対象拡大など2014年度からの実施内容については重点課題として取り組み、引き続き働きかけが必要である。

総合支援法の実施・見直しに関連して、キリン福祉財団より助成を受けて「障害者エンパワメントと本人中心支援のあり方研究事業」をテーマにした研究を進め、報告書をまとめた。地域で暮らす重度障害者の多様な事例をベースに策定されてきた先駆的な自治体の支給決定のプロセスや支給水準を参考に、今後の支給決定の見直しに活かされることが期待される。

「高齢者・障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」(通称、バリアフリー新法)施行5年後の見直しとして、各検討会が行われたが、障害当事者の参画はなく研究者のみにより実施された。こうした事態に対しDPI日本会議として強く抗議した。またバリアフリー運動を先頭に立って進めてきた立場からバリアフリー部会を設置し、運動の強化と継続を図った。11月には国土交通省交渉を行い、ハンドル式電動車いすへの乗車拒否並びにステッカー制度の問題をはじめ、移動円滑化基準の見直し、鉄道やバス、航空機など、それぞれの分野での課題についての意見提起を行った。また交通エコロジー・モビリティ財団助成の「第6期バリアフリー障害当事者リーダー養成研修」を熊本で行った。

インクルーシブ教育の実現を目指す立場から、特別支援教育に関する特別委員会(特特委)委員に対し積極的に働きかけを行った。また日本障害フォーラム(JDF)と協力し、就学先決定や合理的配慮に関する意見書を提出した。インクルーシブ教育議員連盟に対しては、障害者権利条約推進・インクルーシブ教育推進ネットワーク(インクルネット)と共同して学校教育法施行令の改正に向けた働きかけを行った。高等教育局関連では、「障がいのある学生の修学支援に関する検討会」にて12月に報告(第1次まとめ)がまとめられ、通知された。

障害者雇用促進法改正に関して、2011年11月に3つの研究会がスタートし、2012年8月に報告書がまとめられた。これを受けて9月より労働政策審議会障害者雇用分科会で議論が開始され、分科会委員との意見交換を行った。また総合支援法で3年後見直しの課題となった就労支援のあり方に関して、「多様な働く場、働き方」についてDPI日本会議全国集会やDPI障害者政策討論集会等で一般就労、福祉的就労、社会的事業所促進法案などについて議論を行った。

障害者の所得保障に関連して、在日外国人障害者の無年金問題について関係団体と共同で国会に対する行動を行った。マスコミ等における生活保護バッシングを契機にした生活保護の見直しに対して、2012年6月の総会・全国集会で、「生活保護法扶養義務強化に反対する緊急アピール」を採択した。さらに生活扶助基準引き下げに対する「STOP!生活保護基準引き下げ」の呼びかけを受けて、反対署名への協力、院内集会、国会請願デモなどへの参加を行った。

尊厳死法制化を考える議員連盟(以下、尊厳死議連)は、2012年3月「終末期における患者の意思の尊重に関する法律案」を公表した。尊厳死議連ヒアリングにおける意見提起などを行い、8月には他団体とともに「尊厳死法制化に反対する会」を立ち上げ、法制化に関する全国会議員アンケートや学習会を開催した。

関連した動きとして、新型出生前診断に関する日本産科婦人科学会の指針案へのパブリックコメント募集に対して「この検査が障害児・者に対する偏見、差別を強めかねない」として反対する旨の意見書を提出した。

女性障害者の複合差別に対して、DPI女性障害者ネットワーク(以下、女性ネット)協力のもと「障害のある女性の生活の困難・複合差別調査報告書」を4月に発行したことを皮切りに、女性ネットでは報告会や院内集会を活発に開催し、DPI日本会議としても人的支援やイベントの広報等積極的に関与した。

障害者欠格条項に関して、「成年被後見人の選挙権剥奪は違憲」とする画期的な判決が出され、政府に対し控訴しないようにとの意見書を提出した。また、病気、障害に関わる道路交通法等の改定の動きが進められ、日本てんかん協会を中心とした法案反対の活動に積極的に取り組んだ。さらに2013年2月新潟県非常勤職員募集において、障害者欠格条項をなくす会と連名で新潟県に対し意見書、質問書を提出し、要件の一部(点字、手話等の対応の不提供及び自力通勤・介助者なしの職務遂行)を削除する回答を得た。

DPI北海道ブロック会議では、「北海道障がい者及び障がい児の権利擁護並びに障がい者及び障がい児が暮らしやすい地域づくりの推進に関する条例」の動きに対して参画し、それらを補完する役割として権利擁護センターを立ち上げ、孤立する障害者の支援や相談などを行った。

また、DPI東京行動委員会では、差別禁止部会の当事者委員を招いた講演・意見交換会を年次総会に併せて行った。更に愛知県では、愛知障害フォーラム(ADF)を中心に活動を進め、愛知県と名古屋市で差別禁止法制定の意見書採択を実現した。

DPI障害者権利擁護センターの2012年度の相談実績は、相談件数1,159件となった。「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」(通称、障害者虐待防止法)が施行された10月以降は、行政の対応に関する相談が増えている。また、2011年度の相談案件で裁判として提訴するに至った「インターネットカフェ障害者入店拒否問題」では、原告勝訴の判決が出された。

障害者運動に係る分野を網羅し、タイムリーな情報を発信する為、様々な企画を立て、誌面を改善しながら、季刊「DPIわれら自身の声」、月刊「われら自身の声」を発行してきた。また、ホームページをDPI日本会議提出の要望書や意見書の掲載などの情報集積・情報共有の場として活用するとともに、メールマガジンやブログではイベント案内や、事務局に寄せられた情報の提供、行動呼びかけなどの情報発信を行ってきた。

点字印刷部門では、障害者団体、労働組合、障害者政策委員会、大学、企業、地方自治体など、幅広い組織・機関からの依頼・注文に対応し、視覚障害者の情報保障の一端を担ってきた。また、DPI日本会議編集の「最初の一歩だ!改正障害者基本法-地域から変えていこう-」(解放出版社)が発刊され、加盟団体、関係団体を中心に販売・宣伝を行った。

2012年度総会において、複合差別を抱える女性障害者の問題をDPI日本会議の取り組み課題とすること、また現在の常任委員会のジェンダーバランスを改善するため、女性枠としての「特別常任委員」として3名が就任した。

救援本部の立ち上げとともに、国内外からの支援を求め、2012年4月には被災地センターの活動・福祉車両購入に対するボーイング社による支援も得ることができた。また、DPI日本会議の活動・組織運営に関する安定的な財源の確保として、加盟団体や関係団体を中心に、財政支援の呼びかけの協力を得て、寄付収入や新規賛助会員の確保に努めた。

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